イトウと熊
GWは水族館行きたい
高校生の頃、なぜか無性に鮫が見たくなり、
親にこう提案した
親は「わかった」とだけ言った
そして当日、車を走らせること数時間
着いたのは、淡水魚のみ展示されている水族館であった
淡水魚と運営側にだいぶ失礼だが、
は?
そんな水族館存在すんのかよ?
と思った
え?鮫は?
当時高校生だったが、情緒はぜんぜん赤ちゃんなので、鮫が見たかった私は「淡水魚しかいない水族館」でかなり不機嫌になった
は?
鮫は?
一生そんなことを思っていた気がする
鮫など居ない。
そもそも、そんなにデカい魚は保有していません。
みたいな大きさの建物だった
その佇まいも、当時の私を苛つかせた
GWだからか、淡水魚しかいない水族館でも割と行列ができていたので(失礼)、しぶしぶ並んでいた
ずっと「は?」の顔をしながら並んでいた
親は「結構にぎわってるね♪」みたいな感じで、殺伐とした私に構わず、淡水魚しかいない水族館楽しみ♪オーラを出していた
車を出してくれてるのは親だし、そもそも行きたい水族館をちゃんと伝えてなかった(気がする)私にも落ち度はあるし、とか思いながらなんとか自分を宥めて入館し、死んだ目で淡水魚を眺めた
さて
淡水魚にも、メチャクチャでかい魚が存在するのをご存じだろうか
イトウである
父が釣り好きなので、イトウの凄さは噂程度になんとなく知っていたが、
実際にみてみると、
イトウ、クソデカ。であった
イトウ…お前本物か?(本物)と疑うぐらいでかかったので脳内処理が追いつかず、私の思考はリセットされ、イトウで機嫌が直ってしまった
イトウと写真撮影もした
イトウ、でかっ…
家族みんなのきもちはひとつになった
鮫が見たくて半ギレだった女子高生の機嫌を直すイトウ、もうかなり好きである
イトウでかかったー!と言いながら退館し、次に連れていかれたのはまさかの熊牧場みたいなところだった
時に親は、バラエティに富んだ行程を企画する
熊、でかっ…
あんなに悪かった機嫌も、帰る頃にはもうすっかり直っていた
イトウも熊も、でかかった。
🐟🐻
まとめ
不機嫌な子供にはとりあえず大きなものを見せるとあっさりごきげんになるかもしれません
おわり
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