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【映画評】初登場2位の好発進な沈黙の艦隊!

この映画を見終わったら一刻も早く続編が見たくなる・・・・
そんな作品が「沈黙の艦隊」です。かわぐちかいじ原作の壮大なストーリーのほんのイントロダクションと言うか第一楽章の様でもあり、潜水艦と魚雷の戦闘シーンを主役として描いた作品としては子供の頃に見たTVシリーズ「原子力潜水艦シービュー号」以来かもしれません。

ギラつく目で全てを語る大沢たかをと玉木宏の凄まじい迫力。哲学の様なセリフの一つ一つも思わず書き留めて置きたくなるような示唆に富んでいます。
総理大臣が「竹上」と言う設定からも分かる通り、平成の初めの冷戦終結の頃の時代背景が下敷きの筈ですが日米安保や自衛権の問題、さらに核武装の是非など、ちっとも状況が変わっていない事に却って驚かされます。

その頃、一度だけ海沿いを走っている時に車窓からホンモノの潜水艦の巨体を見たことがありますが、その不気味で威圧的なド迫力は思わず息が止まりそうな強烈な畏怖を感じさせるものでした。この恐怖感はやっぱりスクリーンの平面では伝えられません。
けれどこの作品では実写もふんだんに取り入れていて、潜航や浮上をリアルに描いたシーンはきっとマニア垂涎の的になる筈。艦内の緊張感をここまでリアルにドラマチックに表現出来るのもやっぱり映画ならでは!それも主演の大沢たかをが自衛隊に直談判しただけのことはあって、ストーリーにリアルさを添えてくれます。

もう一つ言うと原作では男だった副官を水川あさみがとても魅力的に好演していて、自衛官を目指す女性には大きな目標となるかもしれません。これは今の時代ならでは、なのかも。
さらに、地上側キャストやセットも豪華でリアリティーに溢れていてとても上質なドラマに仕上がっています。
そして挿入曲は全てクラシックのシンフォニー。やっぱり異端な作品です。

原作からして女優の出番も極端に少ない映画ですが、マニアだったら絶対見逃して欲しくない作品です。

と言うか成功の如何が続編の制作にも繋がるはずなので、ファンならずとも劇場まで見に出掛けて欲しい秀作です。この後のストーリー展開も気になりますが、公開第1週の興行成績もものすごき気になっている作品です!

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