ADHD持ちショートショート作家おだっくい

SFショートショート短編集中心に書いていきます。お賽銭感覚で支援して下さい。原稿用紙の…

ADHD持ちショートショート作家おだっくい

SFショートショート短編集中心に書いていきます。お賽銭感覚で支援して下さい。原稿用紙の枚数で原稿料が決まるショートショートは紙媒体では割に合わない。

最近の記事

昔書いたショートショートです。「どうしてしまいましたの? 地球さん?」

「どうしてしまいましたの? 地球さん?」  最近、東京、大阪、名古屋、福岡など多くの人が住む大都市や、動物園、水族館、ペットショップ、牧場、競馬場、猫カフェ、豚小屋限定の局所的小規模地震が異常な回数で発生しているという報告書が気象庁と防災科研から政府に提出されました。  事が地震だけに打つ手が無かった政府は、内閣府に勤める私の叔父で精神科医であると同時にガイア理論の世界的権威でもある松島博士の提案で、博士の製作した対話機械を通じて地球の心と対話する事になりました。私はおじさ

    • 昔書いたショートです。

      「『楠ノ木』などの3or4」 『楠ノ木』 「なあ、小夜子さん。お向かいの楠ノ木。やけに綺麗に見えないか?」 「ホント、手入れした訳でもないのに、どうして今年はいつもより美しいのかしら?」 次の日、あえなく楠ノ木は宅地造成で伐採され、切り株だけになっていた。 「あなた、あの楠ノ木は私たちに必死で助けてとお願いしていたんでしょうね」 『透明人間になれる薬』  透明人間になれる薬を開発した研究所に強盗が押し入った。 「この液体が透明人間になれる薬だな」 「やっと成功したん

      • SFショートショートです。

        昔書いたショートショートです。 「妻」  お爺ちゃんが体験したことのある不思議な話? そうだなぁ、工場に勤めていた時の工場長の話かなぁ?  お爺ちゃんが工場勤めしていた時の工場長は三十年以上付き合いのある上司だったなぁ。不思議な話は確かお爺ちゃんが五十五歳の時だったから、工場長はあの時六十歳だな。  工場長は若い頃から元気いっぱいのやり手でなぁ、欲しい物は奪い取ってでも必ず手に入れる人だったな。工場長っていう地位だって期社員との出世競争の末に勝ち取ったんだ。若い頃に結婚

        • 昔書いたショートショート 2

          ショートショートの中でも短い3or4(3行か4行で読み終わるショートショート)に分類される読み物です。 「『ミンナリンダ・アイクのレコード』ほかの3or4」(自由テーマ) 『ミンナリンダ・アイク』  珍しくて古いLPレコードを、ネットオークションでレコードマニアに売りつけるのが生業の骨董屋が、中古レコードショップの廃盤コーナーから、ミンナリンダ・アイクという、聞いた事のないミュージシャンのレコードを見つけ出した。 「このミュージシャンは聞いた事がない。集めておけば、高

        昔書いたショートショートです。「どうしてしまいましたの? 地球さん?」

          昔書いたショートショートです。

          ショートショートとは、だいたい原稿用紙10枚分の短い小説です。 それのさらに短い3OR4(3行か4行で終わるお話)に分類されます。 「『磨製石剣』などの小さいズ」(自由テーマ) 『磨製石棒』  その呪われた磨製石棒は縄文人の呪術使いによって作られ、どんな所有者でも残忍な殺人鬼に変えてしまうのだが、持ち主が戦いで死んでからは、ずっと地中に埋まっていて戦いと血に飢えていた。  何千年経過したか解らないほど月日が巡ったある日、近くに落下した雷によって大木が倒れて地面が崩れること

          昔書いたショートショートです。

          吸○紙(きゅうまるし)

           カルロス・カスタネットと出会ったのは、お気に入りのお店の多い菜の花商店街でした。  金曜日で学校が午後三時四十分で終わり、まだ帰るのには早い時間帯はいつも菜の花商店街で軽く美味しい物を食べるとか、コーヒーを飲むのが私の習慣です。いつも行くのは、『ヴィルヘルム・ライヒ・ベーカリー』というパン屋さん。ここのクリームたっぷりのスイートポテトが私のお気に入りなのです。パン屋さんの一つ隣はコーヒーショップ『大統一理論』。ちょび髭のマスターが生豆の仕入れから自家焙煎までやるお店で、マス

          貴様と俺とは科学の桜

           あの桜の木は人間の死体を養分にして美しい花を咲かせている!  これを信じて良いことだと東京にある国立大学院の遺伝子工学室の研究員、梶井秀樹25歳が思いついたのは、大学の中庭に生えている特別美しい花を咲かせる桜の木を見たときだった。  その桜の木は何故か毎年必ず2月15日に狂い咲きする不思議な桜で、それだけなら梶井もそれほど気にはしなかった。梶井がある種偏執狂じみた考えにとりつかれたのは、毎年2月15日になると、研究室の教授の誰かが亡くなるのだ。教授が一人死ぬごとに、桜の花は

          センサーの鎧

           ここは国立の人間研究所。なぜ人間はこの形に進化したかを研究、人間の仕事を代替できる人型ロボットの開発などで様々な科学者が勤めている場所だ。国立だけあって開発の予算はかなり青天井だ。その人型ロボット工学の第一人者である本多博士の助手である三橋君が研究室に入ると、本多博士は人間というよりゴリラに近い形のロボットを作っていた。 「おはようございます博士。それは何ですか?」 「おお三橋くんか。警視庁の機動隊に暴徒鎮圧用のロボットを作ってくれないかと頼まれてな、試作1号機を作ってみた

          有料
          100

          あかなめ消滅

           季節は春の3月で、この暖かさならマンションのベランダから早めの花見もできそうな時期の深夜11時。チャンネル登録数が5万人で、ネットの動画配信による広告収入で生計を立てている動画ネームは蝶華蘭。本名は大野春子が動画の編集を終えて、シャワーを浴びようと浴室に行くと、浴室に据え付けてある洗濯機の近くで赤い肌をした全裸の小僧と出くわした。背中まで届くほど髪の毛を伸ばしている。 「誰? 何をしているの?」  と春子が聞くと 「怪しいものですが悪さをする者ではありません。私は風呂場に出

          鬱病と統合失調症が最悪な時代に書いた詩。

          韻も何も守っていない詩。1:「チタヤ通り」(改訂版)  チタヤ通りは電気の虹よ 街行く人はみな色鮮やかでふくよか そのふくよかな胸で思う存分眠りたい 電気の虫は七色の光 そこら中から人を照らす すべて七色 電気の七色 七色七色七色七色 シバタ通りの黄色い命  萎んだ心も弾ませる 錆びた心も裂いた命も蘇れ  シバタ通りの黄色い命 2:「風船は下に置くと悲しくなってしまうから」 風船は下に置くと悲しくなってしまうから俺はヨットタイガーに乗って捕まえに行くんだ。 あそこを

          鬱病と統合失調症が最悪な時代に書いた詩。