やってみたいは、やらせてみる

息子が行きたいと言った場所は
できるだけ行く。
息子がやりたいと言ったことは
できるだけやらせる。

これはわが家の育児のモットーだ。

ちょっとした無理難題にも
どうにか応えられるように、
知恵をしぼるようにしている。

昨年の12月も半ばを過ぎた頃、
息子が近所の家の軒に
柿が吊るしてあるのを見つけた。
あれは何かと聞くので、
干し柿だと教えてやると、
「ぼくもやりたい!」と言い出す。

なんと、気軽に、まあ。

当然、その時季にはもう
渋柿など手に入れるのは容易でない。
何よりわたし自身が干し柿など
作ったこともないので弱った。

でも、やろうと思えばできるのだ。

スーパーで甘柿をふたつ買い、
ひとつは「干す前の柿」として
その日のうちに食べてしまった。
残ったひとつを、皮を剥いて熱湯消毒し、
竹串を刺して、紐で物干し棹に干した。

甘柿だし…鳥が啄みにきたらどうしよう。

そんな不安を抱きながら、
1ヶ月近くして「干し柿」が完成した。

当然ながら、その干し柿は甘かった。
はじめから甘柿だったから。

この出来事は正確には、
息子の「やりたいこと」の疑似体験だ。

少しも完璧ではない。

だけど、
やってみたいと思ったことを
やらずにいるのはつまらない。

ロケットが見たいと言えば
つくばの宇宙センターに行った。
恐竜の化石が見たいと言えば
上野の科学博物館に行った。

新幹線の写真が撮りたいと言えば
カメラを与えて駅に連れていった。
スケートがやってみたいと言えば
すぐにスケート場へ出かけた。

息子の「やりたい気持ち」は
かけがえがない。

だから絶対にやらせたい。

ダメとか無理とか、また今度とか。
そんなつまらないことは言いたくない。

息子には知っていてほしい。
やりたいと思えば何でもやってみるといい。
行きたいと思えばどこへでも行くといい。

やりたいをやってみなきゃ、
「できない」にも気づかなかったはず。
行きたいへ行ってみなきゃ、
「知らない」にも気づかなかったはず。

やりたい気持ち、行きたい気持ちが
息子の世界を無限に広げてくれる。
そのことを息子に知ってほしい。

さて。

最近の息子の「行きたい」は、
「東京オリンピック」だ。

わが家は見事にチケット抽選全滅。

どうすれば息子の「行きたい」を
叶えられるか夫とともに思案中。。

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