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『オードリーのオールナイトニッポン in 東京ドーム  ライブビューイング』-----「幸せな時間」。

 オードリーが武道館でライブを行ったのが、2019年、その時に何度もチケットを申し込んで外れた。

 それから、時間が流れて、今度は東京ドームでライブが開かれるのを知ったのが2023年。今度は5万人くらいだから、行けるのではないかと思っていた。


抽選

 最初に先行抽選が行われたのが、2023年9月23日からで、初日に申し込んで、抽選にはずれた。自分にとって当選することがあるのだろうか、と思った。

 妻と一緒に行きたいと思っていて、それでも、当日は2024年の2月で、妻が体調を崩す可能性もあって、もしもその時は、転売もできないから、一枚無駄になったとしても、それでも行きたいと思って、申し込んだ。

 それから、2023年の間に、あと3回のチャンスがあったのだけど、すべて外れた。

 残念だった。
 当たる気がしなかった。

 また行けないのかもしれない、と思った。

Tシャツ

 そういえば、その抽選の行われるかなり前に、Tシャツが売り出された。

 それは、東京ドームでのライブの「宣伝」も兼ねた商品で、その中にはTシャツがあって、私も着て、近所の買い物に行くときくらいには身につけようと思った。

 背中には『オードリーのオールナイトニッポン in 東京ドーム』の文字がラスタカラーで彩られていて、そのデザインについて、妻と相談をして、反対をされた。いつも、服を購入するときは、そうやって妻にも聞くのは、身につけるものを一番目にするのが妻だからで、時々、そういうふうに言われて、買うのを断念することがあった。

「あちこちオードリー」の配信ライブの時のTシャツは、2021年から3年連続で買えたのは、妻も「かわいい」と言ってくれる時があるから、スムーズに購入できているのに、今回はダメだったけれど、でも、その妻の選択には納得ができた。

宣伝

 2023年の夏頃、街を歩いて、信号で待っていたら、すぐそばに、『オードリーのオールナイトニッポン in 東京ドーム』の宣伝Tシャツを着ている背の高いおしゃれな若い男性が立っていた。

 堂々と歩いていて、その姿を見て、ちょっとまぶしく見えたのは、自分が少し後ろめたかったからだろう。

 私にも東京ドームという巨大な施設でのオードリーのイベントの成功を願う気持ちがあって、そのためにできることはしようと思っていたのに、そのTシャツを、妻の反対を押し切ってまで買うことはできなかった。

 そのあとに、おいしいパン屋を巡るバラエティーを夜中にやっていて、それを見ていたら、その中に、その宣伝Tシャツを着ている人が映っていたこともあった。

 ちゃんと買って、着て、応援を形にしている人もいるのだと、改めて思った。

ライブビューイング

 東京ドームでのライブの先着順の申し込みが行われたのが、2023年の12月9日。自分にとっては、5回目のチャンスだった。

 土曜日は出かける用事がある。午前11時からの申し込み開始だけど、スマホも携帯も持っていないし、その頃は他のことができない状態だし、諦めつつつも、帰宅して夕方にその抽選をしようと思ったけれど、すでに予定枚数に達していた。

 今回も縁がなかった。

 宣伝Tシャツも購入していないし、ラジオを毎週欠かさず聞いているわけでもない。だから、当選する資格がないのかもしれない。

 それでも、今回は、家から比較的近い映画館でのライブビューイングには当選した。妻と一緒に行こうと思って、2枚購入した。1枚4500円。そこに色々と料金が乗って、さらに値段は上がり、映画の料金を考えたら高額だけど、ライブの料金としては妥当でもあった。

 というよりも、実際にドームに行けないのは残念だけど、同じ時間に、映像を通して、とはいえ、同じ場所にいるような気持ちになれるかもしれないとも思ったし、冬の東京ドームは、寒いのを思い出し、映画館の方が体には負担がかからないかも、などと考えていた。

