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趣味なら本気で

というキメ台詞の渡辺謙のCMがあったのを覚えている方いますでしょうか。確か何種類かあったはずなんだけど、Youtubeをあさってみたらこれしか見つからなかった。渡辺謙ピンチすぎだろ。あと追いかけてきた悪者。謙にカメラ向けられたからってポーズとるなw


マニュアルフォーカスしかできない200万のカメラ

冒頭の渡辺謙のCMを探してYoutube界隈をうろついていると最近有名人の皆さんが「ライカを買った」という動画に当たることが軒並みありました。みんな念願の一台をついに手に入れた様子が感じられて嬉しそうです。

皆さんの「ライカの良いところ」として色々語ってらっしゃるのですが、衝撃を受けるのが200万円もする高価なカメラであるにも関わらずマニュアルフォーカスしか出来ないらしい。という事です。
(正直に言うとライカを触ったことすらないので本当かどうか確かめようがありません。ひらにご容赦を)

日本のメーカーがマニュアルフォーカスしか出来ないカメラを200万円で発売してもまず採算が取れなくてほどなく生産終了になってしまうでしょう。ライカの一番素晴らしい点はこの日本のメーカーでは到底通用しないカメラ作りをやってちゃんと通用して、メーカーを維持できている。という点のように思います。

スパイカメラと言われた頃。日本製の一眼レフに敗れた頃

歴史的に見れば、ライカは35mmフィルムを使用する今日のフィルムカメラ仕組みを作り上げたといっても過言ではないでしょう。ライカ登場以前、1900年代初頭はまだガラスを使った写真乾板を木製の暗箱に取り付けて写真を撮るというもので、頑丈で重い三脚に取り付けられたカメラは容易に持ち運べるような代物ではありませんでした。

そんな時代に手にもって自由に動き回りながら写真が撮れるようになり、また元々映画用として連続して写真を撮影できるようになっていたセルロイドのテープ状のフィルムを改造して使用することである程度連続して写真を撮れるライカは革命的なカメラだった訳ですが、当時はガラス乾板の写真の方が画質的にも優れていて、口の悪い写真家の中には、「小さいだけが取り柄のスパイカメラだ」と言われていたようです。

これ対してライカは高性能なレンズを開発することで対応。さらに、ピントの調整機構としてレンジファインダー機構をカメラに搭載することで次第に優れたカメラとしての地位を確立していき、フィルム時代の傑作と言われるライカM3が登場するころには日本のメーカーがその工作精度のあまりの高さゆえに模倣品を作ることが出来なかったとまで言われるある意味伝説のカメラになりました。

ライカM3
Rama Wikipedia CC BY-SA 2.0 FR

その後、日本のメーカーはライカのフォロワーとなるレンジファインダーカメラではなく一眼レフカメラの製造を始めると次第にレンジファインダーの構造的な欠点(レンズキャップの撮り忘れが起きる事やパララックスの問題など)を覆すことが出来ずにメーカーの経営は傾き始め、一時期は品質管理体制が疑われるような不良品の乱造やどの工場で作られているのか判然としないなどといったひどい状態まで追い詰められますが、見事に復活を果たして今に至るという状況であります。

ポルシェと軽トラ

ライカの紹介動画をいくつか見て、ライカを持ってない自分がライカのどこがよいのか想像するに、マニュアルのスポーツカーを操る楽しさに通じるところがあるのかな思いました。

動体予測AFとか瞳AFとかがある時代にあえてマニュアルでフォーカスを合わせるのはマニュアルギアで、金属のギアを自らの筋肉の力で、それも足を使ってクラッチを切り、手と腕を使うという全身運動になることでただの機械であるはずの車が自らの肉体の一部になったように感じられるのに似ているのかもしれません。

現在は車の中でも、そのようなマニュアルギアの車はほとんど見なくなりましが、スポーツカーなどは今でもマニュアルギアが主力車種になっていたりします。そして、概してその手のメーカー。特にポルシェ(これもドイツだ)海外ブランドのスポーツカーメーカーはありえないほど高価な車になっています。

しかし、そんなお金のない一般庶民であってマニュアル車でのドライブを楽しめる車がいくつかあります。軽自動車の商用車タイプ。特に軽トラは今でもマニュアル車の設定が多く、お金をかけなくてもマニュアル車のドライブが楽しめるようになっています。

スポーツカーと軽トラじゃ違うだろと言われそうですが、絶対的なスピードや乗り心地に目をつぶれば意外と多くの車好きの人たちが軽トラの運転が楽しいを言っていたりするので、日本の自動車メーカーの底力を感じます。

一説によると、一般的な人の感覚では車の操作を楽しめる限界の速度は100km/h前後であると言われています(ソース。なし)

そのため、軽トラであってもマニュアルギアの操作が楽しむ障害にはならない、何なら100km/h近辺のスピードしか出ない軽トラのドライブの方が楽しいかもしれません。

カメラでもライカに匹敵する、マニュアルフォーカスが楽しい日本製のカメラが登場することを願いたいのですがライカほどのブランド力に乏しい日本メーカーには難しいのでしょうか。

古いやり方でも人間の感覚に合っているから楽しめると言う意味ではAFはついているものの、あまり精度は高くないので結局最終的な調整はマニュアルに頼ってしまうことが多い600万画素機は意外と安くてもライカと同等の楽しみがあるかもしれない。という我田引水な結論を出したところで、お後の用意がよろしいようで・・・

Fujifilm Finepix S2 pro
フィルムカメラのNikon F80にデジタルバックを取り付けただけという構成のこの600万画素機はライカと同質の楽しさを備えている!と思うことにしようw


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