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楽しかった熱海旅行②

 素敵なカフェを後にして、800段の階段の先にある伊豆山神社本宮を目指して階段を登り始めました。

横断歩道の先に伊豆山神社へ登る階段。ここから600段。
伊豆は猫さんに優しい街らしいです。

 階段登り始めて、1人目のおばあちゃんが登場しました。階段を降りてくるおばあちゃんがきたな…と思っていたら間も無くすれ違うというところで、3段上くらいから…

「偉いねぇ〜。あんた達、偉いねぇ〜。凄いよ‼️この階段を登ろうだなんて‼️」

と、いきなり声をかけられました。その大きな声と、急に話しかけられた事もびっくりなんですが、白塗りの壁のように塗られたおばあちゃんの化粧もまた、愉快なものでした。

額の上の毛の生え際の、見事な色の違い。しかも真っ白。志村けんのお殿様のような顔でおばあちゃんちゃんはずっと「あんた達偉い‼️」と何度も言ってくれました。

 去る時に「頑張るんだよ」と応援を頂いて「さよなら」しました。

 おばあちゃんと別れだ後の私と娘が、「白塗りのおばちゃん」の話題で盛り上がり、どれほど楽しかったか、おばあちゃんは知らない。娘はやたらと「おばあちゃん、かわいいよね」の連発だった。

そしてまたかわいい猫の登場

 しばらく猫の前でふたりでキャッキャッとはじゃいでいたら向かい側の家の門の前に

「海を見ながらひと休みしませんか❓」

と書かれた看板あり。
庭の入口の門扉の両脇に立っている石柱の上に缶コーヒーとビールが飾ってあり、焼き芋の登りが立っている民家がありました。

 「焼き芋売ってるよ。」「海の見える絶景だってよ」なんて言ってしまったら、「待っていました」と言わんばかりに、おばあちゃんが登場しました。

 少し甲高い声で「よかったらどうぞ。どうぞ。
うちはカフェじゃないからコーヒーは出せないんですけれどもね…お出しできるのは缶コーヒーとビールしかないの。でも缶コーヒーはスターバックスのブラックコーヒーなのよ。これが焼き芋ととっても合うの。」

 「焼き芋は蜜姫でね…これは毎日息子が日々研究して作ってるお芋なのよ。とても甘くてね…私はこれを食べるようになってからお菓子を食べなくなったの」

「私はね、80歳なんだけど、お陰でお肌もピカピカなのよ」

 こんな調子で…喋る…喋る。

 私達2人とも、ホテルで朝食をたらふく食べたばかり。おまけにカフェまで寄ってきて、お腹の余裕はありません。

 さらにおばあちゃんは、「うちの庭から見る海は絶景でね、お庭も今、紫陽花が満開なのよ。さっきも女性3人組が来て『こんな素敵なところがあったのね』って言いながら喜んで帰っていったわ。お花の中で海を見ながら少し休んでいって」とこんな調子で、帰してはくれそうにありません。

 娘は「絶景」と「お庭のお花」も気になったようで、おばあちゃんの経営する海の見える缶コーヒーカフェに行くことになりました。

おばあちゃんのお家の石畳の階段に落ちた梅の実
裏庭の玄関から入ります。
おばあちゃんが言っていた絶景は赤い屋根で遮られる
おばあちゃんが絶景と言っていた海

 正面のお家の赤い屋根の向こうに海が少し見えます(笑)ここではおばあちゃんの話に圧倒されてすっかり写真を撮るのを忘れてしまいました。

 お盆の上にウェットティッシュ。オーダーした焼き芋一個。スタバのブラック缶コーヒー。ジョージアのカフェオレ缶で合計1,200円。

 お庭のお花は「洗練された」という言葉からは程遠い感じの庭で、うちの田舎の叔母の家と似た感じで、植木鉢が沢山と庭に植え込みの花なのか…葉っぱなのか…(笑)そしてお客様が座る用に用意したのか…もともと家族で庭で楽しむためにあったのか…パラソルと椅子が2組ほど置いてありました。

 おばあちゃんは1,200円のお代を受け取り、すぐに退散。「帰りたくなったらそのまま帰って良いスタイル」です。

 私と娘はこの商売熱心なおばあちゃんが面白くて、2人でくすくす笑いながら、少しの時間を海を高台から眺め、どれがお花で、どれが雑草かわからないお庭の風景を少し楽しんで、退散する事にしました。

