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上手な両思いになれないでいる日々。

毎日のように会う、小学校低学年の子どもたちがいる。もう抱き上げるほど幼くはなくて、でもまだ雛のようなかわいさがある兄妹ふたりだ。その兄妹とわたしは、もう両思いだと思うのだけれど、なんだかちょっと距離があってドギマギしている気がする。

こんにちは、こんばんは。栗田真希です。

子どもたちは、かわいい。だからといって、他人にベタベタかわいがられるのは、本人たちからしたら嫌なんじゃないかという気がして、距離はしっかりめとってきた。頭をなでたり、ヘンにちょっかい出したりしない。クリスマスにお菓子をあげるときは、彼らのお父さんにアレルギー含めどんなものならあげていいか確認して、実にささやかなものを渡した。慎重に、慎重に。かわいがりたいというわたしの勝手な欲望より、彼らの人格を尊重したい。

彼らが小学校から「ただいま〜!」と帰ってきたら「おかえり〜!」というくらい。たまに一緒にお菓子を食べたり、お話したり。あとは近所を一緒に探検させてもらったこともあったっけ。

子どもたちも人見知りというか、PCに向かってることが多いわたしに、どう接したらいいのかわからないように見えていた。

そんなわたしたちだったのですが。

わたしが横浜にひと月ちょっと帰省してリモートワークしているあいだに、兄妹が「くりちゃんはどこ行ったの? いつ帰ってくるの?」とお父さんに聞いてくれてたらしい。やだ、うれしい……。

そして、わたしが波佐見に帰ってきて、久しぶりの対面。

小学校から帰ってきた兄妹は、汗びっしょりのまま階段を駆け上がってきて、「くりちゃん、おかえり!」と言ってくれた。そのきらきらした、よろこびが目に宿った顔を見たら、もう。

近寄って「元気だった?」と尋ねると「うん」と首を振るふたり。「夏休みになったら一緒に遊ぼうね」というと、また首が縦に揺れる。恥ずかしそうに、こめかみの汗を半袖Tシャツのすそで拭う兄。ちらちらと視線を合わせたり外したりしてくる妹。マスクの下でにやにやするわたし。

わたしたち、けっこう両思いじゃないか!!

とはいえ、子どもとの遊び方や距離感がうまくつかめないわたし。もっと仲良くなりたいし、遊びたいし、本をすすめたりもしたい。なんて思いながら、なにもできずにいる。

わたしたち、両思いなんだから。わたしさえ、もうちょっと上手に付き合えたら。

いい大人がそんな葛藤をしているとは思いもしないだろう兄妹は、今日も「ただいま〜」とわたしのところに顔を出す。はあ、かわいいったらありゃしない!

30minutes note No.1043

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