見出し画像

閉園したその後。倉敷チボリ公園の場合。

1997年(平成9年)、旧倉敷紡績(クラボウ)倉敷工場跡地に開園。デンマークのコペンハーゲンにある世界最古のテーマパークで、数々の童話を世に送り出したハンス・クリスチャン・アンデルセンが頻繁に訪れたことでも知られる「チボリ公園」をモデルとしており、園内にはデンマークやアンデルセンをイメージしたアトラクションや庭園、ショップ、レストラン、劇場などが点在していた。

wikipediaより

妄想の王国

遠くにあってなかなか行ける機会はないけども、いつかは行きたい。と思っていた遊園地は東京ディズニーランドではなく、倉敷チボリ公園でした。

写真で見た時計塔がいかにもおとぎ話に出てくる王国の広場にある時計塔に見えたんですね。似たイメージを喚起させるものはディズニーランドのシンデレラ城にもある訳ですが、あちらはディズニーの世界を忠実に再現するあまり「現実にはどこにもない、自分の頭の中にだけあるどこかの王国」の実体化にはなっていないんですね。もちろんディズニーワールドが大好きな人にとってはシンデレラ城に対して一切不満はないと思うのですけど。

デンマークに実在する本家チボリ公園がモデル。という点も、完全に子供向け(というイメージのある)のディズニーランドより格上なイメージでした。何となく中世に王様の手で作られた宮廷庭園が今でも王国の財産として国民の手で守り続けられている。というイメージだったわけです。実際には違ったわけですけど。

現実はそんな自分勝手な妄想とは関係なく、東京ディズニーランドを始めとした大規模テーマパークの人気は絶大で、倉敷チボリ公園もその他多数の昭和の遊園地と共に消えていったのでした。

時計塔は残った

前回お話したみさき公園の閉園が決定的となったある日。あのチボリ公園の跡地は「倉敷みらい公園」という市民公園になっていて、遊園地だったころの様々なアトラクションは撤去されているものの、あの時計塔は今でも残っていると知りました。

それもかつては入場料の必要な遊園地の中だったのが、今では誰でも自由に出入りできる都市公園となり、そこに行きさえすればいつでも誰でも見ることが出来るとのこと。

ある意味、かつて妄想した王国の広場の時計塔により近い存在になったと言えないもない・・・と言う事で、何とか時間と交通手段を確保していってみることにしました。

実際に倉敷駅北口から外に出たとたん「どこにもない何処かの王国にようこそ」という感じで堂々と聳え立っていて、長年妄想していたものが目の前に実体化したと、ある意味感動していました。これで、どこかの侍従兵が「勇者よ。王様がお待ちです」とか声をかけてくれたら完璧だったんだが・・・

時代に合わせて生まれ変わった姿かも

wikiによると営業当時から、遊園地の運営には様々な議論が飛び交っていたようです。入場者が低迷したころ、デンマークとは関係ないたこ焼き屋台を出してみたり、演歌歌手のイベントを打ち出したりする頃にはデンマーク要素は何のため?という有様になっていたようです。

今の倉敷は白壁の建物が立ち並ぶ美観地区が有名ですが、こちらは倉敷の歴史に根差した存在で、これが倉敷にあることに違和感はないでしょう。

一方で倉敷チボリ公園はハワイ旅行があこがれだった昭和世代が常識的に融通できる時間と旅費でヨーロッパ旅行の気分を味わえる場所だったのではないでしょうか。その意味では倉敷とは直接的な繋がりはなく、昭和が遠ざかるにしたがって生き残れなくなっていったのもやむえないのかなと思います。

だた、今でも自分のように変な思い入れを抱いてやってくる人間を呼び寄せる程度の観光資源にはなっている訳で、昭和の時代にはなんだかんだ言っても海外旅行があこがれだったという歴史を語る存在としてこれからも残していってほしいなと思うのです。

ちなみに今回は、時間がなさ過ぎて白壁の美観地区には行ってませんw

この記事が参加している募集

カメラのたのしみ方

一度は行きたいあの場所

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?