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バラ周りの気になる虫たち~5月編【庭活】

バラの開花期がやってきました。
我が家の庭でも、20種20株のバラたちが各々のペースでつぼみを開いています。
一季咲きのつるバラも、四季咲きのバラも、全員が顔をそろえるのは1年のうちでこの時期だけ。

この大事な5月現在、「やらかしてくれた」虫たちについてお話しようと思います。
我が家ですでにレッドカードを渡したバラ周りの虫は、4種類。

1.つぼみかじり虫(困り度★★★★★)

許さん。絶対に許さん!
と目からメラメラと怒りの炎が出るクラスの「やらかし」をする虫です。

「つぼみかじり虫」は私が勝手に命名したグループ名で、個人名ではありません。このグループの中心人物は、
・ホソオビアシブトクチバ(センター)
・タバコガの幼虫(No.2)
・ヨトウムシ(隠れセンター)
です。

このグループの主な活動時間帯は夜で、つぼみだけをかじるという悪癖を持ちます。

<2023年春のピエール事件>
今年は壁面誘引しているピエール・ドゥ・ロンサールが豊作でしてね。
150~200輪は咲きそうな勢いなのです。
それはもう楽しみで、開花の姿を想像しては一人ニマニマと含み笑いをしていたのですが・・・

壁面誘引の中でも特等席である、窓枠の下に横に沿わせている枝のつぼみがかじられる事件が起きたのです。外からも室内からも楽しめる、VIP席のつぼみたちが、すでに5つほどかじられており、涙をこらえてカットしました。

被害者の会


そして薬剤散布をしたり、ニームオイルを水に溶いてスプレーしてみたり、できる手立てはうってみたのですが、無情にも毎晩1つずつかじられていくのです。1晩1蕾の犠牲者。人狼じゃあるまいし、たまったもんじゃない!
というわけで、夜9時過ぎに、私、庭に出動しました。

すると、いました。
黒い縞交じりの毛虫っぽい出で立ちのお方。
タバコガの幼虫でしょうか?
現行犯逮捕です。テデトールです。
一応、事件は解決しましたが、この件で10個程度のつぼみを失いました。

<かじり虫対策>
薬剤散布が基本ですが、100%防ぐことはできません。
やはり「夜のパトロールと現行犯逮捕」が最も効果があるように思います。
かじり虫たちは隠れるのが上手なので、昼間探してもなかなか見つかりません。彼らの活動時間帯にこちらも活動するのがよいでしょう。

2.アザミウマ(困り度★★★★★)

かじり虫と違い、こちらは「咲いた花」に悪さをします。
消しゴムのカスをすご~く小さく(1㎜前後)したようなやつです。
またの名を「スリップス」といいますが、英名で呼んだところでかわいくはありません。

ビブラマリエ!に巣くうアザミー

うちではこれが毎年大量に発生します。「長年のお悩み」ってやつです。
バラの花に寄ってきて、汁を吸います。トマトの実にもよくつきますが、吸われると変色します。
白い花びらが薄汚れた茶色になり、どう頑張っても「虫と共生♪サステナブル♪」という気持ちにはなれません。

被害者の会 ビブラマリエ!支部

早めに摘み取って、室内で切り花として楽しもうと思っても、黒い極細消しゴムカスがウジャウジャ出てくるので、テーブルの上に飾るわけにもいきません。

極早期に避難して被害を免れた方々 右はちと怪しい

黄色と青色に寄ってくる性質があるとのことで、黄色の粘着シートをバラの近くに設置してみたこともありますが、被害を食い止めるには至りませんでした。

この春、バラ管理のプロにお話を伺う機会があり、「ネオニコチノイド系の殺虫剤」を開花前の時期に使うことで、成分の効果でお花周りが守られるかも?とのことでした。というわけで、今年は気合を入れて、ネオニコチノイド系の「ベニカ」と「モスピラン」を週1ペースで頑張って散布しました。

まだ開花して間もない時期ですが、大量発生はしていない状態です。
今年こそ、きれいなお花を楽しめるかもと期待しているのですが、
満開になった15cm級の特大ピースを切り花にしたところ、中に5匹ほどついていました・・・

こういう場合、切ったお花を中性洗剤を入れた水につけて、シャバシャバと水洗いすれば虫は落ちます。
その後、花瓶に生ければちゃんと咲いてくれるのですが、
やはりその花本来の「香り」や「花姿」は若干損なわれてしまいます。

<去年の被害状況>
去年は、純白でフルーツ系の芳香のするビブラマリエ!が、咲いても咲いてもアザミウマの餌食になって悲惨でした。
私も怒り心頭になりまして、地植えで咲いているお花にキンチョールを噴射する始末。
まあ、怒りをスプレーに乗せて発散することはできましたが、焼け石に水、といった感じでしたが。

