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お悩み相談室のうらがわ048(テストの作り方)

テストを採点していると、
こういうことがあります。

① 「ア〜エの記号で書きなさい」という指示なのに、「しかし」とか「また」とか、言葉で答えが書いてある。

② 漢字書き取りの、縦4枠×横3行の解答欄で、1,2,3…と縦に答えていくべきところを横に書き進んだために、最初と最後の(1)と(12)以外が全て書き間違えになっている。

③ 「漢数字で」という指示なのに、算用数字で書いてある。

④ 名前を書き忘れている。


多くの先生は、職員室で採点しながら、
「おい〜、ちゃんと問題読めよ〜」みたいなことをぶつぶつ言います。

が、実はこれはテストの作り方を変えれば起きない間違いなんじゃないかな〜と、私は常々思っています。


① 解答欄が中途半端な大きさのために「しかし」と書けてしまう。記号一文字しか書けない解答欄の大きさにすればよい。

② たとえば2番の問題を、「シンじる」のような送り仮名のある問題にして、2番の解答欄にはじめから「   じる」と、送り仮名を入れておけばよい。
仮に横に書き始めても、「   じる」の部分で自分の間違いに気づく。
なお、採点しながら「字が小さい!採点しにくい!」と思うのであれば、解答欄の横幅を大きくするべきであったと反省する。

③ そもそも「漢数字で」という指定をなくし、どちらでも◯にすればよい。
なお、「〜適当なものを選びなさい」という表現は、誤解する子どもが一定数いるので、「〜合うものを選びなさい」とするべき。

④ 名前を書く欄を、解答用紙の先頭に配置する。また、名前欄は解答欄の二倍以上の大きさにする。
なお、名前欄のすぐ下や右に点数の小計欄、得点欄を配置することで、採点者の転記ミスを減らせる。(数十枚あるテストの端をペラペラするだけで、確認と転記すべき内容が見える)


よい作りのテストは、生徒の勘違いによる減点が少ないテストです。実施から採点、転記までの流れがスムーズです。
ゆえに、なぜミスが少なくスムーズだったのかということに、ほとんど疑問を持てません。そこが、かっこいいと思います。

私がまずいと思うのは、
生徒の勘違いによるミスを、生徒側の不注意として指摘しすぎる先生や保護者が出てしまうこと。また、勘違いが多い生徒の努力が点数として報われないということ、です。

教え子が、何人も中学校で先生をしています。
彼らが作ったテストを目にする機会が増えてきたので、私のこだわりを記事にしておきます。
ここに書いた以外の、もっと細かいマニアックな工夫を、熱く語り合いたいです。

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