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グレース、貴方も。

グレース•パトリシア•ケリー
モナコ公国の王妃(元女優)も毒親育ち、そして自らも毒母だったというお話。

いつだか彼女の生い立ちをテレビで知った時は気の毒に思った記憶がある。
スポーツ系エリート家族に生まれて、母親からは何をしても駄目だとののしられ、父親からは無視される日々。
そんな不遇な子供時代を経て、彼女は女優になって周りを見返してやろうとハリウッドで上り詰めた。
彼女がラッキーだったのはそれだけではなく、数々の有名俳優と浮名を流し最終的にはモナコ大公に見初められ王妃となった事だった。
女優を辞めたとしても、その伝説的な美貌とチャリティー活動などで「注文を浴びる」ということは彼女にとって1番の得意技であり希望していた事だったのだ。

私が知るのはここまでで、息子と娘がおりさぞ良いお育ちで、縁も無いセレブリティな世界の話だと思っていた。
そしてエルオンラインの記事が目に止まり、グレースケリーの娘(姉妹)も実は母親に悩まされていたというのを知る。
ここで大体想像はついた。
末っ子の息子だけはめちゃくちゃ可愛いがられたんだろうな。
多分…
ああやっぱりね。

なので気になったかたは「アルベール2世」でwikiを参照されて下さい。

母親が美人だと娘も注目の的になるのはしょうがないとして、
「娘より私を見て!私に注目して!」ってどーゆーこと?!と驚いたのは私だけではないはず。
思春期にそれやられるとキツイ。
どうして自分が母親に嫉妬されるか訳が分からなかっただろう。
親子なのに?普通は娘を褒められたら喜ぶものではないの?
元女優で美人で未だチヤホヤされてまだ足りないのかあんたはと不思議に思ったはずだ。
想像するに、見えない所で娘に辛くあたり頭を押さえつけ「私より目立つな!」と言われ続けていたのだろう。
私も経験済みだ。(容姿の問題ではなく)
そして、グレースの死後も周りに散々な言われ方してたようで…。
生まれも育ちも別世界の私でも、さすがにその娘達に同情せざるをえなかった。

私にも娘がいる。
私には無い行動力と世渡りと頭脳と上手くやりこなす人間関係。
ほっとするだけで一度も嫉妬した事は無い。
ただ、こんな不完全な私が育てたのにという驚きの気持ちはある。

私自身は
母の指図は絶対だ
母より目立ってはならない
母の言う事を否定してはいけない
母の望んだ通りにしなくてはいけない
と育てられてきた。
そこに自分の軸は皆無だ。
なのに血の滲むような思いをさせられた。
何不自由無く思い通りにしている妹と弟を横目で見ながら。
そして母亡き後もその考えの癖の殻から抜け出せないでいる。
身体こそ大きくて目立つかもしれないが、私はいつも目立たぬよう猫背で下を向いて歩き、自分の娘より年下でも仕事関係者には敬語で会話をし頭を下げる。
「あの人のようにはなりたくない、全て真逆で生きてやる!」
ずっと私は自分に言い聞かせながら歩く。

「私より目立つな!私を見て!みんな私だけに注目して!」
とうったえ続けてきた母の傲慢さと執着は幸運なことに妹が受け継いでいる。妹の子を見ればそれは十分分かる。
私に連鎖してなくて良かったとこの記事を読み思った。

「自己肯定感の低さ」という耳慣れた言葉が出てくるが、これは自分が作り出すものだと思っている。自身の経験や達成感からこれから少しずつ引き上げられるものだと私は信じたい。
決して誰かに植え付けられるものでは無い。例え親でもそうであってはいけないのだ。

そして私は、故グレース•パトリシア•ケリーの娘達も幸せであることを願う。

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