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本当に書きたかった読書感想文ー「君と出会えたから……」を読んでー

『本当にめちゃめちゃいい本でした!ありがとうございました!』

淡々と綴った前回の読書感想文。

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見返すと、なんだか読了後の熱い気持ちがどこにもないのです。
えっ 私が書きたかった想いが欠片も見つからない……。
これでは何も伝わらない。
読み終わった私が涙と鼻水でぐちゃぐちゃの顔をしながら、心は清々しくてたまらなかったあの気持ちを伝えたい!


10代じゃなくてもモヤモヤします

主人公ヨウスケ君。高校生活も後半、将来のことを考えなければと思いながらも、どうしたらいいか分からずモヤモヤする少年。
若い人が将来を思い悩む。そうですよね。
大学や学部を選ぶことで、その後入社する会社まで決まってしまうような、選択の前にいますものね。

でもね、終身雇用と言われなくなった社会にいる誰もが、‟次の仕事”を考え始めた時、やっぱりモヤモヤすると思うのです。
転職に限った事ではありませんが、ライフステージを自ら変える時には、少なからず抱える気持ちです。

ヨウスケ君が抱えているモヤモヤ。私は初めて見る壁だと思っています。
人生で何度も出現する壁、心に抱える感情。
真正面から構えて、見上げた先に溜息をつかず、自分の立ち位置次第で変わる目線に、気づいてほしいなと思います。

自分と並行な壁。自分の足元にある壁。自分の背後に壁。
物理的に難しいものもありますが、全てはイメージですよ。
進む道を阻むように建つ壁ですら実物ではありませんからね。

自分の行く先に、大きな何かが出現した時には、見方、接し方をたくさん試したいですね。その試み一つ一つが階段となって、素晴らしい景色が見える場所に、連れて行ってくれるに違いありません。

ヨウスケ君が出会う、ハルカという少女。ハルカの話は、ヨウスケ君の考えを柔軟にします。
何者でもないなら、何者にもなり得る。こんな風に、ハルカの言葉は読者にも、強く語りかけてくれるようでした。

生き続けていく者たち

生きることは、辛いです。
しかし、辛さは成長の糧になります。優しさや、幸せのベースにもなります。
ヨウスケ君、そして私たちは‟生き続ける人”です。

ハルカと一緒に過ごした夏。ヨウスケ君の生き方は大きく変わりました。
人生は、出会う人や物によって自由に変化します。
例え、いつかくる別れがひどく辛く、痛みを伴う形であっても。それすら、かけがえのない人生を生きる原動力になる。

今までを生きてきた私たちは皆、自身の素晴らしい人生を生きる大切さを知っています。
ただし、どんな瞬間も頭にあるわけではありません。分かっていても、忘れてしまっている、ことは少なくないと思います。
だからせめて、寝る前にありがとう、もしくは目覚めた時にありがとうを習慣にできたらいいなと思います。どちらか一つでも毎日口にするだけで、奇跡のような毎日を感じられるからです。

まとめ

ハルカの前向きな考え方は、決してハルカ自身の思考だけではありません。彼女もまた、色々な出会いの中で学び、気づいてきた一人。
この本に出てくる若い二人も、その親もまた、いつかの‟私”や、知っている‟あの人”に似ている。そんな親近感を感じながら読んだ本でした。

そしてハルカやハルカの父親が話していた。‟誰にも明日がくる保証はない”という事実。
現実に、私にきた明日。母にきた明日。 そして……父に明日はやってきませんでした。
迎えられた一日を精一杯生きる。これほど私にとって、重い言葉はなく、号泣しながら読み終えた本はありません。

あぁ本当に、必要な時に必要なものをありがとう。全てのタイミングと必然の贈り物に感謝します。


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