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貧しい者の強さ

これは3年前の出来事です

まだ皆んながマスクなんて着けて過ごす日が

来るなんて想像もしていなかった時期です

その時住んでいた場所は、古い住宅街に囲まれた

マンションというなの3階建の団地でした

嫁の実家が近く、やっと1歳を過ぎた娘の育児を

手伝って貰いたい為、2年くらいしかいないつもり

で決めました

周りは古い一軒家が多かったですが、けして

貧しい雰囲気ではありません

その日もいつも通りヨチヨチ歩きの娘と

散歩ついでに夕方のゴミ捨てに行きました

ゴミを集積所に置き、娘の中で流行っている

猫じゃらしを振って空の雲を追い払う

という儀式を30分くらい一緒にやっていました

そろそろ私も飽きてきたので、娘に帰ろと

声を掛けようとした時

泣きじゃくりながら歩く、中学生くらいの

女の子が目に入りました

小学生になりたてくらいの男の子を手に引いてます

男の子は何も分かっていない感じで一緒に歩いて

いました

その時は親にでも怒られたのかと思ってました

それから数分娘の猫じゃらしに付き合っていると

さっきの子供たちが痩せた女性のお年寄りと

戻ってきました

女の子は泣きじゃくりながら歩いてます

お年寄りの女性はやや顔がひきつりながら

スタスタついていきます

そして私たちとすれ違いくらいに話が耳に入ってきました

「お母さんが昨日から帰って来ない。何も食べていない」

私は一瞬現実を疑う感覚になりました

今の時代にこんな事があるのか

そう思いながら娘の相手をして聞こえなかった

様子で3人を目の端で追いました

女の子は泣きじゃくり、男の子は相変わらず

分かっていない様子です

ひきつった表情のお年寄りは力強く言いました

「あんたが泣いてどうするの!しっかりしなさい」

その表情に余裕はありませんでした

お年寄りの方の服装はけして裕福には見えませんでした

母親が帰って来ず、昨日から何も食べていない

そんな女の子に掛けた言葉

冷静に考えて出した言葉では無いのでしょう

しかし力強さを感じました

弟の前で弱音を見せたらダメだ

そして自分もどうしたら良いか分からないけど

情けなく頼りない姿を見せてはいけない

そんな眼差しで真っ直ぐ歩いて行きました

その後はいつもと変わらない私の日常が続きます

もし私がお金持ちなら声を掛け助けれたのかな?

通りすがりの出来事をいちいち気にかける方が

変でしょうか

友達や知り合いなら、ちゃんと相談に乗ります

介護職の業務関係なら積極的に行動したはずです

ただ本当に通りすがりの出来事

もしかしたら私の思い込み過ぎて、あの子達も

何事も無い日常が続いているのかも知れません

そう願いつつこの話で強く思ったのが

お年寄りのひきつった表情から出た強い言葉

どうしたら良いか分からないけど弱味は見せない

何か時代を感じました

私は介護の仕事をしています

お年寄りの方が大変な仕事をしていた話を

沢山聞きます

労働基準法なんてほとんど無く

パワハラは当たり前

朝から晩まで働いて女で1つで子供を3人育てた

そんな世代の強さを感じました

戦後は仕事どころか食糧が無いのが当たり前でした

私たちの不満なんて幼稚な贅沢品でしょう

夢や存在価値で悩むなんて、戯言中の戯言です

今を精一杯生きる

それしか選択が無かった人です

スティーブ・ジョブズや堀江さんの言葉を

知っていてやっていた訳ではありません

その強さを目の当たりにした

そんな想いで忘れる事ができない記憶になってます

弱音を吐いてもどうする事も出来ないからしない

とにかく今やれる事を考えて必死に行動する

そんな経験を持っているからこそ

あの姿を見せる事が出来るのだと感じました

ほんとうに時々思うのですが

今の時代の私たちはすっごく弱いですね

というか

お年寄りの方々は凄い時代を乗り越えた

凄く強い方々だと思います😊

ほんと介護職の私としては

そんな話を毎日聞けるので素晴らしい学びに

なってます✌️

私も子供の頃はそんなに裕福では無かったですが

クリスマスケーキは食べれました

たぶん娘には想像もできない日常でしょう

できれば大人になってもそんな人生を過ごして

貰いたいと親としては思います

私もお年寄りの方の時代を過ごすメンタルは

もう作れないでしょう

それでも1つの学びとして、お年寄りの方々から

聞いた人生を娘にちゃんと伝えたいと思います

久しぶりの長文となりましたm(_ _)m

それではここまで読んで下さった方ありがとうございました

またねーヽ(^ω^)




面白い活動や企画に使わせて頂きます(*´ω`*)