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サブレ

「バターサブレ(プレーン)」「ショートブレッド」「サブレ・ノワゼット(アマンド)」「抹茶サブレ」の4種類のサブレ生地を紹介します。つくり方としては、バターを練ってから作る方法とそうではないつくり方、2種類のつくり方をお伝えしていきます。これは、バターに他の素材を足していく方法と一度に素材を混ぜていく方法に分かれます。バターが小麦粉を包んでいる状態と小麦粉がバター粒を包んでいる状態の違いとも言えます。同じレシピで逆のつくり方でもつくることができます。形や厚みの違いによる焼き方や食感への影響も生地の違いと形の違いを比較していきます。
フランス菓子としては、「サブレ」という言い方になりますが、クッキー全般のことを示しています。「サブレ」というのは、「砂のように」崩れる食感という意味です。サブレという地名から由来するという説やサブレという名の人がつくったという説もあるようです。
サブレをサブレという小さなサクサクした焼き菓子としか思えないのは、とてももったいないことです。タルトの土台となるタルト生地は、配合が違うだけでサブレを理解せずにはできませんし、フランス地方菓子なら「ガレット・ブルトンヌ」なども同じです。サブレとサブレの間にコンフィチュールをサンドしてもおいしいし、テンパリングしたチョコレートをかけたり、ガナッシュをサンドしてもいい。形や使い方は、既存のものにとらわれないようにすれば、とても幅の広いお菓子づくりのベースになります。
おいしさは、もちろん大事ですが、できるだけ、珍しい素材は使わず、一般の方でもつくる気がする方法を選んでいます。そうでないと、おいしそうでもつくらないで終わるか、一度やって終わりになるのは残念です。だからと言って、何かを妥協したりはしていません。知り尽くした中での選択です。どうしたら理想的な味、安定した質、生活に組み込めるお菓子づくりの工夫を考えてお伝えしていきますので、ぜひ、チャレンジしてみてください。丁寧につくった、焼き立てサブレのおいしさは格別です。サブレのつくり方などレシピ本でもネットでもたくさん出ていますが、ここに書かれていることが書かれているものを見たことがありませんし、これを理解してケーキ屋さんで働いている人は、とても少ないと思います。

以下のレシピは、比較しやすいようにバターを100%として、すべて、割合のパーセンテージを()内に記載しています。最初は、慣れないかもしれませんが、そうすることで、何が何%の時、どのようになるのかをインプットしやすくなります。今後、慣れてきた時に、自分の好きな味や好きな食感にするために数値を変更する際に役立ちます。ただ書かれている数字で計量をしてしまうと人の指示に従っているだけなので、つくれるようにはなるかもしれませんが、組み立てる思考力が育ちません。それぞれの素材の役割や理由、使用するメーカーなどの解説もしていますので、すべての「どうして?」に答えられる人になれます。私のやり方は、度々、つくるうちに、つくることができる人から、構築、設計ができる人になっていきます。歌手が、歌えるだけでなく、作曲できるようになるということです。


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