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喫煙所会議的な何か

唐突に、今日本の社会の中で一番反感を買っていることって、喫煙所会議的なことなんだろう、と思った。

たぶん、今の若手の人たちには馴染みがあまりないだろうし、≪喫煙所会議≫でググったら、トップ記事が10年前だったので廃れた文化だと思う。

が、今の30代半ばくらいの人の人で、とりわけ営業職とかそういう経験が少しでもある人ならイメージがつくと思う。

喫煙所で話が進んだり、根回しが行われていて合意が得られてたり、経過がわからないままなぜか仕事が決定していく。若手でも喫煙する人がそこで上の人と仲良くなって情報や仕事をいつの間にか得ていってしまう。

そんなことが、少なくとも私が総合職で新卒採用された10年くらい前は社内でも社外でもおこっていた。

きちんとタバコを吸わずにタバコ休憩も取らずに働いている人より、タバコ休憩をとって口が達者な人が昇進しやすい、なんてこともあったのかもしれない(私の周りではなかったけれど)

でも、ここ数年時差出勤とかコアタイム以外はフリーな会社も増えてきていたし、下手するとここ最近はリモートワーク。

そもそも喫煙が嫌煙されているから喫煙所がないところも多いかもしれない。

今思えば、喫煙所がオフ、会議がオンで上司は部下を二面でフォローできていたのかもしれないし、そうじゃないかもしれない。

ともかく今は、オンの状態全員がいるところで包み隠さず課題を解決していくことが求められている。

もちろん、そんな中でもうまく根回ししている人もいるかもしれないけれど、情報は全員に包み隠さずオープンにされないといけない雰囲気がある。

それが、いいか悪いかは別として、喫煙所であるいは別の場所で根回しをしてそのうえで一生懸命働いてきた人にとっては理解しづらい状況なのかなと思う。

真面目で、仕事熱心な人ほどたぶんこの喫煙所会議文化をしながら結果を出してきたんだと思う、昭和時代は。

私も、ストレスもあったけれどそれもあって一時タバコを嗜んでいた。結局営業職は向かずに辞めてしまったけれど、喫煙所に出入りしてコミュニケーションをなんとか取ろうとしていたし、それでようやく理解できたこともたくさんあった。だから、喫煙所文化を一概に否定する気には全くないし、根回しの技術は社会生活で必要な技術だと思う。

けれど、喫煙所で決まると、それについていけない人も出てくる。それが嫌で私も喫煙したし。

それこそ、ベビーブームだった昔はついていけない人をふるいにかければよかった。さらにその昔は、一昔の偉い人だけが全体像を知っていて後はついていくだけでよかった。

けれど、今はそんな余裕どこにあるの?

なんで、そんなこと思ったかというと、今の政治の一番上に近い人たちが≪喫煙所文化≫を懸命に勝ち抜いてきた人たちなんだなぁとふと思ったから。だから、会食しなければ自分たちの仕事は進まないと思っているし、全員に情報を行き渡らせなくても社会は回ると思っているし、自分と価値観が違う人にまで全体像を理解させなくてもいいと思っている。

今は、どんなに価値観や能力が違っても本当に大事なことは、方向性を理解してもらわないといけないんだと思う。

挙国一致で、みんなが同じ方向でなんてことは今の時代的じゃないしそんなことはもう今後もできないと思う。

でも今は、国難というか人類の危機だと思う。そんな状態を打破するには、最小限でいいので、どんな状態の人とも同意が必要だと思う。

感染は拡大したくないですよね。とか

でも喫煙所文化の人たちは、その中では同意が取れちゃっているものだから最小限の同意を、すべての人に行き渡らせることができない。おいてけぼり。

でも、どうして同意してくれないのかわからない。喫煙所に来ないほうが、来れないのがわるいのだから。

補償だとかなんだとか以前の話だと思うけれど、まずそこからしてくれないともう信じれないから自分のこうしたい、を優先されてしまうんじゃないかな。もう、状況的に遅すぎて、今だと同意とともに十分な補償がないないとどうにもならないけれど。

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