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「まじめに生きるって損ですか?」

 雨宮まみさんの本が読みたくて手に取った一冊。

 お悩み相談までいかない、愚痴を聞くという内容の本。2016年の本ですが、出てくるお悩みと言うか、愚痴が今読んでも古いと感じることなく、変わらないな、と言う感じ。まあ7年前なので、つい最近といえばそうかもしれないけれど。

 全体的に優しい。生きるのつらいよね、でも生きるのは良いことだよ、楽しいことをしようみたいなことに満ち溢れているけれど、押し付け感なく、スッと入ってくる。

 人によって何を求めるかは違うでしょうが、誰がそれを贅沢と呼ぼうが、甘えていると呼ぼうが、「もっと他にすべきことがあるんじゃないか」と言おうが、自分にとって快いものを知っているということは、生きる方法を知っているのと同じことなんです。欲が見せてくれる新たな地平を見つめているときだけ、人は自分の姿を見つめることから逃れられます。


自分が今、どのような位置にいるかなんて実はあまり重要じゃなくて、正しいか間違っているかなんてことすら重要じゃなくて、「生きている」という事実だけが全てなんじゃないかと思うこともあります。楽しいこともつらいことも、フラッシュライトが点いたり消えたりするときに明暗が通り過ぎていくようなもので、その瞬間ごとに見えている世界がまるで違うような感じなのかなと思います。めちゃくちゃだけど、そんなもんなのかなと言う気もするんです。

「生きるのがつらい」と思ってしまう自分に罪悪感を感じることだけはやめてほしいなと思うんです。だって、つらいですもん。(中略)「生きるのがつらい」「めんどくさい」はデフォルト。だからその上で、どうしたらそのつらさを軽くできるか、楽しいと思う気持ちを持てる瞬間を増やすのもができるのかを考えていくしかないのではないでしょうか。

 一時の快楽を甘く見ないこと。意味のあることだけをしようとしないこと。そういうことも、生き延びてゆくためにはときには大事なんじゃないかと思うのです。

 いつも思うのだけど、当たり前ですけど、文章がみんなうますぎる。どうしたらそんなうまくなるのだろうか。

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