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名古屋クリームソーダ紀行



「クリームソーダ」って響き、が好きだ。
喫茶店のメニューにクリームソーダがあると「クリームソーダがある!」と心の声が飛び跳ねる。

我らが愛知の名古屋には、いたるところに良き喫茶店がある。
つまり愛知県民はクリームソーダに出会えるチャンスが多いのでは?これはなんとも幸運なことではないか。そんなスーパーラッキーな愛知県民が、名古屋のクリームソーダ愛をつらつら語るだけのnoteです。私が私の好きなことを書き連ねるのがこのnoteの目的であり、供養の場であり、楽しみであるので。

ちなみにクリームソーダ単品を優雅に飲んでるわけではなく、何かしらのお供も一緒に付いてくることが多いので、食いしん坊な方しかついてこれないかもしれません。そこんとこどうぞよろしく!

ひまつぶしに、喫茶店でクリームソーダでも飲みながら読んでくれたら幸いです。

コンパル大須本店/大須観音

昔ながらの喫茶店の佇まい

トップバッターは我らがコンパル!
コンパルといえば名古屋を代表する喫茶店で、名駅地下や栄に数店舗かまえているのでこちらの本店に行く人は少ないかもしれない。だけど少し時間に余裕があれば、ぜひ大須まで足を伸ばしてみてほしい。

レトロな赤色のソファ

提供される料理は全く変わらないものの、店内の趣が地下とは全然違う。客層は近所のおばあちゃんたちから若者まで様々。

コンパルのクリームソーダはいたってシンプル。パキッとした緑色のソーダに、まあるいバニラアイス。
お供はもちろんミソカツサンド!

大好きすぎて飽きずに毎回頼んでしまう

コンパルは続いてほしい喫茶店のひとつ。これからも通い続けることをここに誓います(人前式か?)。


喫茶ニューポピー/丸の内

モーニング目当てで調べていた喫茶店なのだが、ちょっとちょっと、クリームソーダがあるじゃないですか。丸の内というとオフィス街感があるが、実際は円頓時商店街のあたりなので、昔ながらの風景の中に佇む喫茶店である。

昔ながらの夏祭り中


かわいい看板がお出迎え

レトロな感じもするし、今っぽい感じもする。不思議なニューポピーの看板。

ニューポピーは2階建てと思いきや、小さな3階まである。運良くてっぺんの席に通された。

大人のクリームソーダ

目が覚める赤

ニューポピーのクリームソーダは、昔ながらの緑色のクリームソーダと、「大人のクリームソーダ」というものがある。
この鮮やかな赤色はローゼルだそう。しょうがが効いてて大人の味。辛口のジンジャーエールに近いかもしれない。

分厚いので少食なら1枚で足りるでしょう

喫茶ニューポピーは、朝11時までモーニングが食べられる。この日はジャムトーストと、黒ごま食パンの小倉トーストを頼んだ。茹で卵にサラダもついて、お腹いっぱいになる。

端々に転がるセンス

モーニングのプレート

ニューポピーのいいなと思うところ、インテリアのセンスもさながら、食器の良さ。マジ良い。良きすぎる。
ちなみにテーブルはガラス張りなんだけど、このようにコーヒー豆がずっしり詰まっている。茹で卵用の塩にもコーヒー豆が入ってたり、カレーライスのごはんをコーヒーで炊いてたり……とにかく珈琲が好きな店主が作っているお店なのだなあと感じる。
また今度、寒い時期に来たら珈琲を頼もうと思った。

街並みも楽しんで

ちなみにニューポピーが佇む四間道は、ビルだらけの名駅からほんの10分程度の距離にある街並み保存地区だ。行く際は周りをなんとなくお散歩してみるのも楽しいと思います。


