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「ストーリー・オブ・マイ・ライフ わたさの若草物語」を観て。

原題:Little Woman
邦題:ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語

監督:グレタ・ガーウィグ(2019)

あらすじ: 南北戦争時代に力強く生きるマーチ家。しっかり者の長女メグ(エマ・ワトソン)、活発で信念を曲げない次女ジョー(シアーシャ・ローナン)、内気で繊細な三女ベス(イライザ・スキャンレン)、人懐っこく頑固な末っ子エイミー(フローレンス・ピュー)。女性が表現者として成功することが難しい時代に、ジョーは作家になる夢を一途に追い続けていた。性別によって決められてしまう人生を乗り越えようと、思いを寄せる隣家の青年ローリー(ティモシー・シャラメ)からのプロポーズにも応じず、自分が信じる道を突き進むジョー。(引用)



感想:綺麗に見えて、残酷な終わり方。


虚実の結末だったんだなあと思う。不自然な突然のジョーのカメラ目線の語り、現実を突き付けてきてたのに突然のロマンティック演出。

だからきっと、最後に製本されたての本を抱きしめるジョーはニューヨークで1人きりなんじゃないかなあ。

「結婚だけが女の幸せなんておかしい。…でも、どうしようもなく孤独なの」

このセリフ。何割の女性に刺さるだろう?もう大昔からこうして声を挙げていた女性がいたというのが悲しすぎて。そして今もあまり変わっておらず。どうしてこうも全てにおいて男が決めていってしまうのかなあ。

精神的にギリギリだったとき、結婚とかわかんないしこの先もずーっとこうなのかなあと思ってた時があった。結婚しなくても映画とか本とか趣味があるから別に自分大丈夫だよなって思ってたけど、ひとり寂しい時間がこの先続くと思うと長すぎるって泣いてたときあった。多分、それ。



「今は愛するより愛されたい」
「それは愛してるのとは違う」


愛されたいって願望が強くなればなるほど、周りが見えなくなってくし自分が愛さなくなるんだよね。

まず自分のことを愛さないと人のことを愛せないし、自分のことを愛してない人を他人が愛してくれることなんてそうそうない。

寂しさによる愛の渇望って、愛じゃないんだろな。ジョーには何があったら寂しさを感じずにいられたんだろう?

やはり、自分の感情を昇華した作品の承認だろう。床一面に紙を並べて書いてる時のジョーの美しさは素晴らしかった。無意識で、書いてる時の自分をいちばん愛してるんだろな。自分を愛して自信のある人は美しいもの。

果たして、ワタシ自身は自分を愛してる?

自己受容は最近できてきたけど、自分を好きかどうかは別。実際のとこ、ワタシは自分の性格好きじゃない。でも認めてる。

こんなんだから、きっと人から愛されたい願望が強くなるんだろなあ。でも、ワタシがしてることは愛されたいための行動ではなく、嫌われないための行動のような気がしてならない。

自己受容、本当にできてんのか、ワタシ。


おそらく、現実は結婚してないであろうジョー。

でも、あの少女時代があったからこそ書けた作品でもあるから、あの頃からあったから今の自分がいるし、色んな思い出がこびりついた故郷でも大事にしようと思えたのだろうな。

自分は成長してないと泣く姿。刺さった…。すごくわかるなあと。同じような場面でモヤモヤ悩んだ自分に気づき、自分何も変わってないじゃないかと惨めな気持ちになる。

でも、エイミーが婚約したというシーンでの怒りの抑えてた姿が本当に素晴らしすぎて。母が言ってたことが憑依したかのように、伏線回収。

怒るのって難しい。怒ったり人を憎んだりするのってすごく疲れるからワタシはほぼ怒らない、というか怒れない。しょうがないよなって流すことばかりだが、ある意味ワタシは他人に興味ないのだろう。でも、空気の影響を受けやすいワタシはきっとそれくらいにしないと苦しくなる。自分で見つけた術。

少女時代から大人時代の変化がものすごくわかる素晴らしい演技と、ファッションと、音楽と、何もかも!素晴らしすぎた!

ジョー役のシアーシャ・ローナン。「Saoirse」はアイルランド語で「自由」を意味するそうな…。

自由を満喫する人って、美しい。

自由に一本筋で生きてるジョーの美しさと反比例の、どうしようもなく悲しい現実社会。

なぜ強く美しく生きる人に対して、周りの人間は口うるさく言うのだろうか。

そんなことを優しく諭してる映画。優しさ故に、残酷さが際立つ。泣く。

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