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【肺がん】医療用麻薬で痛みから解放されたのか

入院までしたけど、腹痛は一向におさまらないし痛くてつらい。
それで痛み止めを医療用麻薬に切り替えた時の話です。

痛み止めは処方されるのに、なぜか効かない。
効かないと分かってるのに、腕に針をさして薬剤を点滴する。(私はそもそも注射が超苦手です)
痛みもまだまだやってくる。主治医にも共有されているはずなのに・・という不安や焦り。
この頃はもう、癌だとか癌じゃないとかは頭になかったです。抗がん剤の服用も中止されてたけど、咳や息切れ等の癌症状も出てませんでした。

いわゆる痛み止めの薬から、医療用麻薬への移行

何という薬を、どれくらいどんな風に使ってるのかはわかりませんでしたが、唯一痛みが引いた痛み止めがソセゴン(だったと思います)です。点滴で落としてもらうとあれだけガンガンにあった痛みが徐々に引いていきました。私の場合、効き目は50分程でした。実際に痛みが引いたので看護師さんへ今後常にこれを使いたいとお願いしましたが、薬の特性上それは出来ないと言われました。聞くと、軽い(医療用)麻薬にあたるからとの事でした。
その後もとにかく訴え続けた結果、「ただし(医療用)麻薬ですが」と念を押されて主治医から提案されたのがフェンタニル(だったと思います)です。

医療麻薬使用に際して、ためらったこと

私がもつ医療用麻薬のイメージは非常に初歩的なものでした。なので「痛みからしっかり解放してくれる」ものだったし、とにかく痛みから早く解放されたかったので、使用に対して躊躇や抵抗感は一切ありませんでした。これは入院当時から同じでした。

しかし主治医からはまさかの「これを使っても必ずしも効くとは限らない。使ってみないとわからない」といわれました。効かないなんてことあるの?ってのが私の素直な気持ちで、医療用麻薬に抵抗はなかったものの、使っても効かないなら意味がないと思いました。
もう一つは「これを使ったらもう前に使ってた薬には戻れない。(使えなくなる)」と言われたことです。そもそもこれが効くか保証できないというのに、これを使用したら最後、これまで唯一効いていた薬も使えなくなるなんて。これにはかなり動揺しました。
「使うか/使わないか」の二択になるってことですよね。自分にとっては究極の選択でした。

期待で一杯だったが現実は

言い方はわるいですが「効かない可能性もあるけどどうする?」ってのが一番の悩みどころでした。でもその時の私は、それでも効くと期待をして医療用麻薬へ切替えることにしたのです。

これまでは腕から点滴で薬を体内へ取り込んでました。今後は、薬はペンみたいな容器に入ってて、使う時は都度ペンを押して使用することになります。ペンがお腹とつながってて、箱に入れたペンをポシェットみたいに肩からさげます。ベッドに寝て点滴をしていたのが、それこそ立ってペンをカチカチすることもできるようになりました。
これで痛みとはおさらばだと大きな期待をしてました。で、切替後初めての痛みがやってきてカチカチとペンをやってみました。その結果は・・なんと全然痛みが引かない。時間を置いても変わらない。痛いです全然。
すごい失望感。期待してただけにショックでした。

でも戻れない。痛みが治まらないとは分かってても、痛くなったらカチカチ(薬を使う)ってのは、やり続けました。もうそれしか方法がないので。
薬が効かなくて看護師さんに泣きつくのもしんどかったし、効かないですか~と主治医から言われるのも悲しかったです。

日が経って体調も良くなり、医療用麻薬の器具を体から取り外せる時期になった時に「自分では効いてないと感じてたかもしれないけど、多分少しは効いていたはずだよ」と看護師さんから言われました。
でも痛い状態を10点換算して、医療麻薬を使ったら数値が減ったか?と聞かれると、自分の感覚では10点近くに感じたと思います。ただもしかすると日にちが経つにつれ、痛みの重さ自体が徐々に軽くなってきていたという可能性はあるのかもしれません。

痛いという問題を素早く解消してくれて、尚且つしっかりとした実感がえられるならまた医療麻薬を使いたい

私の場合ですが「効いた」という実感があまり得られなかったと思ってます。(ソセゴンは痛みを一時的に収めてくれましたが、使用感としては「生理痛の痛み止め」や「胃痛薬のブスコパン」みたいな感じ。発作が起きてから服用して痛みを鎮めるような)
効き目は人によって違うのかもしれませんが、もっとハッキリと痛みを解消してくれるなら是非また。あと使用前にある程度でも効能が確約がされるなら、もっと使いやすいんじゃないかなと思います。

余談ですが「じゃぁ(医療麻薬の使用を)お願いします」と先生とやりとりをした後、数分間沈黙になったというか、ちょっと重くるしい空気になった気がしました。あれ何だったんだろう。
それと、自分としても正直ちょっとは怖かったので「効くんですよね?・・ね?」とか先生に言ってしまった気がします。
最終的には自分が決めないといけないとはいえ滅多にないことだし、誰かに背中を押してほしいなぁってのが本音でした。使用する場面はそうそう来ないけど、いざとなったらやっぱり不安です。

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