珈琲処カラス/伏見

珈琲処カラスは伏見のビルの中にひっそり佇む喫茶店で、御園座のすぐ近くにある。栄から少し歩いたあたりである。

店内はレトロな雰囲気で、カラスの置き物や古時計が飾ってある。時計がどれも時間が止まっていて、なんだかいいなと思った。この時計たちのおかげで、ここで何分過ごしたのか全然分からんのである。
お客さんの入りはまちまちで、出ていってはまた入り、の繰り返し。行列ができるわけではないけど、常に人がいる。そしてお店のマダム達がてきぱきと働いていらっしゃる。

ちなみに、珍しく喫煙が許されているタイプの喫茶店なので、愛煙家の方々もお気に入りのお店のよう。店内は若者からおじさままで、珈琲と煙草を嗜む人がたくさん。

赤色が来ました

柿ピー付き

カラスのソーダフロートを頼むと、何色が来るかはお楽しみ。私個人としては、カラスは不気味な色の夕焼けが似合うから赤色が好き。ちなみにコーヒーフロートもあります。

カラスのクッキー


そういや何かで有名になった喫茶店だったな…と思って調べると、孤独のグルメにあんトーストが登場するらしい。愛知県民ながら、あんトーストをあまり食していないことに気づいた。

本日のお菓子

カラスの良きところ、クリームソーダが美味しいのはもちろん、日替わりの手作りおやつがあるところ!この日は秋らしいラインナップでした。行くたびに違うメニューなので訪れた際は店先の黒板を見てみてください。

あ、最後にひとつ。私も幾度となくやらかしてるのですが、カラスは土曜日が隔週でお休みなので、お気をつけください。まあもしお休みだったら向かいの白川公園でプラネタリウムでも見に行ってくださいな。

名古屋市市政資料館喫茶室/名古屋城・東大手

地下鉄だと名古屋城、名鉄だと東大手を降りると、名古屋市市役所をはじめレトロな建物がちょこちょこならんでいるのだが、ここは最も私が気に入っているところ。名古屋市市政資料館である。国の重要文化財に指定されている。

玄関口から入ると、大階段で出迎えてくれる。いつ見てもうっとりする階段だ。
もともとこの資料館は名古屋控訴院庁舎として使われていた施設なので、その名残が残されつつ、各部屋で展示会や研究会などに活用されている。

カーテンが素敵

いかにも明治維新な装飾で、見てるだけでも楽しいので、喫茶室に行くまでにぜひ館内をお散歩してほしい。

喫茶室はこちら

ここまでとてもロイヤルな装飾だったのですが、喫茶室はあくまで素朴な喫茶店。常連さんがほとんどという雰囲気で、おじいちゃんが一人で回してることもある。

クリームソーダとミックスサンド

クリームソーダは昔ながらのシロップ〜!!という味。アイスは丸くなくて、ぽてっと乗せるタイプ。それがなんだか美味しそうに見える不思議。

そしてなんとクリームソーダ、400円也。お財布に優しすぎる。
名古屋市の三ノ丸、こんな一等地でなぜこんなお安く提供してるのか分からん。コーヒーチケットも2800円11枚って……商売する気ないんか?

お供のミックスサンドは、たまごハムにお野菜もいろいろ。素朴で家庭的なサンドだ。こういう雰囲気の喫茶はついつい長居してしまう。。。みなさん、観光がてらぜひ。


星屑珈琲/本山

ビルの二階にひっそりと

このお店のキャッチコピーは『群れない魂の止まり木』。珍しいおひとり様専用喫茶だ。

話は逸れるが、地下鉄の話をします。
名古屋市営地下鉄の中でも、それぞれの路線の特徴というか、雰囲気があるんですね。たぶん東京でも同じような感覚があると思うんですが……名城線はいわゆる東京の山手線のように円を描いてまんべんなく駅と駅を繋いでいくオールラウンダーな線。鶴舞線はゆくゆく市街を経てローカル線に繋がり豊田市や犬山市まで続くためか、本数も少なくちょっと浮いている(鶴舞線は電車も赤色レトロ)。

