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「昨日と違う今日を生きる」

 コロナに罹っている。これはとてもしんどい。気をつけていたのに罹ってしまった。つらい。ということで、あまり読みにいけてもいません。とりあえず書き溜めたものを。

 先日読んだ伊藤絵美さんの本の中で紹介されていた千葉敦子さんの「昨日と違う今日を生きる」を読んでみた。

 私は千葉敦子さん自体を初めて知った。ジャーナリストの方で、がんを再発しながらも渡米し、亡くなられたという。

 この「昨日と違う今日を生きる」は、渡米したあたりの話が収録されている。

 とにかくパワフルだった。今の私とほぼ変わらない年齢なのだが、その強さしなやかさなどなどもう本当に比べ物にならない。

同じ仕事をあまり長く続けていては、成長しなくなるという強い恐怖感があり、またせっかく21世紀後半に生きる幸運に恵まれたのだから、一つの文化の中で一生を終えてしまってはならないと思っているのだ。

 力強い。しかも著者はこの時がんを再発していたのだから、その力はどこから湧いて来ているのか、と思う。

 いま、私もキャリアは頭打ちで、このままいると成長できる機会はなく、知識も古びていくのではないか、という懸念があるのだが、それで思い切って、新しい世界へ乗り込んでいく、みたいな勇気は正直ない。病気と仕事の両立だって、今ですらままならないので、動くに動けない。
 元気な時の自分だったらどうだろう、とも思ったりする。
 もっとちゃんと自分の足で立って、歩かねば、と思わされる。

 著者は、病気を言い訳にせず、日本でもアメリカでも医療を受けてみて、とそれをまた糧として、アグレッシブに生きている。
 途中ガンの場合はアメリカの保険に追加で入れない、みたいな話があったけれど、ここは結局どうしたのだろう。アメリカの医療は高い。

 1984年くらいがこの著者が渡米したあたりだが、40年近く前。それで、これだけ自立した生活をして、海外に居住を移すなど、そのパワフルさは想像に難くない。(私が学生だった頃の30年前ですら、留学する人は学校に1人くらいしかいなかった)

ゼロに近いところからやり直すことの気持ちよさ。これを何にたとえたらいいのだろう。ぬるま湯から出て冷たい滝にあたるようなすがすがしさ、とでも言えばいいのか。
 ガンとの闘いや生活の苦しさは東京でも同じようなものだ。どうせ苦しむなら新しい環境で苦しもう、という私の決断は正しかったのだと思う。

 ゼロからやり直しとか、私には、怖くて仕方がないけれど。。こういう心持ちになれたらいい。

 千葉敦子さんの本をもっと読みたいなと思う。

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