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檸檬を瓶に詰める

長きに渡るレモン活動も実は先日、幕引きを迎えていた。ここまで焼き菓子やカレー、はたまたオーソドックスに唐揚げのお供なんかに使っては生活に豊かさをもたらしてくれた和歌山のレモンたち。最後は一気に10個近く消費した。


レモンジャムを作る

去年の夏、山道の無人売店で甘夏をたくさんゲットした時にジャムを炊いてから「レモンでも作りたいなあ」と、ずっと思いを馳せていた。しかしながら、最寄りスーパーにある国産レモンは1個198円とかで売ってる。ジャムとなると、瓶詰めするにあたり小瓶でも最低でも5〜6個は必要。庶民なのでなかなか踏み出せない……が、しかし。

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無敵かよ。

なんと今の私はレモンを好きに使うことができる。箱買いすると気が大きくなるな。いかんいかん。大事に、手間をかけて美味しくいただきますよ。ということで、最後は贅沢にレモンをたっぷり使ってジャム作りに勤しむことに。

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とりあえず瓶を煮沸消毒しながらレモンを洗う。瓶の消毒方法は中学生の時に家庭科部でジャムかなんかを作った時に習った。今思えば授業ではやらなかったから得したな。


まず身ぐるみを剥がします

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つるっぱげになったレモンたち。別に恨みはない。白いところを剥かないよう、表面だけピーラーで削り取っていくように。

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剥いた皮は2回ほど茹でこぼしていく。お湯がめっちゃ黄色になった。レモンの色素って水溶性なのね。なんとなく気になって調べてみたらエリオシトリンというらしい。抗酸化作用があるとかないとか。深く調べてないけど、多分リコピンみたいな植物栄養素かな、知らんけど。にしてもレモンの香りすごいな。

実をとる

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甘皮から果肉のみナイフできれいに取りだしていく。柑橘のタルトを作る時にするこの作業、わりと好き。小ぶりのレモンも最初は苦戦したけど、何個かやるうちにコツを掴んできたらするっと剥けるようになった。

余った種と甘皮は被るくらいの水で煮ておき、煮汁を後で使う。これはゲル化剤のかわりの、ペクチン液になる。粉末のペクチンを使ってもいいらしいけど、まあ大体は種にあるしなって感じで買ってない。ちなみにペクチンなしのとろっとしたジャムも好みなんだけど、レモンジャムは初の試みなのでオーソドックスなやり方でいこう。

どうか砂糖の量に引かないでほしい

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ジャムを作る時に目をつむるのがそう、この砂糖をはかる作業である。果肉と皮の重量と同量のグラニュー糖を入れなければならない。味ももちろんだが、糖度と保存性が切っても切れない関係性のため、致し方ないのだ。今回は370gに対して砂糖350g、ペクチン液お玉3杯ぶんをホーロー鍋にイン。水はどうせ煮詰めるうちに調整できるのであまり気にしない。

ドッサアアア!!!

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大丈夫。辛いのは最初だけ。すぐに溶けていって目に見えなくなるので。

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ほーらこの通り。中火でコトコトしてると、どんどん透き通っていく。綺麗だなあ。ジャムを作ってるときの、この瞬間が大好きだ。

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ぶくぶくしてきたら、弱火に切り替え。アクが出てくるので、レードルでこまめに取ってく。これはまだ炊き始めて10分くらい。少し色味が橙色がかってきたかな。コンフィチュールなら10分〜15分くらいで止めて仕上げると、このように綺麗なレモンイエローを保てる。けど今日はしっかりめに煮詰めたジャムにしたいので、45分くらいコトコトします。

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だいぶ煮詰まってきた様子。檸檬色が橙色になってきた。

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もう少し水分飛ばそうかな。ここは好みと、ペクチンの有無で決めなければいけない。今回はペクチンありなので、もう少しとろみ欲しいかな〜くらいで火から下ろす。

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透き通った橙色になった。レモンジャムですって言わんと分からんくらい。どうも、レモンジャムです。

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煮沸消毒して乾燥させておいた瓶に、熱々のジャムを詰めていく。

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ぎりぎりまで詰めたら蓋をしめて、逆さまにする。粗熱が取れるまでゆっくり冷ます。

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ジャムを立ててええ感じに写真を撮れるスペースがないことが伝わってくる写真ですね。私が食べ物をよく手掴みしている理由はそれもあったりする。


さてと。

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ここからはいつも通り、週末小麦粉活動に移る。最後にレモンを一個丸ごと使っておやつを作ろう。まずはキンッキンに冷やしたビール、ではなく卵白を用意し、メレンゲを立てます。

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レモン果皮とアールグレイの茶葉。まあ素敵でお似合いなご両人だこと。こちらは卵黄と混ぜます。

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はい混ぜま〜〜す!説明はもういるまい。

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クイズをする間も無くほぼ正解を叩き出すスタイルで行きます。メレンゲはスピードと温度が命なのでね。ジャム作りとは時間の流れがまるで違うぜ。みんな着いてきてるかい?

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なかしましほさんのレシピ本から、レモンのしゅわっとシフォン。本当はブルーポピーシードを使うんだけど家になかったので紅茶の茶葉で。レモン果汁と皮のすりおろしを使うので、生地作りの時点でかなりええ香り。焼けるのが楽しみだな〜とワクワクしながら作れるのがいい。


ほい焼けた

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型が少し大きいせいかもこっとしたフォルムにはならんかった。シフォンケーキの、きのこみたいに型から飛び出るあのフォルムが大好きなんだよね。

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ほい完成。高さはまあまあ。毎回思うけど私の焼くシフォンケーキって側面ぼろっぼろになるんだよな。ナイフの入れ方が下手くそなんだろうね。シフォンケーキの取り出し方講座があったらお金払って参加したい。

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カットしてみる。気泡がちょい荒めなので混ぜ不足かしら。。。あとレモンの皮、しっかり存在が見えるね。百均のすりおろし器で柑橘のシフォン焼いた時はあんまり分からんかったけど、グレーターで削った皮はふんわりかつしっかりしてる。紅茶は一パックぶんでちょうど良かったみたい。測ってないけどたぶん小さじ1くらいかな?焼き色は、170℃で35分焼いて、ちょうど良い感じ。

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優しめに立てた生クリームと、鍋底に残ってたジャムを添えていただきまーす。

レモンジャム酸っぱくて美味しい!生クリームとの相性良すぎる。これだけで食べれる。美味い。

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シフォンケーキの一口目は何もつけずにそのまま。ちぎった感じふんわり感あってしっかりしてる。香りもちゃんとレモン!焼くと飛んじゃうかと思ったけどちゃんとレモンだ。そしてなにより味もきちんとレモン残ってる。めちゃうま。生クリームとジャムと一緒に食べるとさらにうまい。あっという間に平らげてしまった。シフォンケーキって、何でこんなにすぐ食べちゃうんだろうな。


檸檬の時を止める

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食材に対して「時を戻そう」は残念ながらできない。けれど、しばらくの間「時を止めよう」ならできる。それが料理の面白いところだなと思っている。先人たちの生き残るための知恵は、こうして現代でも引き継がれているのだと感じることができる。

少しの間、時を止めたレモンたち。パンに塗ったりスコーンのお供になったり、おやつ作りに出現したり。ちょっとずつ楽しみながら食べていこう。

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