あまり薬剤を使いすぎると、それはそれで花色が変色したりと別の問題が発生します。

大量のピエール・ドゥ・ロンサールにも大量につきました。
園芸家さんの中には、「見つけ次第、花ごと摘み取ってビニール袋に入れて密閉しましょう」(増殖させない活動)というアドバイスもありますが、
そんなことしてたら、うちのバラ全部なくなっちゃいますよ。

退治が難しい、やっかいな虫です。

<好まれやすいバラ>
我が家で、特にこのアザミウマに好かれるのが
・ビブラマリエ!
・ピエール・ドゥ・ロンサール
・ピース
・エリナ
です。

いずれも、白~淡い黄色・淡いピンクの色をしています。
香りがよい、というのも狙われやすい理由かもしれません。

濃黒赤系のミスターリンカーンやゴスペル、
濃ピンクのアンジェラ、
濃オレンジのブラスバンド
といった、濃色系の花にはあまりつきません。

<アザミウマ対策>
これといった対策は、今のところ見つかっていません。
なにかいい方法をご存じの方はぜひ教えていただきたい。

現段階で私がやっていることは、
(1)薬剤散布
(2)切ったお花は中性洗剤入りの水で水洗い
(3)新しいバラをお迎えする場合、花色が濃いものを選ぶ
の3つですかね。
レイニーブルーなんかも欲しいところですが、アザミウマ問題が解決するまでは安易にお迎えするわけにはいきません。

3.カイガラムシ(困り度★★★☆☆)

これも結構発生しますが、花がダメになることはないので困り度は3です。
カイガラムシにも種類があるようですが、バラにつくのは白いタイプ。
カイガラムシ専用の薬剤を使いますが、撲滅はできません。

形態は主に2つ。
・幼虫:貝殻に覆われていない。白カビ?のように見える。
・成虫:貝殻に覆われており、移動しない。樹液を吸う。

アンジェラにもつくし、いろんなバラにつきます。樹液が吸われているのですが、枯れるほどではありません。ただ、何にせよ見た目が悪いです。成虫になり、貝殻化してへばりついたものは剥がすしかありません。使い捨ての歯ブラシでこそぎ落しましょう作戦が有名ですが、つねに「やわらかめ」を使っているので、使い古しの歯ブラシで擦ってもなかなか落ちてくれません。かといって、金属ブラシを使うと枝が痛みそうで怖い。
慣れないうちは躊躇していましたが、今やおなじみで感覚がマヒしてきたのか、最近は手袋をしていたら指で取ってしまいます。枝に1~2個ついている程度であれば、手袋なしでもペンペンっと取っちゃいます。

<今春の被害>
この春、エリナの太い枝に、株元からビシ~っと群生しました。完全なる成虫(貝殻形態)で枝が包まれている状態で、見つけたときは言葉を失いました。ちょっと見ていない間に奴らは増殖し、株を占領していました。

さすがにホラーっぽい様相を呈していたので、今回ばかりは歯ブラシを使いました。ほとんど落ちませんでしたが、割りばしも使ってなんとか排除しました。

<カイガラムシ対策>
カイガラムシに関しては、見つけ次第やる、という感じでしょうか。
スプレーもそこまで効果は高くないので、見つけたその場その場で取る。
テデトールを頑張る、といったところでしょうか。

ニームオイルとか、どうなんでしょう?
何か効くものがあれば教えていただきたいです。

4.おわりに

5月に気になるバラ周りの虫について、長々と語ってみました。
「つぼみかじり虫」「アザミウマ」「カイガラムシ」が私にとっての三巨頭ですが、地域やお庭の環境によってはまた違うのかもしれません。

一般的に「害虫」と呼ばれるこの虫たち。彼らは自然のなすがままに生きているだけ。そこに生まれ、そこで普通に生きているだけ。
向こうから見れば、私の方が「害」なのでしょう。

だからといって、あるがまま~♪ 仲良く共生~♪ ともいきません。

ガーデニングを楽しむ者として、どこを落としどころとするかは人それぞれでしょう。

蚊が腕に止まったら、条件反射的に「バチン!」と叩く。
落としどころがどうとか難しい思考は抜きで、
なるようになる、
動くように動く、
花を守りたいから農薬に頼る、
農薬は避けたいからオーガニックで頑張る・・・
人それぞれ、その時その時の自然な動きに任せて、
でいいのかもしれませんね。

他に「ハナムグリ」についても話題があるのですが、
長くなったのでまた次回。




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