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「暫定1位でおらして」追記と修正

この記事を夫に見せると「俺が言うたんは同率1位やったけどな」と言われた。けっこうエエ話風に書いたのにかなり記憶が曖昧だったことに加えて言葉の意味もよく理解していなかったことが改めて判明。もしかしたらこの話自体夢だったのかもしれん…とさえ思えてきた。いや、夫が私の記憶違いを指摘してくれたので実際にあった話なのは間違いなさそうだ。

これは長男が産まれたとき、いや、もうすぐ産まれる時だったか。珍しく夫が私に伝えた言葉である。

夫はあまり自分の主義主張はない方で、とても柔軟に様々なことに対応できる人間である。結婚して10年以上経つが、お願い事などはこれ以外聞いたことがないように記憶している。残念ながら私の記憶力はニワトリ並みなので定かではないが…。

そんな彼が「ちょっと言うときたいことがあんねん」とちょっと言いにくそうに表題の言葉を伝えてきた。

「今はでぃーしゃんが俺のことを大切にしてくれてるのはわかってる。でもこれからでぃーしゃんの中で子どもの優先順位がどんどん上がっていくと思うねん。それは当然のことやと思う。これから何人子どもができるかわからんけど、子どもは常に1位やと思う。そこに俺も入れといてくれへんかな。俺のことを優先しろとかそんなことを言うつもりはないし、俺は自分のことは自分でできる。ただ、気持ちの面で『子どもがおるんやからアンタのことまで気にかけてられへんわ』ってなるとちょっとさみしい。やから俺は暫定1位でおらしてくれへんかな」

ずいぶん時間が経ってしまったので思い出に色々脚色されているのかもしれないが、大筋は間違っていないと思う。
今思えばこの頃、結婚して2年も経っていなかったのによく私のことを理解してくれていたと思う。
※冒頭でも伝えたが、彼は”暫定1位”ではなく”同率1位”と言っていたようだ。私がいかにテキトーな人間かをよく表すエピソードである。

その後、約2年おきに子どもが生まれ続けることになり、案の定私は子どものことで頭も体も時間もいっぱいになるのだが、彼が最初に伝えてくれたこの言葉のおかげで家族が何人増えても夫はずっと1位の座をキープしているし、なんなら子どもが産まれるたびにどんどん1位が増えていき、現在1位は相当密な状態である。

夫は普段はあまり自分のことを語らないのでこれは相当の覚悟で伝えてくれたのだと思う。もっといろんなことを言葉にして伝えてくれればいいのに、と思うことも多々あるが、そんな彼がボソっと呟いた言葉だからこそいつまでも私の心に響き続けているのかもしれない。

男ばかりの我が家は業務連絡とうんこちんちん以外の話は滅多にされないが、自分の気持ちを言葉にして相手に伝えることの大切さは頑張って伝えていこうと思う。

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