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突然クビ宣告を受けた15歳の夏②

「分りました。辞めます。」


私たちは、そう告げて

体育教官室を出た。





土下座は

どうしても出来なかった。





驚いた先輩たちが

教室にやって来た

もう一回、復帰できるように頼んであげると

言ってくれた。

私達が頑張ってきたことを認めてくれていた。


でも

一番残念なことに

他人に認められても

私は私を認めることが出来なかった



そして

土下座をしなければ許されない監督との関係を

もう一度、構築したいとも思えなかった。


せっかく気にかけてくれた先輩たちの思いに

答える事が出来なかった。


悔しさと部員の皆んなへの申し訳なさは

罪悪感となり、じわじわと自分を蝕んだ


やがて、その苦しみは

やり場のない怒りとなり

自分が壊れてしまいそうだった



クビ・解雇

精一杯がんばっても

一瞬にして全ては終わる

15歳の私にとって

クビ宣告は

自分を全否定の塊に成し上げる瞬間となった







何より苦しかったのは

会社をクビになる事と違って

部活をクビになっても

明日から、また同じ学校へ

登校しなければいけないこと


そう、翌日、その翌日

日を追うごとに

「〇〇部の〇〇さん達、クビになったんだって」

噂は、まことしなやかに校内に広がった


ちょっとした有名人になった

それは、全くの不本意だった


興味本位の人

同情を寄せる人


様々だった

そんな声の中

私は強がった


なぜなら

強がって平気なふりをしないと

惨め過ぎて

存在していられなかったから

とことん

強がった


傷付いた心は

心の奥底に葬った







そこから

絵に描いたように落ちていく


自分は欠陥商品

どうせダメな人間

落ちていく私の手を取る担任の先生

何度も何度も、私に伝えてくれた


あなたは、欠陥では無い。


でも、わたしの耳には届かなかった。

やがて、一年生は終わり二年生へ。


唯一の救いだった担任の先生は変わり

新たなスタート


当時の進学校は、勉強に向き合わない生徒は

虫けら同然

ゴミと同じ


どんどん絵に描いたように落ちていく

社会に対する怒りが止まらない





15歳の自分に…今日まで待たせたね。一生懸命やったこと認めるからね。よく頑張った❣️誇りに思うよ。

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