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罪と罰


前書き

東京から福岡までの2時間、今時は機内でwi-fiが繋がるけど、いつも敢えて繋がない。
その時間で本を読んで物思いに耽るほうがよほど良い時間になることを知っているから。

何となくTwitterで見かけて読んでみたいなと思っていたZ李氏の「飛鳥クリニックは今日も雨」が面白くて、飛行機の中から実家についても永遠と読み1日で読破したので、中学生ぶりに読書感想文を書いてみました。凄く良い本だった。私が人生において重きを置いてる義理と人情と見栄を煮詰めたような物語。もちろん良い意味でね。Zさんのファンになりました。東京に帰ったら豚丼uberしよっと。



飛鳥クリニックは今日も雨(読書感想文)


飛行機の中で食べるお弁当は崎陽軒しか考えられないし、Z李の小説を読んで歌舞伎町のあの異様な空気感を理解してしまうくらいには馴染んできた。


歌舞伎町でキャバ嬢やってる分際で何言ってんだと思われちゃそれまでだけど一応両親に大切に育てられた一人娘だから、警察にお世話になるようなことや人道的に反することはやらないとお天道様に誓える。


でも、スカウトがハイエナのように蔓延る歌舞伎町を歩いていると私みたいなのは少数派なのかなという気持ちになる。


歌舞伎町には色んな人がいて色んな風に回っている。悪そうな人は本当に悪いし、悪いことしてなさそうな人も実は悪かったりもする。悪くなくても、人道的にダメなことを平然とやってのける人はもっといる。



そんな環境が日常だと、私はいつでもまっさらな人間でいようと強く思うようになった。


夜のネオンに染まってしまえば、悪いことがめくれ世間に晒されても笑い話ですむのだろうけど私の周りにはあまりにも悲しむ人が多すぎるから。



それもあって最近は、水商売や人気商売以外の仕事をしている友達と意識的に仲良くするようにしている。
物事の価値観は誰と仲良くするかで決まってくるから、真っ当に会社員をしている友達が1人いるだけでもまともでいられるんじゃないかと思って。そこまで汚れないことに執着してきた。



東京に馴染むのはいいけど、歌舞伎町に馴染みたくはない。今の店で働き始めて9ヶ月は経ったけど、未だに新規の方と話すときは珍獣扱いされる。


でも、それでいい。
歌舞伎の中ではいつまでも異質なままでいい。


母親のつくった温かいご飯で食卓を囲んだあとに部屋に戻り三部作の長い小説を読み終えると、都会で知らぬ間に溜まった毒気が少し抜けた気がした。

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記事を書いた後いつもインスタントのスープか紅茶を飲んでいます。奢ってくれる気持ちで投げ銭してくれると書く甲斐があるってもんです