Episode.V 少年強行団
西暦1☓☓3年。
タカイド国 タカイド軍 K研究所内にて。
男
「へへ、あの、まずこの縄を解いてくれません?それからいくらでも話をしてあげますよ。ね?どうです?」
シッバー
「うるせぇ、ばか。解くわけねぇだろ」
そう言って、シッバーは男の肩を撃った。
男
「あぁあああはっああ!!ああああ!」
ミッツバーン
「おいおいおい、いい加減にしておけよ。我々はこの男に死なれては困るんだからな、本当に。 なぁ、ペッグ教授?」
男
「ふふふふ、その名はとっくに捨てた名です。二度と口にしないでくれたまへ」以後、この男のことはペッグと表す
ペッグ
「ふぅうう、全く相変わらず人を痛めつけるのが大好きな輩のようですね、貴方達は。実にくだらない、残念です。貴方をあの焼け跡から見つけ出した時からそうだった。あの時から貴方は狂犬のまま。いつだってひたすら意味もなく暴れまわって、それでいてその行動原理は実に稚拙。空虚なものだったりもするんです。んまぁ、どうして人間はそんな浅はかなものばかりに人生を捧げられるものなのでしょうねぇ…」
ミッツバーン
「うん、それよりも、早く教えてくれないかな? PROJECT.KO-TAROについてのすべてを」
笑顔で問いただすミッツバーンの口元は少しばかり震えていた。
ペッグ
「コタロー計画ならば、もう既に始まっていますよ。これはもう手遅れなものですからね。ほら、あの時と同じです。貴方のお父様が、あの負傷兵たちと共にお母様を切り捨てたあの時と、一緒ですよぉ、お嬢さん」
ミッツバーン
「俺たちは、今そんなことについて聞いているんじゃない!知りたいのは計画の内容の方だ!!」
そう叫びながら、ミッツバーンはペッグの鼻をナイフで削ぎ落とした。
ミッツバーン
「あんなくだらん研究のために母を病院に閉じ込め、焼き殺した男の話はもう二度と口にするな。この悪徳科学者め!」
ペッグ
「ブフゥウウ… Oh,Oh,Oh… はぁ…はぁ…」
うめき苦しむペッグ。
その時、ミッツバーンは静かに手に持ったナイフに付着した肉片をハンカチで静かにふき取った。
ペッグ
「性分化不可逆ガス」
ミッツバーン
「ん?なんだって?」
ペッグ
「ですから、我々はそう呼んでいるのです。コタロー計画のために開発した科学薬 ユマニチュードガスについてを」
ミッツバーン
「いったい何の話だ? そのなんちゃらガスって」
ペッグ
「それは今すぐにでもわかりますよ」
ペッグがそう答えると、突如としてペッグの背後にあった巨大タンクが爆裂するように破裂をし、そこから白く生臭いガスが音を立てて勢いよく噴き出した。
ペッグ
「フヒャヒャヒヒ~! では地獄で皆さん待ってま~す、良い来世を」
煙のようなガスに視界は完全に奪われ、ガスの作用によりミッツバーン達の体はマグマのように熱くなり、気絶した。
そして、目が覚めた頃には、
身体が女になっていた…
つづく→
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