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台湾。そしてパレスチナ、日本人であると言うこと。2024/04/03

2021年に台湾の土地に降り立ったその日から私の人生は既に決定づけられていたのだ。と思うほどに私の人生の思考の旅は長く、とても重いものとなっていた。2022年にロシアがウクライナに侵略し世界の均衡が破られた。いや破られたという言い方は国際政治の均衡論に基づいている歪んだ見方であるかもしれない。もともとウクライナを始めとする弱小共同体、周縁に位置する国々はそういった均衡論に長く苦しめられてきたのだ。沖縄、香港、ウクライナ、台湾。国際政治学では決して論じられない周縁に生きる民。呉叡人はそれを賤民の思想と呼んだが、まさに私の大学生活は賤民と呼ばれる者のそう生きざるを得ない者の人生をずっと考えてきたのである。


2023年ハマスがイスラエルへ爆撃テロを起こした。というニュースが飛び込む。愚かな私はこの重大さを一ミリも理解することができなかった。だからこそ学ぼうと思った。そしてパレスチナ人の歴史を学べば学ぶほど帝国や世界史の論理に押し込まれ、自らの土地を略奪された民がいたことの衝撃を受けた。いや、私はこの構造を台湾で見ていたのだ。そして既に、

日本の植民地支配が終わり、中華民国が台湾を占領し再び植民地支配を始め、(抑圧者が抑圧者の都合のいいように都市を改変するのはすべて植民地主義である。)日本、アメリカ、中国、帝国の欲望を一気に引き受ける事となったこの島を私は知らなくてはならない。

と台湾という島で既に様々な人と出会い思考の旅に出発していたのだ。


呉がその著書フォルモサイデオロギーの中でエドワード・サイードの「パレスチナ人の存在を証明することだ」という一節を引用しアイデンティティを模索した過去の自分を振り返った。呉やサイードが苦難の中なら(まさに砂漠から一粒のゴマをみつけるように!)紡ぎ出したその言葉に私はどのように応答せねばならないだろうか。植民地側にいる私。そんな私は何を考え、どのような行動をとらないといけないだろうか。ここに一つの確信がある。台湾、パレスチナ、香港、ウクライナ、沖縄。抑圧されたすべての土地で苦界浄土で石牟礼道子が名付けたような悶え神となり、日本の植民地主義を徹底的に否定し、戦争と植民地主義、差別を否定していく。そしてすべての帝国主義に反対し抑圧と、拡張を続ける大国に反対する。幸いな事にこの門戸は植民地主義が始まった500年前から開いていたのである。


私は植民地主義者とは相手をフレームに押し込めて、人々の魂の自由な創発徹底的に否定する人と定義する。私は知ってしまったのだ。この責任の重さと一生涯付き合って生きていく義務がある。

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