見出し画像

『スーパー戦隊 Official Mook 21世紀 vol.1 百獣戦隊ガオレンジャー』 感想

概要

編者:講談社

初版発行:2017年
発行者:鈴木 哲
発行所:株式会社 講談社

Apple Books リンク

発行者による作品情報

「スーパー戦隊」21世紀作品の魅力を集めた大全集マガジン。今号は、『百獣戦隊ガオレンジャー』を特集!
◎スタッフ&キャストインタビュー 金子昇(獅子走/ガオレッド役)、福沢博文(ガオレッド役)、武上純希(脚本)、日笠淳(プロデューサー)
◎3大連載スタート!玩具、デザイン、音楽についての連載スタート!
◎特集 「スーパー戦隊」のキャラクターの魅力に迫る

Apple Books|講談社『スーパー戦隊 Official Mook (オフィシャルムック) 21世紀 vol.1 百獣戦隊ガオレンジャー』

感想

百獣世代、感涙する。

 そうです、私が百獣世代です。幼き日の日曜朝はテレビの前でガオレンジャーや仮面ライダーアギトらヒーローを応援し、彼らから勇気を貰っていた、そんな世代です。所謂「思い出補正」もあると思いますが、もし今「王道系のスーパー戦隊でオススメを教えてほしい」とリクエストされたら、僕は迷わずガオレンジャーを推します。

 本書を読んでいても、『ガオレンジャー』はど真ん中剛速球な王道路線というか、いい意味で「子供でも難なく入り込める作風」ということがよくわかります。熱血で優しいレッド(獅子走)、野卑で凶暴な怪人、不屈の正義感で立ち向かうヒーローなどわかりやすく、かつ素直に熱くなれる要素が盛り沢山(画面外の事象で言えば「大艦巨砲主義的な玩具」もそれですかね)。それでいてブルー(鮫津海)がムードメーカー的存在などのような"外し"の要素、(今でこそ特撮以外でも当たり前ですが)CGの本格導入という"挑戦"も取り入れることで、ただ王道をなぞるだけではない、新たな魅力にもつながっている。
 また、登場人物然りストーリー然り、前作『未来戦隊タイムレンジャー』がSF色が強くリアリティ路線の意欲作であった影響も色濃くあるというのが、随所から伺えます。

 スタッフ・キャストへのインタビューからも、彼ら一人一人が切磋琢磨して『スーパー戦隊』シリーズは成り立っているんだなっているのが伝わります。特に、年齢の近い金子昇さん、酒井一圭さん(牛込草太郎/ガオブラック役)、横塚孝弘さん(プロデューサー補)の三人を中心に日夜「どう演じたら子供たちが喜ぶかな?」「どうやったら『ガオレンジャー』が注目されるかな?」と言ったことを熱く語り合うというエピソードには、こっちまで熱いものがこみ上げてきました。

 『スーパー戦隊』屈指の根強い人気を誇る本作。その概要から裏側まで見てとれる本書。戦隊ファンはもちろん、百獣世代の方なら買って損はないと思います。
 (野球ファン的には「千葉ロッテマリーンズの佐々木朗希投手の名前の由来が『彼の兄が本作に登場するキャラクター・狼鬼に大ハマりだったこと』という有名なエピソードがものすごく嬉しい…と同時に、「同世代の人の弟がプロ野球選手」という事実から時の流れの早さを感じたりもします)

この記事が参加している募集

読書感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?