 缶コーヒーはバックに詰め込んで持ち帰り、おばあちゃん絶賛の一個600円のさつまいもは2人で半分こして食べました。小ぶりの芋で、ねっとりした口当たりの甘いお芋でした。

 おばあちゃんは、帰る私達の姿に気づき、「ありがとうございました。気をつけてね」と甲高い声でお見送りをしてくれました。

 娘に、「おばあちゃん、よく気づいたね」と言ったら「だって入口の横に椅子とパラソルがあって、そこにおばあちゃん座ってるんだよ。人が通るのを見張ってるんだよ」と言っていました。

 あのおばあちゃんはきっと人とお話が好きで、お花も大好きで、そして発想の切り替えで観光客に商売をする。それがまた彼女の生きがいにもなっている事でしょう。若く見えるのは、好きな事をして毎日過ごしているからなのでしょう。

 80歳でこのアイデアで、この商売をするおばあちゃんがパワフルで、見習わなくてはいけないところが沢山あるなと思ってしまいました。

 娘はそのおばあちゃんが「かわいい」と言い、私は商売上手、営業上手なおばあちゃんに感心するばかりでした。

 そして2人目のおばあちゃんを後にして、また階段を進みます。

 そしていよいよ参道入口あたり。目の前にはバス停がありました。熱海駅からバスで来れば、登る階段は100段くらいだったでしょうか?


お供えの缶コーヒーは2人目のおばあちゃんちから誰かが持ち帰りしたものではないか?と娘と勝手な想像🤣
参道入口

 そして階段を登り、伊豆山神社です。

恋愛成就の神様でおみくじを結びつける場所
伊豆山神社

 ここでお参りをしてこの奥にある本宮を目指す私達は、さらに奥に進みます。

境内の案内

 そして今回の娘との旅で1番盛り上がり、1番楽しかったのは、ここから先。伊豆山神社の建物の横を通ってさらに進むと、そこは本宮への入口。

20分➕20分➕15分で山頂の本宮

 この先の道を見る限り、どう見ても山道。

 2人で案内図を見ながら「えっ⁈ホントにこの道であってる?」「本宮に行くのにこの道しかないの?」「どう見ても山だよね?」なんて会話をしていたら、ちょっとご年配の夫婦がやってきました。

 年齢で言ったら私よりも少し上くらいだろうか?夫婦も案内図を見ながら、登る時間の話や、その先の山道で間違いないかどうか話していました。

 私達親子は、「えっ⁈どうする?山登る?」「だってせっかく階段をさぁ400段も登って、あと200段じゃん?」「だよねぇ。どうする?」と話しあっていました。

 すると夫婦が「えっ⁈下の階段から登ってきたんですか?」と話しかけてきたので、「そうなんです。階段600段あるって言われて登ってきたんです。」と答えました。

 優しそうな品の良いご夫婦は「凄いわね。私達なんて、下の参道まで、車で来て、駐車場からしか来てないから、ご利益が薄いかしらね」と言いつつ、2人で「どうする?」という会話の後に、旦那様が「じゃあ、登るか」と言って山道に入って行きました。

 それにつられてしまったか、私と娘も、「苦労して行くから、ありがたみも湧いて、ご利益も厚くなるってもんなんじゃないの?」という事になり、素敵なご夫婦の後に山道に突入しました。

パンプス、サンダル、かかとの高い靴では登らないで下さいと注意書き

 こんな立て看板があった事は、下山後に知る事となりました。この看板に気づかず、娘は真っ白な超厚底ブーツ、私はNIKEのバレンタイン限定版の真っ白のスニーカーで山登り開始です。

本宮に向かう山中の山道

 この山中の楽しかった事‼️思い出すと今でも笑えます。

「今、思い出しても笑える体験」

 何もしていない時に、思い出で笑える体験があるのは、良い時間を過ごした証ですね。

 週末の休日の貴重な体験です。今この時の1分1秒、心に残る時間の使い方をして、本当に満足です。人生の限りある時間を有意義に過ごすのも、不平不満を言って過ごすのも同じ時間なら、爽やかな空気を吸いながら、普段の生活を忘れて、無我夢中になれた経験は本当に価値あるものとなりました。

 山中の親子2人の時間はまた次回。

 つづく…

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