 料金をコンビニで払ったあと、1月の下旬に追加販売の情報を知った。もう料金を払ってしまったあとだった。もう無理だ、と思ってしまったけれど、あとで考えたら、リセールといったシステムもあるわけだったのに、ライブビューイングが当選した段階で、東京ドームに行くことを自分が諦めていたようだった。

 あれこれ考えると、ちょっと情けなかった。

19万人

 東京ドームでのライブがあると発表されたのが、2023年の3月で、それから、いろいろあって、抽選には4回もはずれて、それで、やっとライブビューイングには当たって、お金も払い、妻の体調も良さそうだったので、チケットもコンビニで引き取った。

 ライブ2日前のニュースで、「転売されたチケットを無効化した」ということを知って、きちんと対応しているんだと思うと同時に、この記事の中で、「19万人の応募が殺到」ということを知って、自分の予想以上に大勢の人が申し込んでいて、それならば、はずれても仕方ないのかも、とも思った。

 自分の周囲には、オードリーが好き、という人はいないように思っているし、どこにそれだけ熱心なファンがいるのだろうとも思っていたが、それ自体が、オードリーに失礼かもしれないと改めて思ったのは、このイベントに19万人が行こうとしていた、という事実を知ったせいもあった。

 自分も、申し込んではずれた人間の一人だった。

 こんなふう↑に申し訳ないと思ってくれるのはありがたいのだけど、でも謝ることはないのに、などと勝手なことも思っていた。

映画館

 午後5時半から開演だから、その前にとても早めの夕食を食べようと思った。妻と一緒に無事に出かけれた時点で、すでに何か達成したような気持ちになって、久しぶりにショッピングモールで、食事もした。

 そのあとにソフトクリームでも食べようかと思っていたら、日曜日の、夕方でもどこも混んでいて、それで諦めて映画館に向かったら、さらに人がたくさんいた。

 オードリーの…は、開場しています。混雑しますので、早めに。

 そんなスタッフの声が聞こえてきて、トイレに行ってから、妻と二人で、なんだか焦って、映画館に入る。

 もう人がたくさんいた。

 自分たちの席を探す。ほぼ一番隅っこ。一つ前の列の席が、特別席のような場所だったから、位置としては見やすい席だった。

 画面では、すでに東京ドームの会場が映っていて、満員なのはわかったし、「前説」としてのラジオ番組などがすでに始まっていた。これを知っていれば、もっと早くから来ていたのに、というような気持ちにもなるが、それから少し経って、始まった。

 始まりの直前まであいていた隣の席には、中年男性が一人で座った。そして、このイベント用のユニフォームに着替えていた。確か1万円ほどするはずだった。気合いが違っていたと思う。

 この映画館にいる人たちは、オードリーのファンのはずだった。初めて、こんなに大勢を見た。年齢層もばらつきがありそうだったけれど、思ったよりも若い人たちが多いようで、自分は若くないのだけど、なんだかうれしかった。

『オードリーのオールナイトニッポン in 東京ドーム  ライブビューイング』

 オープニングは、アニメのような画面。星野源の曲。さらには、オードリー若林正恭が、映画「フィールドオブドリームス」を模した動きをし、春日俊彰が、「メジャーリーグ」のピッチャーを演じていた。

 それから、画面は東京ドームを映し、そこに若林は登場した。現地はもちろんだけど、この映画館でも拍手が起こって、私も拍手をしていた。

 このイベントの開催が決まってから、体力作りのために若林が、約1年間乗り続けた自転車で、ドームのグランド部分、今はアリーナ席になっているところを一周回る。

 会場に、ラジオブースのようなセットがあって、そこに若林と春日が座るまで、ゆったりと時間をとっていたが、それは、ここまでの人数が集まったことに対しては、ふさわしいオープニングのように思えた。

 そこから、普段のラジオのような構成のまま、途中で聞こえてくるジングルもお馴染みのものだった。

 最初の二人でのトークは、当然ながら、この日のことだった。その日常的な話がしばらく続いて、そして、そこから始まりを告げる。スポンサーもラジオのときと、ほぼ一緒のようだ。

