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【小学生の今と昔】運動会は変化の途中🏃‍♀️🏅

こんにちは!

住谷知厚です。


街ではイルミネーションもたびたび見かけるようになってきましたね。
年末は特に次々と大きなイベントがあるので、大人もそうですが子供たちもさらに嬉しいだろうと思います。

さて、世間一般の行事に加え、小学生には春から秋にかけては運動会、社会科見学や学校によっては芋ほり体験などの学校行事もありますね。
学校行事、特に父兄が参加できる行事は、子どもの成長が分かるので親としては嬉しい限りです。

今回は多くの人とって記憶に残っている学校行事の一つである”運動会”について、掘り下げていきます。


mousai.picsより出典

運動会の起源

日本における運動会の起源は1874年(明治7年)3月21日に海軍兵学寮で行われた「競闘遊戯会」と言われています。
当時の海軍兵学寮は勉強ばかりで、体を動かす機会や、ストレス発散を行う機会がありませんでした。

そこで、イギリス海軍の顧問団団長に推奨され行われたのが、この行事です。
これは、ヨーロッパですでに行われていた運動とレクレーションを組み合わせた「アスレチック・スポーツ」を日本語に訳したものだそうです。

当時は軍事的な力を対外的に見せることができるくらいに、国を豊かにして、軍備を増強させようとした時代です。
そう言った時代背景の中、初代文部大臣の森有礼はこの行事に注目し、全国の学校で運動会を行うように義務づけました。これが、学校教育における運動会の始まりだそうです。

当時の運動会の目的は3つありました。

  • 国威発揚(国家が国の力を対外的にアピールすること)

  • 富国強兵(国を豊かにして兵力を増強すること)

  • 健康増進

日本の運動会に教育の要素が多いのは、このように運動会を通して国家を発展させようとした政府の方針によるものが大きくあります。

ちなみに、皆さんもやったことあるであろう「気を付け」「前へならえ」「全体前へ進め」は、兵式体操の名残です。

運動会がそもその海軍のストレス発散のために行われたものだったことは驚きでした。
時代背景を知ることは面白いですね。


運動会は何のため?

sozai-good.comより出典


さて、続いて運動会の目的について、学校指導要領には以下のように記載されています。(運動会実施は義務ではありません)

心身の健全な発達や健康の保持増進などについての関心を高め、安全な行動や規律ある集団行動の体得、運動に親しむ態度の育成、責任感や連帯感の涵養、体力の向上などに資するような活動を行うこと

学習指導要領 特別活動より一部抜粋

記載の通り、体力向上といったものだけでなく、責任感連帯感を身に着けるといった心身的な目的も含まれています。
確かにダンスやリレーなど、責任感や連帯感が必要な競技は多くあります。
運動会のためにクラスで必死に練習する、仲間とともに一つの目標のために頑張る経験は社会になってからとても生かされると思います。


運動会の競技

皆さんが小学生だったころはどのような競技がありましたか?
地域や年代によっても違いがあるかと思いますが、リレー、大玉転がし、玉入れ、綱引き、棒引き、応援合戦、高学年になると組体操や騎馬戦などこのあたりは鉄板かと思います。

では、令和の小学生の運動会ではどのような競技があるでしょうか?
調べてみると、僕たちの世代で鉄板競技だと思っていた競技の多くは今でも取り入れられていることがわかりました。

また、仮装リレーやデカパンリレーといった、鉄板だった競技を少しアレンジした競技も増えているようです。
一方で「高学年といえば!」の競技である組体操や騎馬戦ですが、近年は安全の観点から廃止される傾向あります。


競技で比べると…?

mousai.picsより出典


最後は競技以外を比べてみます。
運動会と言えば、「赤白に分かれて競い合う」「お弁当の時間が楽しみ」「お母さんやお父さんが来てくれる行事」のイメージが強いです。

令和ではどうでしょうか?
調べてみて僕も驚いたのですが、今は競技に勝敗や順位をつけない運動会、一日ではなく半日の運動会を取り入れる学校も増えているようです。

競技に勝敗や順位をつけないことについては、背景として「絶対評価(個人の成長や頑張りを重視する評価のこと)」「平等社会」といった観点が教育現場で重視されるようになったことが挙げられます。

文字通り、運動が苦手な子への配慮がうかがえる一方で、以下のような否定的な意見もあるそうです。

・体育の得意な子どもが輝く場を奪っている
・競争社会の荒波で揉まれる前に、勝ち負けによって得られる悔しさ、喜びといった感情を経験できなくなる
・リレーと言っているのに順位がないのは、その競技の意味がなくなる

「All About運動会に関するアンケート調査より」一部抜粋


一方、半日開催の運動会は、コロナウイルス感染拡大がきっかけとなり始まりました。
その後、学習内容の増加に伴い「授業時間を確保」や「保護者や教員の負担軽減」「熱中症予防」といった理由から、半日の運動会を開催する学校は増加傾向にあるそうです。


最後に

sozai-good.comより出典

さて、ここまで令和の小学生の運動会についてみてきました。
いかがでしたでしょうか?
運動会という大きな学校行事1つを見ても明らかなとおり、教育現場では過渡期を迎えているようです。

他にも様々な教育現場で「昔と変わったな~」と思うことがあるため、これからも調べてまた記事にしていこうと思います。


それでは今回はこの辺で♪

住谷知厚(すみたにともひろ)


<参考>
◆徒競走を実施する意味がないのでは?「順位をつけない運動会」にモヤモヤする保護者たち

◆コロナ禍で半日開催となった小学校の運動会 5類移行となった今年は?

◆日本経済新聞 小学運動会、「午前だけ」定着
教員負担減や暑さ対策 地域とつながり「工夫必要」の声も

◆【なんて答える?】「運動会ってなんでやるの?」運動会も学びの場なんです!











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