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何年経っても、だいすきなLIVE HOLIC

大学3年の春、初めてLIVE HOLICというイベントに行った。
「総集編」と名付けられたこのイベントは2日間にわたって開催された。
本来LIVE HOLICは対バンイベントで、総集編では過去この対バンイベントに出演したバンドが一堂に会してイベントが行われた。
見たいバンドが1日にまとまるなんてことは起きず、「新しい出会いがあるかも」と2日間の通しチケットを迷いなく買った。

1日目は3月11日。
今でも覚えているのは、大好きなTHE ORAL CIGARETTESのステージ。
最後に大好きな「リコリス」という曲を演奏してくれた。
どんな想いで作られた曲なのか知ったときから、ずっとわたしのそばにある曲だ。
曲の最後、「あぁもう明日なんて いらない」と歌った後に「なんて、言わないで」と付け加えて歌ってくれた。

2日目の3月20日はUNISON SQUARE GARDENがありえないほど楽しかった。
それしか覚えてないけど、それくらい楽しかったんだろうな。
2日間音楽を飽きるほど浴びて、まさに音楽の虜にになった2日間だった。

次に参加したのは翌年2019年の幕張メッセでの「LIVE HOLIC extra」。
LIVE HOLIC5周年を記念した公演だったらしい。
名前からしてやばそう。実際やばかった。
このときは04 Limited Sazabysに泣かされた。

仕事を辞めることを決意した。
自分で納得して決めたはずなのに、一緒に頑張ってきた同期の顔がいつも頭に浮かんで、「これで良かったのかな、正しい決断だったのかな」と気持ちが揺らいでた時期だった。
だから、GENさん自ら「再会の歌」と言う「Terminal」を聞いたときに感極まってしまった。
そのあとに演奏した「Squall」はフォーリミの中で一番思い入れのある曲だった。
「何度でも、何度でも、自分自身に生まれ変われ。『Squall』」
Squallを演奏する前にGENさんが必ずこの前振りを入れる。
できる、変われる、なりたい自分になれる。
何回も何十回も、聞くたびに背中を強く押された曲。
自分のいろいろなタイミングと重なって、LIVE HOLICで聞いたときは感情がぐっちゃぐちゃだった。

思い返してみると、LIVE HOLICにはたくさんの思い出がある。
そして2月23日、3回目?4回目?のLIVE HOLICに行ってきた。

複数バンドが出演するライブに行ったのはいつぶりだろう。
会場は新木場スタジオコースト。
XIIX、緑黄色社会、ACIDMANを見てきた。
17時スタート、20時前には終演。
丸1日かけてお祭りのように開催される「音楽フェス」と比べると、だいぶ小規模なイベントだ。
仕方がないと分かっていても「ちょっと物足りないな」と思ってしまうのは勘弁してほしい。

ワンマンライブが全く当たらないXIIXをとにかく見たくてチケットを取った。
音源で聞いていたよりも音圧がすごくて圧倒された。
音からお香の良い香りがが漂ってきそうなくらい、イケてるバンドだった。

そもそもXIIXを知ったのは、ユニゾンのギターボーカル斎藤宏介が新しくバンドを始めたという経緯だ。
ユニゾンは基本田淵が作詞作曲してて、1回では聞き取れず読むのも難解な日本語が出てきたり、元からある言葉なのか自分で作ったのか、それどこの言葉?と思わず首をひねるカタカナが出てきたりする。かと思えば17歳の女子高生が書いたのかと思うようなピュアピュアな恋愛ソングもある。「なんか田淵っぽい」というアイデインティティというかオリジナリティを確立させてて、奇才だと感じさせる。その超絶ハイトーン演奏難しソングをしれっと弾いて歌ってませるものだから、ユニゾンを見ると超絶ハイスペックギターボーカルだなーって感じがする。(努力の天才ですごく負けず嫌いだから練習頑張ってるってのも知ってるけど)

