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「おあげさん」

 みもさんの「おあげさん」のnoteを読んで、とても読みたくなり、図書館で予約して、やっと回ってきた。
 タイトルからして魅力的。私は、きつねうどんの上にのっているおあげさんが大好きだ。

平松洋子『おあげさん』PARCO出版|みも #note


 読むととにかく食べたくなる。いがめんち、ひろうす、いなり寿司。目にはついていたけど一度も手を出してことのない松山あげ。

 私は甘めに煮たおあげさんが大好きだ。きつねうどんに入っているおあげ、きつねうどんのおあげ。
 おあげを自分で煮ようなんて思ってもみなかったけれど、この本を読むとおあげを煮たくなる。

 おあげさんを使った代表的なものとして、いなり寿司がある。
 でも私のいなり寿司の思い出は私にとって良くないもので。昔のお正月、家父長制バリバリの思い出。元旦から父の実家に集まり、女性は暖房のない台所と、その続きのまた寒い部屋で、男性陣のおつまみやお酒の準備をして、夜はおせちといなり寿司。夕方からせっせと女性陣はいなり寿司を包むのである。子供心に嫌な行事だった。
 あの時のいなり寿司の味は全く覚えていないけど、いなり寿司は好き。この本に出てくる伊東の「祇園」にはぜひ行ってみたい。いなり寿司の嫌な思い出は忘れて美味しくいただきたい。

 そのほかにもあれやこれやと、出てくる出てくるおあげさん。よくこんなに集めたものだなー、と感心する。さすがタイトルが「おあげさん」なだけある。
 この本を読み始めてスーパーに行ったらつい油揚げを買ってしまう。味噌汁に入れるくらいだったけれど、もっと色々使えるんだな、使おう!と意気込んでみた。

 「きつねうどん口伝」という本も気になる。ちくま文庫らしい。ちくま文庫って本当いろんなものがあるなー、と思う。きつねうどんが食べたい。

 最後のおあげ料理のレシピも嬉しい。ちょっとおあげを煮てみよう。

 食のエッセイって、おそらく初めて読んだ。新鮮な感覚と共に、食への飽くなき探究、偏愛が、なんとも面白くて。私は作るのがあまり好きではないので、食系の本は楽しめないんじゃないかと思っていたけど、面白かった。
 みもさん、ご紹介いただき、ありがとうございました。

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