スケボーストリート、瀬尻稜さんの解説で学んだこと
東京オリンピック2020。このことはテーマに書くのはやめておこうと思っていた。今回の開催にはさまざまな立場の人が異なる意見をもっているからである。
でもどうしても書き残して、またいつの日か振り返りたいことが出てきた。
それはスケボー男女ストリートのテレビ中継で感じたことである。
どちらも生で観ていたのであるが、解説の瀬尻稜さんの解説がとても独創的であった。
「ゴン攻め」「ビッタビタ」「やべえっす」など独特な言葉でスケボー選手の技を解説していた。私としては面白くて、意外と分かりやすいので楽しく聞いていた。
しかし、頭をよぎったのは「これネットで炎上しないかな」ということであった。
異質なものは排除されやすい。ましてやオリンピックという多くの人の目に触れるイベントである。
また、スケボーというストリートカルチャーの競技については、解説の瀬尻稜さんも触れていたが「なんだか悪そう」というイメージを抱いている人も多い。
その中で解説者があまりにもくだけた口調で喋るのはよく思わない人がいて、ネット上で炎上しないか心配になったのである。
ただその心配はまったくの杞憂に終わった。むしろ好意をもって受け入れられた様子なのである。Yahooニュースではいくつも瀬尻稜さんの解説が良かったという記事が出ていた。
そしてそのYahooニュースの記事に対するコメントもほとんど好意的なのである。
Yahooニュースの記事に対するコメントは、辛辣なものが多いことで知られている。
もちろんそれが悪いと言っているわけではなく、ネット上でもそれぞれの場所にそれぞれの文化があり人が住み分けている。
Yahooニュースのいろいろな記事を見てきたが、好意的なコメントで溢れる記事はそれほど多くない。
しかし今回の瀬尻稜さんの記事には好感をもったというコメントが多かった。
このことについて、よく調べてみると実況を担当した倉田さんというアナウンサーと瀬尻稜さんは、今年の5月から実況中継に向けて練習していたそうである。
アナウンサーの倉田さんはスケボーの技のことはもちろん、カルチャーの部分までかなり勉強されたそうである。
倉田さんと瀬尻稜さんがお互いに信頼しあっていることが滲み出ていて、スケボーカルチャーへのリスペクトが前面に出ていたことが、この解説が好意的に受け止められた結果なのかなと思った。
そして瀬尻稜さんは言葉遣いは独特であるものの、どの選手に対しても暖かい眼差しであったことも解説が好意的に受け止められた要因なのかとも思った。
日本人であるとかそうであるとかに関わらず、技が成功した選手には賛辞を送り、失敗した選手に対しては頑張りやチャレンジを労うような姿勢で一貫していた。
スケボーカルチャーや選手についての、リスペクトと暖かい眼差しが根底にあることが視聴者に伝わるので、言葉遣いにひっかかって批判的になる人が出なかったのかと思った。
この瀬尻稜さんの姿勢について、私は見習わなければいけないと思った。
私は未熟なのでつい周りの人のことを批判的に見てしまうことがある。それを言うことはしないがきっと態度に出ていることもあるだろう。
それは周りの人やその場の雰囲気をとても悪くしてしまう。やってはいけないことである。
瀬尻稜さんのように周りの人を常にリスペクトしていれば、ムードがよくなり周りの人のパフォーマンスも良くなる。
瀬尻稜さんは、自分の態度を改めるきっかけとなる名解説をしてくれた。
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