最近の読書記録:日記(24/05/06)

日記。

連休中に読んだ本。働かなければ読書ができる!

「㐂寿司」のすべて。~本当の江戸前鮨を食べたことがありますか? / 中原一歩

最近、気持ちが寿司めいていて買ってしまった。日本橋人形町の名店に密着した紹介本。店特有の拘りだけでなく、江戸前鮨の前提知識も書かれているので、ベラベラ語るとウザがられそうだが知ってると楽しい情報が入ったと思います。一章あたりが短いので移動などでスルッと読み進められる。カジキの鮨食べてみたいな。

物語 東ドイツの歴史 分断国家の挑戦と挫折 / 河合信晴

中公の「物語…」シリーズは何作か読んだけど、現存しない国家の分もあるのか。正直この連休に買った本でも最も実生活と関わりない本だが、ものすごく楽しく読んだ。

シュタージによる監視社会としてのみ語られがちな東ドイツの歴史を、誠実に述べた一冊。そもそも脆弱性だらけの東独が、国際政治・経済協力でソ連と西独の、内政や国内経済では重点産業強化と消費財供給で揺れ動きながら、危なっかしい舵取りで進んでいく物語。もちろん政治指導層の失策と限界は描かれつつも、そういう構造的問題や、自助共助の仕組みを確立しつつも社会全体に対しては無責任に陥った民衆側の情況にも頁が割かれている。

歯切れのいい断罪など当然なく事実と良い影響・悪い影響を行ったりきたりの記述が続くが、現代史の本としては極めてフェアな態度だと思う。

https://book.gakugei-pub.co.jp/gakugei-book/9784761526412/

アルスエレクトロニカの挑戦 なぜオーストリアの地方都市で行われるアートフェスティバルに、世界中から人々が集まるのか / 鷲尾和彦

先日行った CCBT のトークイベントに関連して、シビック・クリエイティブを考える材料として。リンツの社会インフラとしてのアルスエレクトロニカがどのように存立したのかよくわかったし、市の苦境を脱するにあたって、産業振興や制度改正だけでなく、アートを通じてオープンなマインドのインストールに着手した点が非常に面白いと思いました。会社で言えばシステムやルールじゃなく組織文化に直接働きかけたってことだよなぁ。本邦の文化振興も、よく言われがちな伝統保持やソフト産業の輸出というより、そういう観点があったほうが面白いのかもしれない。

おちこぼれ / たーし

漫画ですが…『ドンケツ』作者によるアウトロー短編集。覚悟キマりまくりの男たちが暴れまわる『ドンケツ』と異なり、アウトローの中からも落ちこぼれ組となった男たちの悲哀、滑稽さ、人情。『ドンケツ』同様、たーし先生一流のキャラのデティールを追うのが非常に楽しい作品です。

以上





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