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コラム 前略おふくろ様

私のお母さんは、私が物心ついた頃からずっとずっと働きっぱなしだった。
弱音は他人の前では吐かず。

強そうには見えるかもしれない。
何も悩み事が無いように見えるかもしれない。
だけど
「人前で絶対泣きたくないの」
という母です。

母に相談する知人友人が昔から多かった。
「何故みんな母にたよるのだろう?」
と、子供の頃から不思議な目で見ていた。
友達が多い。

そういう母なのだ。
そして母は、人の分まで働く。
損をしてるんじゃないの?
と思う程。何故、、。

ショーケンが主役をやっていた「前略お袋様」のお母さんみたい。
私はショーケンとは全然被らないけど。
海ちゃんに似てると(性格が)言われたけど。

きょうふの海ちゃん。(左から)
料亭分田上の娘
さぶちゃん

ドラマ「前略おふくろ様」

海ちゃんは怖い女って訳じゃないけどさぶにとっては面倒くさい女で、はとこです。
海ちゃんはいつも自由気ままなんですが、そんな調子で、人のためになんか役にたとうとするのでよけいややこしくなる。
 例えば料亭分田上の旦那に愛人がいて本宅に帰らないので、女将さんのためになんとかしてあげようとして、結果的にはさぶちゃんに怒鳴られてしまう。そして泣いて飛び出す海ちゃん。
のシーンを見れば分かりますか。

 分田上の女将さんも、旦那が家に帰らない状況で(実は大女将の存在が疎ましくて帰らない節がある)料亭をなんとかやっているのですが、その料亭の板前にして過去に傷を持つ男、村井に実は惚れられています。女将さんも村井の好意を感じながら頼り、心が揺れる時があります。
 旦那があまりにも不甲斐なさすぎなんですが女将さんは、そんな旦那を好きという気持ちもあるのです。
 村井は逆に男の中の男みたいな感じでね。

 ここで、前略おふくろ様を全く見た事の無い人に云いたい事があったので補足。

 役者さんがまた良いのです。

 萩原健一さんは今までの不良っぽいイメージを変えてシャイで堅真面目な役をやっています。それがまた似合う(萩原健一さんの御冥福をお祈り申し上げます)
 他の人も、村井役に梅宮辰夫。この人も、それまで不良番長的な役をやっていたのがこのドラマでは、さぶちゃん始め周りの人間が一目置く、堅気な男の役をやっています。
 川谷拓三さんも、室田日出男さんも、欠点が可愛い役をやっています。
(かすみちゃん役の坂口良子さんも含め亡くなられた方が多いですね🙏合掌。
梅宮辰夫さんは現在闘病中です)
 皆さんそれぞれはまり役というほどはまってやっています。
 そして時にはコミカルに、時にはシビアに魅せてくれています。

ちなみに海ちゃんはさぶちゃんには
「あちゃー」な人間でも何ともいえない魅力?があって実はもてたりします。
(よくみたら、ここまで私ははっちゃけてないです。💦💦

 
写真 右利夫

 渡辺組の鳶職人利夫は変で急にどっか行っちゃう海ちゃんが好きでたまらない。
 ところでこの渡辺組の半妻さん達のエピソードも面白いです。

↑おふくろ様が働いている様子
と、その報告を手紙で読み、泣くさぶちゃん。

 さぶちゃんとしては、本当は自分はちゃんと所帯を持って子供とお袋さんとみんなで笑ってすごさなきゃいけないんだけど、それが一番なんだけど、出来ないわけで。
で、お袋さんから一通の手紙がきて読んでみたら、高齢なのに
「私は楽しく働いてやってるよ!」
と冗談混じりに手紙に書いてあるのです。
それを読みほっとするどころか、さぶちゃんは1人泣きます。
泣くとき、台詞は一言もなかったけど私には分かります。

「おふくろ、御免よ、俺が本当は引き取って楽させてやりたいんだけど。
でもおふくろはたくましく頑張っているんだなぁ。ひとりの人間として。偉いよ!!」

と、いったところでしょうか……
そうでしょう?さぶちゃん。

note の題名で「前略おふくろ様」という名前を出したのでこのドラマの事も書かなきゃなと思っていたので、加筆しました。
本当に良いドラマです。
人の心の複雑さは、普通のドラマではなかなか描かれない。
倉本聰さんが脚本ですからね。
一度は見た方が良いです。
私も人に勧められて大人になってから見たドラマですが、本当に大人になってから分かるようなエピソードが沢山あって、素晴らしいドラマです。

2019年6月7日加筆修正しました。
(前略おふくろ様の写真は、第6話から)

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