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「無人島のふたり」


 この本は買おうかどうな悩んで、買わずに図書館で予約した本だ。思ったより早く回ってきた。とはいえ数ヶ月かかりましたが。と思ってみたら、私の後に400人も待っていた。びっくり。
 他の本もたまっているのだけど、この本を真っ先に手に取った。

 いろいろ切ない。私は家族をガンで見送ったけど、当人たちはどう思っていたのだろう、と考えても仕方ないことを考えてみる。助けるつもりで踏んづけていたことだってあったんだろうなー、と思う。
 私はガン家系だ、と、ずっと言われてきて、割と若いうちに癌になるんじゃないか、となんとなく思っていたけど、今のところ無事に過ごしている。 
 それどころか元気そうな友達が若くして2人も癌で逝ってしまった。悲しい。順番が違うぞー、と今でも思い出し泣きしてしまう。
 ああ、全然本の感想になってないけれど、これを読むと思い出してしまうのだ。

 癌になったらどうなるのか、家族を見ていて分かっているつもりでも、この本を読むと堪えきれないなんとも言えない涙が込み上げる。
 もし自分がそうなったら、と考えずにはいられないし。

 「未来はなくとも、本も漫画も面白い」と書いてあって少し安心する。家族も今やいない私にとって、最後の糧になるのはきっとそれらだろう。

 そんなことを思いながら一気読み。横で見ていて知っていた闘病とやはり当事者の闘病の間には大きな違いがあるのだな、とも思う。よくこんなに冷静に日記に記せたのだな、と、作家の業みたいなものも感じる。
 そしてとてもリアルだ。明日がわからない中で、生きることのささやかだけど強い力を感じる。別にこれで心の準備ができるわけでもないけれど、読んで良かったな、と思う。
 最後まで良い本をありがとうございました。


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