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キングダム 什虎城攻略戦(61巻まで) 感想 中国史に興味を持つきっかけになる教科書的作品

最近の漫画に詳しくないですが長期休暇をきっかけに読んでみようとおもったのが本作キングダム
Youtuberのヒカルの桓騎好きでも知られていますよね。

結論から言いますと、中国史に興味を持つきっかけになる非常に良い教科書的作品だと思います。ただし漫画、エンタメとして面白いかといわれると「普通・どちらかといえばつまらない」です。

キングダムを読んで思った、日本の教育制度への提案

中国史が一番嫌いだった647。とにかく興味が持てない・漢字が嫌い・中華嫌いを発症していました。学生時代にキングダムがあれば、もう少し良い点数が取れたのかもカンノワノナノコクオウ……

では本作はいつ頃の中国史の作品なのか?便利なWikiを抜粋。

古代中国の春秋戦国時代末期における、戦国七雄の戦争を背景とした作品。中国史上初めて天下統一を果たした始皇帝と、それを支えた武将李信が主人公。2013年、第17回手塚治虫文化賞のマンガ大賞を受賞した。

キングダムWikipediaより抜粋

へーえ。そうなんだぁ。って感じですよね。
しかしやはり文字で見るのとキャラクターで見るのは話が変わってくる。
読んでいくと紀元前の戦国時代の中国の話だと分かります。
そして今の中国の形に中華統一をした秦の始皇帝=主人公の一人である政だということになります。

中国史を真面目にやっていなかったのでそんな時代もあったのね。としか思えなかったんですが、要はまぁバトルマンガって感じですね。

ただし、私はキングダムを読んで、Wikiで秦がどうなるか調べたのでそれくらいには興味を持つきっかけとなりました

私がヨーロッパ史に興味を持ったのはヘタリアという漫画のおかげでした。(こちらはかなりがっつりはまりました。)
国の擬人化漫画なので、歴史を読むとその国のキャラクターで想像できるんですよね。
これは記憶術としてもかなり理にかなっていると思います。まぁ好きなキャラクターの国を偏向して学びがちというデメリットもあるんですが勉強しない・興味を持たないよりはまし!

日本の教育制度ってレベル低いと思っているんですけど、せっかく高度な文明「漫画」を持っているんだから、日本政府の教育機関は「キングダム」や「ヘタリア」を使って中国史や世界史に興味を持たせるべきだと思います。なんなら「英語」だって漫画で教えられると思うんですよね~。

きっかけ作りというのが大事で、やはり子供心に勉強はいやなんですよ。
ただ興味を持って勉強を「好きなこと」の一つにしてあげれば勝手に調べて学ぶまで至るんですよ。(私がそうであるように……)

キングダムもヘタリアもそうですが、めっちゃ面白いってわけじゃあないんですけど、自分で世界史について調べるくらいには面白さもある漫画なんですよね~。

そしてめちゃくちゃ記憶力も発揮できるんです。
秦・楚・斉・燕・趙・魏・韓という7国が存在するのですが、主人公の国である秦はもちろんのこと、初めに大きな大戦をする趙や大国・楚、同盟を組む東の斉……と物語を追って覚えられる!公判では魏とも同盟を組むし、魅力的なキャラもいます。
なんとなく流し読みをしているだけでも秦・楚・趙くらいは覚えるのではないでしょうか。

そして647的には次のように考えました。

この漫画紀元前〇〇年という表記があります。つまりこの話紀元前の話なのですよね。えっ中国すごくない!?と見直す→当時の日本の文化ってどうなん?弥生時代=字もない→でもキングダムは「史記」に基づいて書かれている→ふむ四大文明に中国文明があるはずだ→我々は普段西暦を使っているが紀元前の方が長い可能性はないか?→そもそも地球って何年前にできて人類は何年前に生まれたの?

つまりキングダムから逆説的にたどっていくと歴史の教科書になるわけなんですよね。

ここまでネット検索したのだから、やはり興味を持つということの大切さがうかがえます。
1から順に教えることが大義ではない……。

そして少し話は逸れますが、日本は文明的に遅れているようですが、戦国時代が来るのも遅い。
つまり文明発達=社会が発展しなければ争いは起きないんです。文明が発達することで食い扶持を養う以上に富があふれ、奪い合い、階層ができ、貧富の差ができる。そしてそれが何を意味するかというと「マズローの欲求5段階説」(心理学)につながる。

やはり物事は一つに収束している……。

って話が逸れまくりましたが、日本独自の教育法「漫画教育」私はアリだと思うんですよね。何でもかんでも大陸の真似事をしていつまで文明開化やっているんだ、日本独自の文化作ってみやがれってやつですよ。

オタク文化っていうのは、ネットが普及した今はある程度認知されてきていますが、日本人の誇るべき好奇心・探求心の表すところだと思います。

キングダムは史記と異なる部分もあり、実際の中国史とは違うかもしれませんが、興味を持つきっかけ、そして記憶力の助けになります。
一度興味が持てれば始皇帝の後(秦の後)の中国(漢)がどうなるのか、とつながっていけるはずです。
私が教育担当大臣なら絶対に推すね。

