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優しさを抱きしめて



こんばんは、お久しぶりです、じゃないです。



最近は入社前課題をしたり、恋人とビデオ通話でお気に入りのぬいぐるみを見せあったりしていました。それと、大学卒業が確定したり、スタバのバイトを卒業したりもしました。ぜんぶ聞いてほしいんだけど、今日はスタバのバイトの話をします。最後までよろしくね。



私がスタバでアルバイトを始めたのは大学2年の夏なので、約2年半のバイト期間でした。私には大学在学中に色んなアルバイトをしたいという思いがあり、スタバでアルバイトを始めるまでの1年ちょっとの期間で既に、ファミレスのホールやケーキ屋さん、塾講師などのアルバイトを経験しました。



スタバでアルバイトをしようと思ったのは、ファミレスのホールで「あ〜この人自分と同じ好きなアーティストのグッズ持ってる〜〜話しかけたいけど不審だよな〜〜あ〜なんか勝手に色んな人に話しかけても不審じゃないバイトないかな〜」と思ったのがきっかけです。そういえばスタバの店員さんってめっちゃ話しかけてくれるよな〜合法おしゃべりしたいな〜ということで面接に応募、無事合格して今に至ります。



約2年半、ほんとうに早かった。始めて1年で新人バリスタの教育係となり、1年半で時間帯責任者となり、その間に同期は2人辞め、先輩は数えられないほど卒業し、店長は3回変わりました。関わったお客さんの数は数えきれません。それでも、初めてエプロンをつけた日の高揚感を、初めてエスプレッソを飲んだときの余韻を、初めてお客さんに「ありがとう」と言ってもらったときの感動を、今でも確かに思い出すことができます。



私を育ててくれた先輩は何人もいて、私を慕ってくれた後輩もたくさんで、私を助けてくれた同期もいて。一緒に働くPTRに恵まれた2年半でした。入社時は捻くれていたので「パートナーって(笑)」と思っていたのですが、今では数々のピンチと喜びを共有してきた存在のことを、パートナーと言わずになんと言っていいかわかりません。スタバらしい宗教に染まっているだけだと言われればそれまでですが、私はスタバという宗教にハマれて幸せだったし、幾度となく救われました。



皆、それぞれの背景があって、私自身もとても働きたい気分ではない時もあったけれど、それでもお店に行けば名前を呼んでくれて、頼ってくれて、褒めてくれて、他愛もない話をしてくれて、何度も何度も、優しくしてもらいました。私自身は根っからの優しさなんか持っていなくて、それなのに皆は無償の愛とも近い優しさを惜しげなく注いでくれて、溢れそうなくらいだったけれど、全部ぜんぶ飲み込みたくて、何度も何度も抱きしめなおした。面倒くさがらずにどんな小さなことも教えてくれて、どんな状況でも助けてくれて、どんな小さな成功も見つけてくれて、こんなにも私のことを大切にしてくれる人がいること、大袈裟だけど大袈裟じゃなく、世界って美しいなと思ってしまうほどだった。




PTRだけでなく、お客さんのことも大好きだった。GWのピーク時、ウエディング関係のお仕事をされているというお客さんから「疲れていたのでスタバに来たけど、お姉さんにとっても癒されました。お名前聞いてもいいですか?」と言ってもらえたとき、思わず泣いてしまいそうだった。常連のお客さんが私がカップに書いたメッセージをいつもストーリーに載せていると教えてくれたとき、もっと絵も字も練習しようと思えた。東京から旅行で来ていたお客さんが「旅行先のスタバのお姉さんありがとう」とわざわざあとから連絡をくれたとき、自分が喜ぶことで相手を喜ばせることができることを知った。たくさんの常連さんの顔を見るたびに安心した。嬉しかった。何度も何度も言ってしまうけれど、ほんとうに毎日楽しくて、嬉しいことばかりだった。




最終日の今日、寂しくて泣いてしまうかと思ったけれど、お店では一滴の涙も出なかった。後輩が「さっきのお客さん、レジのお姉さんが優しい接客してくれて嬉しかったって言ってましたよ」と伝言してくれたときが、初めて泣きそうになった瞬間だった。PTRのことよりもお客さんのことを思って泣いてしまうのは、きっとPTRにはまた会えるという自信があるからだと思う。




私には勿体無いくらいの優しさを、褒め言葉を、愛を、居場所を、関わったすべてのPTRとお客さんからもらった2年半でした。この2年半があったから、きっとこの先も他者との関わりに希望を見出せる自信がある。もらった優しさを抱きしめて、誰かを優しさで抱きしめられるようになりたい。スターバックスはきっとすべての人の居場所になり得るから、寂しさばかりを見つめずに、また別のお店でも居場所を見つけられたらいいな。大好きです、ありがとう、大好きです。またね。



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