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季節と調和する

5月といいますと、春というよりは夏の要素が増えてくる。
初夏・梅雨という季節になります。
湿気が下がり、何となく湿度の影響を受けているお身体に出会うことが増えてきました。

初夏・梅雨の身体を考える。 
われわれ整体の人間は季節と身体を照らし合わせて考えています。

春には春の身体、夏に夏の身体があります。
季節性の病。季節性の感染症が流行るなどいうこともあります。

おもしろいもので「この人は毎年この時期になると腰痛で来るなぁ」ということがあります。
当の本人は痛みが治まるとケロッとしていますので、忘れたころに又痛くなってやってきます。
「先生、腰を痛めてしまって」などと申していますが、昨年の記録に残っています。

多くの方が抱えている腰痛さえも、季節の影響を受けているようです。

季節とともに、お身体を調整していくとき、私たち整体の人間が一番に考えるのはリズムです。

私たち人間にはリズムがあります。
たとえば心臓の拍動もリズムのひとつと言えます。
心臓の拍動のリズムが途切れると困る。心臓のリズムの不整は不整脈と言われます。不整脈が続くと心臓に負担がかかり、ひどいと心筋梗塞になる。
心筋梗塞は心臓がはたらきを止めてしまう病気。
リズムが無くなったということです。

息の吸い吐きもリズムと言えます。
私たちは日々、無自覚に吸ったり吐いたりしながら調子をとっています。

ジョギングやマラソンをなさる方は、呼吸の吸い吐きでリズムをとります。
ジョギングを欠かさないという知人に聞くと、鼻から吸って吸って、吐いて吐いてのリズムで走ると調子がいいそうです。
2回吸って2回吐く。個人差があるようですが、知人はそのリズムがいいという。それでもその呼吸のリズムはジョギングをしている間に限るそうです。朝ごはんを食べている時や通勤の電車の中ではしていないらしい。
その場その場で適った息の使い方があるのでしょう。とにかく私たちは吸ったり吐いたりしながらリズムをとっています。

ゆったりとした息をしている人は、泰然としている風に見えますが、息が乱れている人は、何だか慌てているように見えます。

リズムによって人から見られる印象が変わりますし、その場に適したリズムというのがある。

心臓の拍動や息の吸い吐きだけでなく、季節と身体は同じ旋律をうたっているようにも感じます。

たとえば春のリズムというのは、どんどん緩まっていくというのが大事です。
ゆっくりとゆったりとしたリズムです。まるで蝶々が花から花へと移っていくような印象です。

ところが夏になると逆になります。
ゆっくりからはじまり、だんだん早くなるのが初夏・梅雨のリズムです。

初夏・梅雨のこの季節。
運動をするにも最初は緩慢な動きからはじめるのがよい。
緩慢な動きからはじめるのだけれども、だんだんと速度を上げていきます。
速度を上げていき、最後にはピタッと一点集中するのがよい。

それが初夏・梅雨のリズムです。

冬が過ぎ、春が過ぎ、初夏・梅雨になって気温が暖かくなってきますと、急激に運動をし出す人がいらっしゃいます。
だいたいそういう人は身体を壊す。
「先生、最近身体がだるいのは運動不足だと思うんですよね」などという人は、だいたい身体を壊す。
足が痛い、腰が痛い、捻挫した、坐骨神経痛になった・・・いろいろです。
それも風物詩となると笑えません。

暖かくなったからといって、急に早くて強い運動してはいけません。
緩慢な運動からはじめて、徐々に徐々に速度や強度を上げていく。
それが季節に適ったリズムです。

運動だけではなく、お仕事も趣味活動も同じこと。
急に激しく根を詰めてやりだすと、壊れます。

季節のリズムというのは興味深いものですね。



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