あと教育に映像作品よりも漫画を押す理由は、文字を読むからです。
これは私だけかもしれませんが、文字を読んだほうが頭に入ってくるんですよね。「しん」「そ」「ぎ」「ちょう」って聞くよりも「秦」「楚」「魏」「趙」という漢字を読む方が頭に入ってくる(記憶に残る)といいますか。
かといって小説や教科書のように文字だけだとイメージが膨らまない
そこでマンガです。キャラクターとストーリーでさらに記憶に焼き付けることができるような気がするんですよね。
私は結構キャラ読みタイプなんですけども、例えば好きなキャラクターや推しキャラクターがいる国の名前は覚えますよね?
強敵・李牧のいる趙、魅力的で強い敵の多い楚=なぜならば国が広く人口も多いから。斎は最も東にあって舌が蛇の王様がいる……とかね。
漫画って本当にバランスのいい教材だと思うんだよな~。

キングダムが「面白い!」とならない理由は展開の致命的すぎる遅さ

中華統一までやるとして作者はいったい何巻で終わらせようとしているんだろうと不思議でならない
そのくらい展開が遅い。

なぜならば1巻で登場するまず第一の敵である(中華どころか秦国内の権力争い)呂不韋との戦いに勝つまでに40巻を要する
あほなのか?
そしてそこから趙を落とすまで60巻。
そしてやっと、やっとですよ、今、魏と同盟を組んで楚をやっているところなんですよ。
しかも趙を落としたものの強敵・李牧は逃がしているんですよね!

40巻までにイライラしたのはとにかく逃がしまくるこの龐煖ですよ。我らが王騎将軍を殺したのでもイラついているうえに、麃公将軍まで殺ってるんですよねこいつ。そのくせいいところでいつも逃げるからムカついてムカついて!!
しかも逃げといて、ちょうどいい時に邪魔をしてくるんですよね!!!そしてこいつは好きになれない。キャラクター的にマジで魅力ゼロ!

私は漫画を面白くするポイントは魅力的な敵キャラにあると思っています。キングダムの作者は本当に敵キャラを魅力的に描く際のが皆無です。はっきりいってクソです。

この龐煖はなんで戦っているのかマジで理解不能でしたが、最終的なその説明が”武神”とかいう変な宗教論でしょ?好きになれるわけないわ!逃げといて武神とか何なんや!
しかも調べたら史実とはかなり異なるキャラ設定の上でこのクソさなのでまじで作者の実力はゼロです。この作品が面白いのは史記が面白いからです。間違いないです。

そして私は確実に敵の息の根を止めたいタイプなのでいちいち敵を逃がす展開がイライラするんですよね。すっきりしない!
そもそも裏切ったやつは即処刑やろ!呂不韋すら生きているってどういうことや!

んで今の時点で李牧逃がしてるからこいつもどうせまた邪魔してくるんじゃろ。まぁWiki読んでると桓騎の邪魔してくるみたいだし、生き延びさせた理由は史実に基づいているだろうけど、それにしてももっとうまい描き方ないかな?
「お前の刃は私に届かない!」とか信に言いながら逃げるのが読んでてマジでイライライライラするんだよね~。
一騎打ちを美化して描写している一方で、李牧が逃げがちな描写は本当に演出下手ですよね。
作者は史記に助けられているだけで、演出もキャラクター作りもストーリーも下手だと思います。

キングダムが好きな人は史記っていう作品が好きなだけだと思います。

漫画(エンタメ)としてのキングダム総評

この引き延ばしのようにすら思えるすっきりしない展開描写とダラダラのテンポの悪さ、正直言って駄作以下。駄作以下だけども面白くしているのは史記のおかげ。これが私の総評です。
そして人気のキャラが出そろい、面白くなるのは25巻あたりからです。辛抱強さが必要です。

ただ、私自身、すこし中国史に詳しくなれたので読んで勉強になる作品だとは思います。なので人にはお勧めできるかな。

好きなキャラは蒙恬(イケメン新将軍)・輪虎(死亡)・荀早(魏軍・凱孟の軍師で河了貂と人質交換された)ですね。
もうすこし荀早を深堀してほしいですね~。いま魏軍来てるから期待できそうですね!(しかしあの展開の遅さではしばらく期待できないか?)
やる気ないタイプが好きなのですが、その性癖がまさに出てますね……熱血キャラの多いキングダムの中で見事全員やる気ないキャラという……。
いや、訂正。やる気ない風に見せかけているけれども実はぶれない軸のあるキャラクターかな。
あと桓騎軍から飛信隊に来た那貴も好きですね~(もはや性癖)

Youtuberヒカルが桓騎好きな理由はなんとなくわかりますね。目的のために手段を択ばないからでしょうね。
私がキングダムがいまいちはまらないのは、主人公である信がバカすぎるから。あとストーリー全体の流れ自体、目的がぶれるからです。
私は、多を救うための小の犠牲が正義だと思っています。それが割り切れないキャラがバカすぎてイライラするんですよね。
信念とかそういうのがないんですよ、私。だから思いとか信念じゃない。理性で戦ってほしいんです。でも本作で、まさに理性で戦っているはずの李牧に魅力を感じられないのでこの作品終わっています……。(こら)

唯一誉めるべきは、王騎将軍は魅力的なキャラクター立てでした。その口調をまねる(しかも強い!)元副官・騰将軍もいいキャラクターだと思います。実際に王騎将軍は序盤で死んだにもかかわらず人気キャラのようですね。
頭もよく、信念もある程度兼ね備えているからだと思います。


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