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64. Z体験


目下、政界から世界の底上げに情熱を注ぎ『生を謳歌する』の見本のごとくメタモルフォーゼを繰り返している須藤元氣さんが当時率いていたパフォーマンス集団 WORLD ORDER の動画をどういう経緯で知ったのかは覚えてないけど、パフォーマンスを見ていたら一瞬、頭が空っぽになった後、ハートが小刻みに震えて涙がこぼれ、寝ている所をたたき起こされるような、急かされるような氣持ちになり、画面中央から自我の領域では解読不能の何かが放出しているのを感じたら受け取るべきものに思えてハートや眉間から動画を入れていったことは覚えている。



話は、2012年7月11日(水)にまで遡る。
落ち込むと時々訪れて見上げては、ノアの方舟に思いを馳せていた国際フォーラムは都内でもかなり好きな場所。
そんな、お氣に入りスポットで WORLD ORDER がライヴを決行するというので、娘と二人でかなりテンション高めで早めに現地入りしたのは、お腹が空くと理性が保てなくなる娘対策としてライブ前に軽く何かお腹に入れておこうと思ったからだ。
肉食NG期を過ぎてガッツリでなければ肉食もできるようになっていた頃だったのでパストラミサンドをシェアすることにしたのだが‥‥

ソフトなフランスパン系のパンとはいえ、噛み応えはそこそこあり、そちらに氣を取られていたら中身のパストラミが噛み切る前に全部口の中に入ってきてしまって出すわけにも行かず、ひたすら咀嚼をして飲み込んだのだが、咀嚼した部分とこれから咀嚼する部分の間にスジがあったらしく、飲み込んだ勢いで咀嚼前の部分もつられて喉に入ってきてしまった。
そのまま飲み込めるものだと思っていたら、これがどうやっても動かない。
咳払いをしようとしたら呼吸ができないことに氣づき、何度か飲み込もうと
試すもパストラミの塊は動かない。
声はだせない呼吸もできない、手の甲から点滴を打たれているかのような痛みが胸部に走り、緊急状態に陥ったと自覚した時、異常を感じた娘が 「だ‥大丈夫?」と聞いてくれても答えようもないからジェスチャーで 「やべぇ。」と伝えると、慌てて席を立ちこちらに向かってくるのがスローモーションに見えて(ぇ‥ これで逝くの?)と薄っすら覚悟した時、娘の手が背中に当てられたとたんパストラミの塊とパンが全て口から飛び出して呼吸を取り戻した。
微妙な時間帯で店内の人が少なかったことは幸い。
これがランチタイムだったかと思うとゾッとするって、それより何より今、生死の境にいたのだと思ったら「何故このタイミング?」とイラッとした。

動画から放出していたものと共鳴するべくライブに集中するつもりが、1曲目のパフォーマンスが終わって拍手したら胸部に激痛が走った。
ぃゃ、胸だけではない、手のひらも手首も‥ぃゃぃゃぃゃマテマテマテ‥
アゴから上以外の全パーツが‥‥‥痛い?!

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痛みに氣づいてしまった後は、拍手の度に激痛が走り、ジットリとした嫌な汗が全身にまとわりついていた。
ライブが終わると、会場の都合で外に出るルートが決められており、ホールを出るまでひたすら階段を使ったのだけれど、痛みに加えて背中や手足に重りが突いているのかと思うほど重くて階段が異様につらかったからパートナーが車で迎えに来てくれることになっていたのも幸いだった。
後部座席でグッタリとしながら充実感を味わいつつ、
死にかけたよね? パストラミで? パストラミで‥
と、あの時起こったことについて思考はグルグルしていた。

全身の倦怠感と痛みは翌日更に強くなり、更に翌日にはより強くなっていたので筋肉痛の酷いヤツなのだと思うことにした。
アゴから下の全てのパーツが痛いっていうのは、かなり不便で、いつもなら普通にできることに時間を要し、痛みを感じるとあの時何が起こったのかを考えるのがお約束になっていた。
ふと、鼻がムズムズしてうっかりクシャミをしてしまったら、想像を超えた痛みでうずくまった。
そして、また何が起こったのかを考えようとした時、人型のシルエットと、
その中を走る血管や細胞の一つひとつのイメージが差しこまれたかと思ったら、チカチカと光っていた細胞がイルミネーションの電源を落としたように一斉に光らなくなった。

嗚呼‥

ほんの一瞬、『生』ではない領域に居たことを示していると感じた。
生死の境目じゃなくて、本当に體だけがあっちに行ってたんだ‥
これって学問的な裏付けや整合性なんて皆無なんだろうけど、なるほど
そういうことが起こっていたのかと本人はいたって納得したところでゾンビ映画各種で、ゾンビが體の痛みを訴えていたのを思い出した。

ぉーぃぇ。

あの時一瞬、體は死の領域に入っていたことが確定した氣がした。
痛みが完全に消えるまで一週間以上かかったと記憶しているけど、あの死は、タロットカードで言う所の魂レベルで起こる変化を示す『変容』 - 
Transformation だったのだろう。
何らかのレベルで生まれ変わったという解釈。
だからといって何かが急激に変化したということもないけど、あの日あの場所にいることを選んだ時点で『変容』を選択したのだと考えると実に自然な
流れとなる。
子どもの頃から空想好きではあったけど、さすがにゾンビになる空想はしたことなかったなぁ。


目覚めとともに気づいた
見るもの触れるもの
感じていたこの世界
全てが幻だと
Success, depress, ambition
Progress, regress, recognition
外の世界、忘れ、捨てて、旅して
心の世界、感じ、求め、旅する

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