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昨日台湾時間夜9時半から片倉佳史さんとライブ対談しました。テーマは台湾宴会料理でした。

「義興樓(Gī-heng-lâu)という店名の2019 年にミシュランビブグルマンに推薦され、2020〜2022 年にミシュランセレクテッドレストランに推薦されたレストランの台湾料理を紹介しました。

「義興樓 (Gī-heng-lâu)=台北市文山區景文街121號」は、台北市の南部、景美 (MRT新店線) の景文街という道沿いで、景美の観光夜市の脇に位置する 1938年創業のレストランです。日本統治時代から経験を積んできた伝統的な台湾料理を専門に四世代に渡って受け継がれてきた老舗の台湾料理店です。ミシュランでは、このレストランの名物料理である豬腦煎蛋(ti-náu-chian-nn̄g = 豚の脳が入った卵焼き)、蛋酥冬粉湯(nn̄g-soo-tang-hún-thng = 卵と春雨のスープ)、炸雞捲(chìnn-ke-kńg = 豚肉の巻き揚げ)、金錢蝦餅(kim-chînn-hê-piánn = 海老すり身のコロッケ)などを推奨しています。これらは、多くの手間を必要とする、ほとんど失われつつある昔ながらの懐かしい辦桌(pān-toh パントッ)で提供されてきた台湾宴会料理です。
辦桌(pān-toh パントッ)とはお祝い事や集会などのある時に戸外の公共の場所、道路上などにテントを張り、宴会場を設置し、そこで大勢にご馳走を振る舞う台湾の風習です。

金錢蝦餅 (kim-chînn-hê-piánn キムチィヘェピア)
手工粉肝 (chhiú-kang-hún-koann チィウカンフンコア)
麻油腰只 (moâ-iû-io-chí モアイウイォチィ)
油條鮮蚵 (iû-chia'h-kóe-chhinn-ô イウチアクエチィオー)
炸芋頭 (chìnn-ōo-á チィオォアー)
炸卜肉 (chìnn-pok-bah チィポッバァッ)
炸雞捲 (chìnn-ke-kńg チィケェクン)

雞捲/加捲/雞管(ke-kńg ケェクン)は網紗油(bāng-se-iû バンセェイウ= 網脂 / クレピーヌ= 豚の内臓周りについている網状の脂)または湯葉で豚肉や玉ねぎ、クワイ(馬薺 bé-chî)、魚のすり身などを包み巻いて、揚げた惣菜です。繭仔(kián-á ケンナァ)や五香肉捲(ngóo-hiang-bah-kńg ンゴォヒャンバァクン)という名称もあります。また他にも五香捲、肉繭、肉繭仔などの呼び名も あります。中国の華南地域や東南アジア諸国の華人社会でも類似品が食されています。中国福建省漳州では「五香(ngóo-hiang)」「肉卷(bah-kńg)」、泉州では「雞卷(ke-kńg)」、廈門では「五香(ngóo-hiang)」、広東省潮州では「肉卷(bah-kńg)」「卷煎(kńg-chian)」などと呼ばれ、シンガポ ールやマレーシアでは「Loh Bak」と呼ばれているようです。

雞捲の語源や表記文字に関しては宴会料理の残り物を加えて作ったことから加捲と呼ばれ、加という字と同じ発音の雞という字が当て字として使われるようになったとか、雞の首の形に似ているからという説もあるし、蚕(かいこ)の繭(まゆ)の形に似ているから繭仔と呼ばれたり、香辛料の五香粉(シナモン、クローブ、スターアニス、華北山椒などの混合パウダー)が使われることから五香捲(ngóo-hiang-kńg)と呼ばれたりもします。

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