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夜といえばindigo la End。「夜行秘密」リリースに寄せて01

店着日とリリース日は心が落ち着かない。
まるで遠足の前の日の幼稚園児。
いくつになってもこれは直らなくて、でもいくつになっても心躍る瞬間があるというのはありがたいことでもあり嬉しくもあるなぁと思う。

リリース日の0時すぎ、indogo la Endの新アルバム「夜行秘密」の配信がスタートしてすぐにiPhoneの通知が鳴った。
ベースの後鳥さんのツイートだった。

みんなと一緒に演奏できる喜びも、悔しかったことも、辛かったことも、楽しかったことも全部入ってます。
まずは何も考えず沢山聞いてお気に入りの曲を見つけてください。
「夜行秘密」末永く愛して頂けたら幸いです。

「喜び」「悔しかった」「辛かった」「楽しかった」。
感情の羅列を見て、ふとライブで見た光景やindigo la Endというバンドが歩んできた道のりを思い出した。
同時にこのアルバムが「涼しくなる頃に」出る予定だったことを思い出した。

そして「あぁ、本当に心を込めて作ったアルバムなんだな」と思った。
ライブパフォーマンスとかMCとか、表に見える「熱さ」はないけど、どの曲もプライドや情熱をもって生み出されたのは曲を聞けば分かること。
手を抜いて作った作品なんて一つもないのは分かってる。
でも今回は特に心と魂を込めて作ったんだと感じた。

そんな手塩にかけた大切な曲が、当然のように届くことが本当に嬉しい。
「現時点の最高傑作」である「夜行秘密」を聞いた感想を書く。

1.夜行

この曲が「夜行秘密」の中で一番好きかもしれない。
イントロがいかにもindogo la End。
「あ、indogoだ」って安心するようなイントロ。

「行かないで 行かないで」って強くて短い言葉をサビに持ってくるものだから、インパクトがとても大きい。
indogoの曲では珍しい気がする。
詩的な長い文じゃなくて短い強い言葉を使うの、「さよならベル」の「Good bye Good night」くらいじゃないかな。
歌いやすい音程なのもあって「行かないで 行かないで」って思わず口ずさんじゃう。
「行かないで 行かないで 夜行で駆け落ちたいよ」のリズムが心地良い。
あと、ボーカルもギターもベースもドラムもピアノもコーラスも、みんな「いる」とわかる感じも好きだ。

最後に「夜行秘密 一人で握った」という歌詞があるけど、一曲目の最後にアルバムのタイトルを入れることで、「夜行」としても、「夜行秘密というアルバムの最初の曲」としても成り立っている。
ライブでの歌う順番やシーンによって、別の役割を持つ曲になるなと思った。
たとえば、夜行秘密のリリースツアーの一曲目で演奏するなら「これからそういうコンセプトのライブが始まるんだな」と感じるだろうし、セットリストの中盤で演奏したら「夜行」として聞くことができる。

つくづく思うけど、絵音さんのボーカルずるいよなぁ。
「でも」の歌い方が泣けるくらいに切ない。
この曲素敵なところがありすぎて永遠に語っていられる気がする。

2.夜風とハヤブサ

一足先に配信でリリースされた子。
キーボードとバイオリンが良い仕事しすぎ。
あと高音?裏声?が良い味出しますな~って感じ。
はじめて聞いた時、「にわか事の馬鹿野郎」とか「夏の数だけ恋があるなんて許せない」とか、感情をストレートに表現する感じがindigoっぽくないなと思った。
でも聞けば聞くほどindigo la Endだし、聞けば聞くほど虜になるスルメ曲。

「夜風にあたるよ わたしはロンリー」とあるように、夜風に吹かれながら散歩するときに聞くと良いよ。

3.華にブルー

イントロのアコギで花びらが舞っている様子、ろうそくを消すような「ふぅー」という音でその花びらをタバコの煙で遠くへ吹く様子が頭に浮かんだ。
音だけで景色を連想させるindigo la Endさすがすぎません?

「華にブルー」は「夜行秘密」の中で一番indigo la Endらしいなと感じた曲。
爽やかさやだけじゃなくて切なさも感じるアコギはindigoの得意分野だ(と思っている)し、「花傘」に似た歌謡曲っぽさは最近のindigoを連想させる。
そして何よりこの歌詞。

もしも時が巻き戻って 違う人と出会っても
こんな苦みは味わえない やっぱあなただけ

「もしも時が巻き戻って 違う人と出会っても」ときたら普通は「あなたを忘れない」みたいな歌詞が来るんじゃないの?
綺麗にまとめたり良い思い出にしたりするんじゃなくて、「こんな苦みは味わえない」って最後まで悲しいところがindigoの世界だなと鳥肌。

そしてこれも「夜行」と同じく、サビのメロディーがすごく頭に残る。
「華にブルー 切なく愛す なんだかんだちょうどいいの」って口ずさんだときの気持ち良さがいい。

4.チューリップ

これは去年のファンクラブ限定ライブで初めて聞いたんだよね。
あれからもう一年経つと考えると、時の流れは速いなぁと思う。

ライブの後にチューリップもらった。
つやつやの黄色いチューリップ。

チューリップって色によって花言葉が違うらしくて、この曲は色とか花言葉に沿って歌詞が書かれてるみたいなのをどこかで見た気がする。
歌詞を見ると確かに「赤かった2人は」「雪に混じり合った」「色を変えたあなた」「やけに青白くて」とか、色に関係する歌詞がたくさん出てくる。

一番の「染まり切った私」と二番の「色を変えたあなた」で「私」と「あなた」の対比になってるんだけど、だんだん二人の心がすれ違ったり離れていったりする感じがとても切ない。

過去にならなきゃ2番目でも構わないって
口を開こうとしたけど
閉じてしまったものは もう戻れなくて

特にこの歌詞。
「私」がなんとしてでも「あなた」にすがりつこうとしている絵が浮かんでしまって。

サビで「さよならが もうどうにもならないなら せめて私を寒くなさって」とあるように、頭ではさよならを告げなきゃいけないことを分かってるのに、どうしても感情がついていかない感じが表現されていてただただ切ない。
切ないしか言ってないけど、この曲は本当に切ない。

春をイメージさせるチューリップで、ここまで悲しい曲をかける感性が素敵だなぁ。
失恋したときに聞いたらボロッボロに泣いてしまいそう。

いったん終わり。続きはそのうち。
全曲書ききれるかなぁ。(たぶん続かない)

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