Yuiko

ティモール島でティモール人の夫と犬たちと暮らしている。 東ティモール在住 / 琉球 /…

Yuiko

ティモール島でティモール人の夫と犬たちと暮らしている。 東ティモール在住 / 琉球 / 兵庫 / 日常会話はテトゥン語

マガジン

  • ティモール姉妹 東西往復書簡

    • 4本

    国境を挟み、ティモール島の東側と西側に住む姉妹が交わす公開往復書簡。東側(東ティモール)と西側(インドネシア)の姉妹それぞれの日常を気軽に綴りながら、東西の共通点や違い、文化慣習のグラデーション、交錯する歴史が見えてきたらおもしろいな、という試み。 東の妹はテトゥン語話者。 西の姉はインドネシア語話者。

最近の記事

油からノコギリ、ノコギリから匙。

国境を挟み、ティモール島の東西にそれぞれのパートナーと住む姉妹の公開往復書簡。第4回目は、東側の妹より。 たゆちゃんへ ボノ〜!(「ボノイティ:こんばんは」の略) マロマック・シナの場所あってるで。 けど、10パウンは多すぎやから、3パウンあげるわ。 山田くん持ってきて!(笑点風) ミニャックの話についてやけど、確か沖縄でも「お世辞、おべっか」の事を「あんだーぐち:油口」と言うはず。 パプア・ニューギニアのイワム族、クパン、沖縄、英国、全然別の場所だけど考えることは似

    • フォルモザ通り

      たゆちゃんへ スラマッソレ! たゆちゃんが最後に東へ来たのはもう10ヶ月近くも前になるんやね。なんか今年ってもう9月だっていうのがにわかに信じがたいんだけど、私だけなんかな。 たゆちゃんと行った「レシデレの気軽なポルトガル料理屋」は「Tavirense」という名前で、今も営業してるから安心しなされ!また一緒においしい貝料理食べに行こな〜。 それはそうと、その「Tavirense」のある通りと並行して一本南に、「フォルモザ通り」という200mくらいの短い通りがあるんやけ

      • 国境を越えるティモールの人々

        ティモールという名前を聞いたことがあるだろうか。 コーヒーに詳しい人なら聞いたことがあるかもしれない。 海外のニュースに耳を澄ましてきた人も聞いたことがあるかもしれない。 ティモール島は九州より少し小さいぐらいの島。 場所を知らないと、世界地図で見つけるのは一苦労。 そんな小さな島なのに、島の東西で国が分かれている。 西はインドネシア、東は東ティモール。 西にはオエクシという地方があって、そこは東ティモールの領土。 そこだけ、飛び地になっている。 そんな事情のこの

        • まぶいとクラマール

          アジアという、柔らかな繋がりの中、 私たちには示し合わせたかのように共通の文化がある。 そんな「同じもの」を意図せず見つけた時、 私はとっても不思議に思って、わくわくする。 私は、そんなことを見つけに地球に来たのかもしれない。 これから書くのは、琉球とティモールの「同じもの」のこと。 まぶいは、琉球の言葉、うちなーぐち。まぶやー、とも言う。 クラマール(Klamar)はティモール島のテトゥン語。 どちらも「魂」を意味する言葉だけど、 どちらも日本語で言う「魂」とは違

        油からノコギリ、ノコギリから匙。

        マガジン

        • ティモール姉妹 東西往復書簡
          4本

        記事

          メルク家へお嫁に行った日

          中学生の頃の私が知ったら、一体どんな反応をするだろう。 2017年2月のある日、私はメラネシアに浮かぶ島、 ティモール島へお嫁に行ったのだ。 結婚式には、はるばる日本の親族や友人も参列してくれて、 手作り感あふれる披露宴では、琉球舞踊「かぎやで風」まで披露してくれた。 新郎側の親族や友人は、ちびっこたち、シスター、おかまさん、 もはや誰か分からない人まで駆けつけてくれた。 新郎は照れながらも嬉しそう。 みんな大盛り上がりだった。 そんな幸せなひと時に、私はこんなこ

          メルク家へお嫁に行った日