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余計な心配や不安を減らす方法

子育て講座を始めて10年以上が経ちましたが、これまで多くのお母さんたちの悩みを聞かせていただきました。そのなかで余計な心配や不安と思えるものも多くありました。

ほとんどの親が、子どもの成長について学んだ経験がないと思います。わからないからこそ、小さな問題を大きな問題と捉えてしまいがちで、余計な心配や不安を抱えていることがあります。でも、成長の流れを知っていれば、心配に思えることも成長の証だとわかることが多いですし、専門家に相談すべきことなのかどうかも見分けがつきやすくなります。

つまり、余計な心配や不安を減らすためには、成長の流れを知ることが欠かせません。ただし、幼少期だけはなく、人生の折り返し地点を過ぎてからの40歳や50歳、60歳になってからの成長の流れを知っておくことも重要です。

また、成長の見通しがつけば、次にどんなことがやってくるのか予測できます。それに、何か問題だと思えることも自分の子どもだけに起こる現象ではなく、人として誰もがこの時期に抱えていることなんだと理解できたら、余計な心配や不安が軽減され、前向きに物事を捉えやすくなります。

子どもの発達として、例えば、

0歳から小学校に上がるまでは、子どもの脳がとても発達していること。

小学校から中学半ばにかけて、子どもの肺と心臓がとても発達していること。

中学半ばから成人する時期にかけて、子どもの代謝器官・生殖器・筋肉・骨などがとても発達していること。

が、挙げられます。

成長曲線 前半のコピー

何が特に発達しているのかを知れば、子どもにどのような環境を整えてあげるのがふさわしいのか・そうでないのかが、イメージしやすいと思います。

小学校に上がるまでは神経・感覚器官(脳や感覚など)が特に発達していると知っていれば、赤ちゃんにとって、脳への刺激が強すぎるテレビやスマホがよくないことは容易に想像ができるでしょう。それに、肺や心臓がとても発達している小学生には、肺や心臓の特徴であるリズムを暮らしに取り入れることが発達を促すことも想像ができるでしょう。

また、成長の後には、やがて衰退の時期もやってきます。

小学校に上がるまでに発達した神経・感覚器官は、50歳半ばを過ぎた頃から衰え始めます。

小学校から中学半ばにかけて発達した肺と心臓は、50歳ごろから衰え始めます。

中学半ばから成人する時期にかけて成長した代謝器官・生殖器・筋肉などは、40歳を過ぎた頃から衰え始めます。

成長曲線 後半JPG

私はきっと高校生の頃にちゃんと代謝系の器官が育ってくれたおかげか、焼肉が大好きでよくガッツリ食べていました。ところが40歳を過ぎた頃から、焼肉が胃にもたれるようになり、食べたいのにガッツリ食べられなくなりました。代謝系器官の衰えを少なからず感じています。また、最近ではスキレット(鉄のフライパン)が重く感じるようになり、使うのが億劫になるたびに、筋肉の衰えを実感しています。このまま、年齢を重ねて50歳代に突入したら、今度は、肺や心臓の衰えを感じるのだろうなと、心がまえをしています。

さて、子どもの頃にちゃんとそれぞれの器官を発達することができたら、人生の後半での衰えはマイルドで、大きな病気を患う可能性が比較的低いと言われています。

実際に、ドイツではシュタイナー学校以外の卒業生866名とシュタイナー学校卒業生871名を比較した調査がありました。この卒業生の追跡調査によると、シュタイナー学校以外の卒業生よりも、シュタイナー学校卒業者の方が、全体的な健康状態が優位である結果が出ています。(注1)

シュタイナー幼稚園や小学校では、それぞれの時期にそれぞれの器官が十分に発達できるに考慮し、教育内容を組んでいます。そのような教育を受けているからこそ、晩年になっても健康状態が優れているのだと思います。ですから、シュタイナー学校の卒業生たちが晩年になっても健康状態を良好に保っていることで、良い教育が病気の予防にもなり得ることが証明されています。

子どもの頃の発達そのものが、人生の後半まで、さらに、死ぬまでの人生を左右するのです。そこで、子どもの発達を促すような暮らし・発達を邪魔しない暮らしを送ることが、親がしてあげられる最大のことだと思います。シュタイナー学校に通わせなくても、親として家庭でできることはたくさんあります

先ほどの例では肉体的な成長をお伝えしました。そのほかにも、心の成長や、精神的な成長もあります。一人の人間がどのように成長しているのかを様々な角度から知ることがとても大切です。

子どものために、まず、子どもの発達を知ることから、子どもの発達を支えてあげられることができます。そして、問題に見えるようなことが、長期的な視野からすると、実は発達に必要なものだったら、余計な心配や悩みが少なくなっていきます。

また、親自身も成長の過程にあります。すでに体の衰えが始まった年齢であったとしても、子どもたちと同じように、成長しています。ただ、成長しているところが異なるだけなのです。

私たちが、今、どのような成長をしているのかを知って自覚することで、人間的によりよく成長していけるのです。そして、私たちが成長しようとしている姿そのものが、子どもの成長を支えていくのです。

子育てができるのはせいぜい20年間です。その20年間だけでなく人生の長い長いスパンで人が肉体的に精神的にどのように成長しているのかを理解して、それを子育てのために、自分の成長のために役立たせようという講座を2021年1月13日(水)午前中に開きます。興味がある方は、ぜひ、ご参加ください

詳細はこちらです。

(注1)シュタイナー学校卒業生の追跡調査については、こちらをご覧ください。




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