本山が通る東山線は、いわゆるカースト上位の路線。勉強がわりとできて顔もそこそこ良い、実家も太いみたいな。自分で言っといてなんだが例えがえぐいな。
東山線は名古屋栄から、オシャレな店しかない「覚王山」、東山動植物園がある「東山公園」百貨店やきれいめショップが立ち並ぶ「星ヶ丘」、はたまたジブリパークへのリニモに繋がる「藤が丘」の終点まで、隙のないメンツにより構成されている。その中でふっと現れる、なんか落ち着いてる気がする「本山」。突然本山だけマックスバリューとかミスドとかスギ薬局とか並ぶんですよ(伝わったか…?)。そこにひっそりと星屑珈琲は佇んでいる。

透き通ったすみれ色

件のクリームソーダがこちらです。星屑珈琲のクリームソーダはブルーハワイ、すみれ、いちご、バラの4種類あって、初めて飲んだのはすみれだった気がする。

鮮やかなブルーハワイ

だいたい本読みながら過ごすので、冬の方がアイスが溶けにくくて良い。でもまあ夏は夏でぜったい飲みたい。
ちなみに星屑珈琲、クリームソーダもおすすめだけど店主の手作りスイーツがすごく美味しい。季節によってメニューが変わったりするので、家からそんな近くないけど、暇を見つけては通いたくなる。

固め濃厚、カラメルほろ苦さ
ホットレモンといちごショート🍓

店名にも入ってるとおり珈琲も種類があります。おやつとぜひ。


シヤチル/今池

夜の佇まいが良きの良き

名古屋シネマテークの近くにある喫茶店。千種と今池のちょうど中間地点くらいにある感覚。昼から営業してるのですが、個人的には夜に本領を発揮する場所だと思ってる。
ここの料理やドリンクは、自然光より夜の薄暗い雰囲気に合う。

シヤチルのクリームソーダは、すごく自然な色。海みたいな色をした透き通ったソーダ。バニラアイスの横に乗った真っ赤なさくらんぼが対照的。

自然な色のソーダは、ストローで一口飲むとスッキリした味わい。甘さは主張せず、ほんのり口の中に馴染む。

これは偏見ですので適当にあしらって欲しいんだけど、レースペーパーが敷いてある喫茶店は良い意味でこだわりが強い気がする。だって元祖クリームソーダの資生堂パーラーがやってんだもん。

お供はこちら

ゴールド縁取り皿がかわいい。

おすすめは自家製ロースハムサンド!ハムサンドって言ったらもう少しヒラぺったいの想像してたんだけど、薄切りしたロースハムがミルフィーユのごとく重なっている。これがやたら美味い。
そしてこれは完全に地元民しか通じないネタなんですが、おそらく使ってる食パンが本間製パンなんですよ。これはキッチンに本間製パンのパンカゴ(給食とかで使うデカいやつ)があったので完全に推測なのですが、勝手にテンションが上がってたやつです。
作りたてのパンを仕入れて作られるサンドイッチは、どれも美味しい(なんか最後にクリームソーダより長く語ってしまった)。


涼しげなその姿

クリームソーダの佇まいが好きだ。炭酸にアイス浮かべてるだけなのになぜこんな心が踊るのだろうね。

さて、名古屋のクリームソーダ、お楽しみいただけましたか?私は書いててますます名古屋とクリームソーダ、そして喫茶店への愛が深まりました。にしても名古屋についてだらだら喋ったせいでクリームソーダ本体についての文章少ない気がしてきた……。
肌寒くなってきたところでこんなnoteかいな!!というツッコミもあると思います、というか私が心の中で一番ツッコミいれてます、でもこのnoteは夏が終わった今だからこそ書けるし、なにより冬の暖房が効いた部屋で、ゆっくり飲めるクリームソーダも悪くないんですよね。

名古屋においでの際は、ぜひ喫茶店でクリームソーダをお楽しみください。ではこれにて。

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