ユニゾンの斎藤さんをしった上でXIIXの曲(と、ユニゾンのスカースデイル)を聞いて思うのは、斎藤さんがとても優しくて繊細で、それゆえにダークな一面や危うい部分も持ち合わせてる人なんだろうなということ。少なくとも、そういう人たちがいることを知ってるんだろうな、ということ。
田淵節を高い技術力で歌って弾くのがユニゾンの斎藤さん、伝わる言葉で歌詞を紡いでいくのがXIIXの斎藤さん、というイメージかしら。

須藤さんは舞台映えする人だなぁ。
背が高くて手足が長いから、一つの動作に迫力があるというか。
柄の長いベースを持っていても様になる。
ゴリゴリのベースがとっても良かった。かっこいい。ベーシスト最高。
齋藤さんが須藤さん以外のメンバー紹介をしているときに、しゃがんで邪魔しないようにしていたのが優しさ丸出しだったしお茶目だった。
齋藤さん、キーボード、ドラム、DJ、ベースの順で紹介して、最後に「ギター、俺~~~」って言ってバチバチにソロ弾くの惚れました。
自分のスペックの高さと顔の良さを知ってやってるんだろうな。顔がいいだけに、憎いけど憎みきれない。

ヒロアカのエンディングで存在を知った緑黄色社会は、いつか見てみたいと思っていた。
こんなに早く見られるなんてラッキー。

YouTubeの THE FIRST TAKEを聞いて分かるように、ボーカル長屋さんの歌唱力が半端ない。
それはもちろん知ってたんだけど、生でその歌を聞いたら本当にすごかった。
音楽はなまものってたぶん、この人のための言葉。
しかもただ歌が上手いんじゃなくて、「天城越え」をめちゃくちゃ上手に歌えそうな上手さ(?)なんだよね。

専門的なことはあまり分からないので感覚になるけど、演歌で言うこぶしやカラオケの採点にあるビブラート、フォールのような表現力がすごく上手いと思った。
裏声が裏声じゃない感じも凄かった。
裏声ってなんかこう、「引いて出す」イメージがあるんだけど、長屋さんは裏声も「押す」イメージ。
声量が減ることなく、ぐいぐい押す感じで歌うから本当に圧倒された。

一曲目が大好きな「Shout Baby」で、とにかく歌声に圧倒された。
空いた口か塞がらなかった。
すごくエモーショナルな歌い方をする方なんだなぁと生歌を聞いて思った。
ギターの柄の部分をギュッと胸元に抱き寄せて歌う姿が印象的だった。

水彩画みたいなワンピースをひらひらさせながらハンドマイクでステージ上を歩く姿がすごく絵になる。
キラキラしていて一挙手一投足に目を奪われてしまう。
存在感がカリスマというか、そういう星の元に生まれた人なんだろうなという感じだ。
ちなみに彼女は盛り上げ方もとっても上手である。
席が良かったのでしっかりお顔も拝見したけど、顔ちっちゃ。
華奢な身体のどこからあんな声が出るんだ。

最後のACIDMANはゴリゴリのロックサウンドが格好良かった。
XIIXはDJまでいるし、緑黄色社会もキーボードの方がいるので、ギター、ベース、ドラムの音しかないのが新鮮に感じた。
鳩尾にバスドラが響くのがなんか懐かしく感じた。
生の音って、生のロックってこれだよなと思い出した感じ。

渋谷で、大木さんが監修したACIDMANコラボのプラネタリウムを見たことがある。
星を見ながらACIDMANの音楽を聞けるという、超絶贅沢プログラムだ。
その時はプラネタリウムということもあって、バラードっぽい曲が多かった。
今回のセットリストはゴリゴリの曲が多めで、プラネタリウムの時の記憶とのギャップがすごかった。
歴が長いのもあるだろうけど、どっしりとした姿に貫禄のようなものを感じた。
格好良かった、というより痺れたの方が正しいかも。

久しぶりにワンマン以外のライブに行った。
知らない曲でも、その場の音に身を任せて楽しめるのは最高だ。
音楽を鳴らす場所が悪者にされつつある昨今、少しずつでもイベントができるようになりますように。

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