見出し画像

グローバルおもてなし茶道

ぐ、グローバル・・・・。
久しぶりに茶道に触れ、わたしはたまげた。

ちなみに日本国籍以外の人がたくさん参加されていた、という話ではない。


コロナ前、わたしは市の生涯学習センターで開催されている茶道を約1年間ほど習っていた。
また久しぶりに茶道習いたいなあ、、と思っていたところ、高校のときにお世話になった先生が、偶然わたしの近所で茶道を習っている、ということを知る。

なんて、ご縁、、!
まだ生徒の空きがあるようなので、早速見学させてもらった。
「チャンスの神様は前髪しかない」なんて言うじゃないか。前のめりにひっつかみに行くっきゃない。

茶道は季節によって、風炉(ふろ)炉(ろ)二つのお作法がある。
そして季節感をすごく大事にするので、掛け軸やお花、お道具が月ごと変わることが多く、お抹茶とお菓子以外に楽しめる要素が多い。


最初にあれ?と目をひいたのは水差しというお道具だった。
これは、お茶を入れる前に茶器を温める際に入れたお湯を捨てる少し大きめの器。

青、赤、オレンジの線が縦横無尽に交わるように描かれていてなにやら、すごくカラフルだ。
なんて、大胆かつ独創的な柄・・・。

お棗(なつめ)。
これは、抹茶の粉を入れる器である。
真っ黒な地に描かれているのは、、、もみの木。そしてその上を飛ぶそり・・・。
そう子どもたちに夢を与えるあのお方、サンタクロース、、!!

茶道では、場を浄めるためにお香を炊く習わしがある。
その香木が入っている入れ物は、楕円形の形で、にょきっと伸びた突起。こ、これはどう見ても、亀の首、、、?


そもそも亀の形なんてあるのか、、?

そしてお茶をふるまった後、もてなす側ともてなされる側の代表の一人(正客)で
お道具について質問する、問答と呼ばれる、やりとりがある。
(塗り、作、柄など)


「お棗は。」
「ク、クリスマスのお棗でございます・・・」

「ご時節に合った結構なもの、で」

「いいでしょう?見かけて可愛かったから、買ってみたの」
まあ、ちょっと邪道なんだけどね、と付け足し先生はほほ、とお上品に笑う。
もちろん格式高いところでのお席では、そういったものは用いられないそう。

「お作は・・・」

もてなし側の方が、ちらりと困ったように先生に視線を投げる。
「ああそれ、頂いた台湾のお土産なのよ。可愛い亀でしょ?」

「台湾のお土産の亀で・・・でございます。」

やっぱり亀、、、、!

そのなんともシュールなやり取りを聞いて、和室の片隅で真面目な顔で正座をしつつ心の中は
「(笑)(笑)(笑)」である。

なんと聞けば、先程のカラフルな水差しもハワイの有名な作家さんのものだという。

ハワイにクリスマスに台湾だって・・・・?!なんてグローバルなんだ!!

茶道といえば、お茶のほかに和菓子の存在が欠かせない。練り切り呼ばれる伝統的な和菓子も、なんと先生自らご自分で作られるそう。

そう、グローバルなのは、お道具だけではなかった。
お皿にちょこんと乗せられた、練り切りとおひがしと、、、クッキー。

ご時節良きあそばせられる、ベルの形のクッキー。わ、和洋折衷、、、。

ええ、そんなお道具、お菓子もありなの、、?!
とびっくりしたが、思い返すと茶道の心の基本は、おもてなしだ。
型ばかりではない、遊び心。

お家でのお稽古ならではの自前のお道具で行うからこその、風流な遊び。

素敵な先生に巡り合えてよかった。

習っていたのは、4年弱前なので、おそらくほとんどお点前が記憶の彼方に違いない。
また気持ち新たに、初心者としてお稽古を頑張ろう。

(なお、これは12月に下書きした文章に手直ししたものなので悪しからず、、、)

#エッセイ #茶道 #お稽古


この記事が参加している募集

最近の学び

週末プロジェクト

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?