 コマーシャルが入るところには、オードリーと馴染みのあるモノマネ芸人が5万人の前で芸を見せる。画面を通しても、緊張感が伝わってくるようだった。

 若林のトークは、ウーバーイーツの配達のバイトをしていたという内容だった。これまで、どこでも話していないはずで、この日のためにとっておいたのだろうけれど、その過程も、その時の気持ちも、聴いている側も、自分でも似たような瞬間を思い出すほど、かなり正確に伝えてきているようだった。
 
 5万人が入る空間としては、そのテーマはかなり小さいものにも感じるが、だけど、ずっと引き込まれて、面白くて、気がついたら笑っていた。最後もきっちりと話をおとした。

 春日のトークは、二人が学生時代に通った中華料理屋がすでに閉まっているが、今は食べられなくなったポークライスを再現する話だった。それは、プロの料理人の凄さを感じさせる内容でもあったのだけど、その話の最後は、その再現したポークライスを、この場で若林に食べさせる、ということだった。それは、時間とか歴史とか思い出とか、そういう重層的ないろいろなことを思わせてくれた。

 ここまでのトークで、ここまでの人数を集めただけでも十分ではないか。これだけいつものラジオのような感じでできて成功ではないか、という気持ちにもなった。

 その後も、ラジオでもお馴染みのコーナーがあったりもしたが、このイベントのために、春日俊彰とゲスト・フワちゃんの、思った以上のクオリティーのプロレスが行われた。それから、若林がDJをして、その言葉のサンプリングが、ラジオでの、おそらくは忘れたくないワードを繰り返したりしているところに、星野源がサプライズゲストとして現れ、歌を唄い、若林がラップをする、といった大きな会場らしい演出もあった。

 それでも、最後は再び、ラジオのエンディングらしくなったあと、オードリーの二人が、場内をトロッコのような高い台に乗って、1周する頃には、もう終わるんだ、と思っていた。その時点で3時間ほどが経っているから、トイレに行きたくなって、いったん会場を出た。

 トイレから戻ってきて、そろそろ帰り支度をした方がいいのかな、と思っていた。

幸せな時間

 映画館のスクリーンには、様々な今日のイベントの画面が流れ、最近の披露宴のようだと思って、本当に終わるんだ、と思って、また東京ドームの会場の場面に戻ったら、マイクが立っていた。

 漫才をするんだ。

 そこから、オードリーは、30分ほど漫才をした。本当に力が入っていて、同時に、いつもよりも長い時間でも、ゆるさと身近さのような気配もあって、やっぱり笑っていた。

 初めてライブビューイングというものを体験し、そして、画面を通して、とはいっても、同じ時間に、行きたかった東京ドームでの出来事がライブで映っていたから、やっぱり参加している気持ちにはなれたし、トークだけでなくプロレスや歌や、そして、最後は漫才も見せてくれた。

 同じライブを見にきた人たちと一緒に笑っていられた約3時間30分は、間違いなく幸せな時間だった。映画館で、こんなに拍手したのも初めてだった。

 15年ラジオを続けてきたということになると、つい自分の15年も振り返って、今もまだ満足できるような成果を出すには、とても遠いけれど、15年前にはまだ先が全く見えなかったことを考えたら、想像できにくいことを今はしていることを思う。

 オードリーの二人は、こういう例のないような、大きいイベントを成功させるほどの存在になったことは、ただ見てきただけなのだけど、なんだか、勝手に感慨深い気持ちになる。


 今日、このイベントに参加した人が、16万人らしいと知って、すごいと思い、そして、これだけの人数がいるのに、実社会で、それほどの人数がいるような気がしないところが、さらにすごいのかもしれないと思った。

 いつになるかわからないけれど、またこういうイベントがあったら、自分自身も、そこに参加できるような状態でいたいし、今度はチケットを当てたいとも思った。




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