国境を越えるティモールの人々
ティモールという名前を聞いたことがあるだろうか。
コーヒーに詳しい人なら聞いたことがあるかもしれない。
海外のニュースに耳を澄ましてきた人も聞いたことがあるかもしれない。
ティモール島は九州より少し小さいぐらいの島。
場所を知らないと、世界地図で見つけるのは一苦労。
そんな小さな島なのに、島の東西で国が分かれている。
西はインドネシア、東は東ティモール。
西にはオエクシという地方があって、そこは東ティモールの領土。
そこだけ、飛び地になっている。
そんな事情のこの島で、私が嫁いだメルク家の人々は
「西も東もないわ」という顔をして分布している。
西にも東にも、オエクシにも親戚がいて、
祝いごとや揉めごと、葬いごとがあれば出かけていく。
そんな人たちは、メルク家以外にもたくさんいて、
西から東に、「ちょっとコーヒー飲みに行く」というおじさんもいるのだ。
国境ってなんだろう。
国ってなんだろう。
人類もいつか
蝶のように
軽やかに。
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