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たった5回、それだけで。

いつものお花屋さんで、知人の常連さんが編みものをしていた。そうだ、わたしも編みものをする秋にしようと思ってたんだったわ。

こんにちは、こんばんは。くりたまきです。

すてきな毛糸を7月に買って、なかなか編み出せずにいたのだった。でも、目の前で編みものをしているひとを見ると、やりたいという気持ちがむくむくと湧き上がってくる。

今日はあまり体調がよくなかったので、予定をキャンセルしてよく寝て過ごしたのだけれど、夕方になって、あたたかい紅茶を入れて、マフラーを編みはじめた。ちょっと編むと、指が思い出したようにスルスルと動く。

はじめて編みものをしたのは、小学1〜2年生のころだったっけ。それから、たま〜にケーブル模様なんかにチャレンジしたけど、そこまで凝ったことはせずに、ひたすら淡々とマフラーやネックウォーマー、ニット帽をつくってきた。だいたいは誰かにあげてしまったので、手元にはほぼなにも残ってない。

わたしは凝ったものをつくりたいという欲がない。いい毛糸を使って、シンプルなものをつくりたいのだ。

単調で、悩まずサクサク編める編みかたで、没頭したい。これはウォーキングやランニングをしているときの思考と似ているかもしれない。考えているようないないような、時間の過ごしかた。単純で、でもちゃんと前に進んでいる手応え。

マフラーは、だいたい約30センチ弱の短い横幅を一段ずつ編んでいくことで、段が重なってできあがっていく。400〜500段くらい編むと完成だ。この数字は毛糸の太さによっても異なる。太い糸なら、一日でざっくり編める。
500段というと気が遠くなる数字のようだけれど、夢中になって編んでいると、意外とあっという間だったりするのがおもしろいところだ。

基本的な表目と裏目だけで編む、市松模様のような柄のマフラーが、今日からわたしのつくる作品だ。

いちど、試しに5段編んで、すべてほどいた。
少し編み目がゆるくて、模様がうまく映えないと気づいたのだ。縫いものと違って、簡単にほどけてやり直せるのも編みもののいいところ。

ダメだと思ったら、すぐにリセットをするほうがうまくいくときもある。

そしてまた5段編んだ。糸の引きかたを変えながら編むと、なかなかいい感じだった。もっともっと、と気持ちが逸るけれど、我慢。一気にやりすぎると、からだが疲れる。それに、丁寧さが失われてミスもしやすい。わたしみたいな万年初心者はとくに。

それにしても、編みはじめるとあとはスムーズだ。はじめるとき、いちばんパワーが必要になるんだなあ、何事も。

じぶんを知って、リズムをつくって。編みものをはじめたときより、ちょっとは大人な編みかたになったのは、考えかた自体が変わってきているからなのかなあ。

たった、一段を5回、繰り返しただけで。すごい達成感だ。やっぱり編みものには魔法がある。

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