幾重にも重なった繊細な層がきれい割れ、ふくよかな丸身を帯びた焼き菓子。一口食べて、パイ皮の健全さに驚く。

ミルフィーユほどしっとり厚くなく、名だたるフランスのパン屋日本店のクロワッサンほどパリパリ薄いわけでもなく、ほのかに効いた塩味が中身の餡と餅を引き立てる。

餅がうまいのだ。

試しにと、乾燥した冬場の時期、個包装のまま5日おいてみた。パイ皮のハリはそのまま、若干柔らかくなった程度。餅もちょっと固いかなというくらいで、おいしさは出来立てから日数分ひいてちょうどだ。

聞けば、餅屋さんがつくっているという。お嫁さんが洋菓子の職人、パテシエという情報で、パイ皮がうまいのも納得。いや、並の洋菓子店のパイ皮より断然おいしいと、一人絶賛中だ。

高松にある「サンクラッケ」に入荷するのは、火曜日の11時前後。この時間帯をねらって、買い占めたことも度々。予約しておけば確実なのに、店長に「買い占めてもいい？」などと聞きながら買うのだから、楽しみに待っていたお客さん、ごめんなさい。

月に一度、東京へ行く際のおみやげにしたこともある。半年ぐらい前、ANAの機内誌にこのお店がとりあげられていて、ええー！と大興奮した。紹介されていた品は、このお店の主力商品。私の大好物はちらっとも出ていなかった。

金比羅に行くなら、本店で買いたいとずっと思っていた。お店を探すまでもなく、ＪＲ琴平駅の前に支店があった。本店は、参道へ続くメイン道路と並行した路地にある。

浪花堂餅店　パイまんじゅう　1個130円　

■追記…2016-9-24　土曜日の13時、本店はなにもかもが売り切れ。「この前、テレビにでたんじゃがな。電話くれとったら、のけておくけん」とショップカードをしっかり握らされました。【電話】0877-75-5199【営業時間】８：30～売り切れ次第　【定休日】９、19、20（土日祝日の場合は営業）【住所】〒766-0001　香川県仲多度郡琴平町603-3