夢、叶えよう。【第七夜】
まみれる。
ライターになるために、アルバイトを生活を始めてホームページを開設するために借金をして、自己投資をしてパソコンまで買いました。
フツーならね、ここで終わっちゃうんですよ、なんか満足しちゃって。
いやいや、こっちは人生かけているんです。ここからが“スタート”です。
Writerですから、書かないといけない。
…とは言え、私、文学部日本文学科専攻でもなければ、なんたら作文コンクールみたいなもので賞を取ったわけでもありません。
ならば、「書き方」についての勉強を…ということで、アルバイトが終わると、どうせ暇しているんですから、梅田周辺にある大型書店へよく通っていました。
当時は…紀伊国屋、旭屋書店、ジュンク堂をメインに回っていました。そこで、立ち読みしながら、自分に合う書き方の本を選びました。
なにより、新聞社でのアルバイトということで、ベテラン校閲さん(3人)がいるわけです。その方々が使っていたのが…共同通信の『記者ハンドブック』(通称『記者ハン』)。新聞社内のガイドラインを記したもののありましたが、やはり『記者ハン』も持たれていました。
校閲さんが持っていた『記者ハン』、めっちゃ黒かったし、ぼろぼろでした。それだけ間違いがないように確認の上に確認されていたんでしょう。その『記者ハン』を見るたびに「プロとは」ということを、姿勢で見せあっれた思いがしました。
正しい日本語を使わないと、良い原稿ができたとて、興ざめすると思うんですよね。読者の方は騙せません。なので、その“必要最低限”のところを押さえようとしました。
「手垢にまみれた表現」というのは使わないようにしていきたいなって思ったのもこの頃から。例えば「枚挙にいとまがない」…こういうものを使うとラクなんです。ラク=手抜きなんですよね。表現の仕方が限られてきます。これはライターとして致命的だとなんとなく感じていました。
頭を絞って出てきた表現の方が、自分なりの感じ方・表現の仕方なわけですから。
で、その文章を書く際に、一気にパソコンでは書きません。
どんなものを書くか、あるいは頭に浮かんできた表現を一旦、ノートに書き出しました。
この「ノートへの書き出し」=プロットになるわけですが、偶然、思いつきました。
これがよかった。書き貯めできていくわけですね。
誰に教わったわけではないけれど、そういうものが自然とできていたというのはラッキーだったと思います。
そのプロットめいたものを書くには前回にも書いた、スクラップも有効的になったわけです。
バイトが終わり、夜な夜なこんなことばかりしていました。スクラップで手は汚れ、記者ハンも校閲さんほどじゃないけど、手垢で黒くなっていきました。
もしかして、傍から見たら寂しい青年時代かもしれません。お金もなかったけれど、まったく辛いと思ったことはちっともなかったです。
なぜなら、自分の夢のために、あのときのカズのように泥にまみれていたからだと思います。
カズもこんな思いだったかもしれないなって思いながら(続く)
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