[ルポ②] 恐怖の現場ランキング トップ5 【後編】


第3位 【防毒装備ゼロ】


印刷工場の清掃の仕事で、社員は防毒マスク、パート女性はサージカルマスクN95。単発アルバイトはノーマスク!という単発の仕事があった。

初めて『風の谷のナウシカ』に出てくるような防毒マスクを生で見て驚いたが、それ以上にアルバイトには、普通のマスクの用意すらないという事態に驚いた。

この仕事の前年「印刷工場で多発した胆管癌」のニュースを、よく見聞きしていた。

運良く私はマスクを持っていたので、マスクを2重にし呼吸は浅くした。

まあ1日だったので、被害は少なかったと思いたい。


第2位 【死人が出るぞと、誰もが予見した工場】


夜勤の仕事で、大きな印刷会社の工場に行った。
始まりの夕礼のときに監督の社員から警告があった。
「工場内を一人歩きしたり、トイレには黙っていかないように。特に、女性は。
あったんですよ、数年前に。恐ろしい事件が」
何があったのかわからないが、スマホで調べて出てこなかったので、犯罪隠蔽しとるのか!?と戦慄が走った。

先程の話を聞いてトイレにも行きづらくなった。もしやトイレに行かせないための作り話かもしれないが、真相はわからない。

バカでかい工場だが、深夜は肌寒く、薄暗くて怖い。
この工場は、なんだか死人が出そうだぞ、という雰囲気が、どことなく漂っているのであった。

その1年後、この工場で通常ならあり得ない重大な死亡事故が発生したと新聞に載った。
1人ではなく、数人の方がお亡くなりになったそうだ。

私は「やはりあの工場、死人が出たか」と思いつつ、自分の予想が見事に的中したことに驚いた。

一見普通の工場だし、 東証プライム上場の大企業だ。
設備も古すぎはしないし、ISOも取っているのだが・・・。パワハラが横行しているという噂を聞くので、そういう社風も関係しているのかもしれない。

偶然、その事故の直後、お父さんがその工場のOBだという女性に会って話を聞いた。
「お父さんも、あの工場なら事故があってもおかしくないって言ってた」と。

そのお父さんの同僚も同じことを言っていたというので、もしかすると、死神でも住んでいたのかもしれない。


第1位【殺人目的!! フォークリフトで大暴れ!】


小さな町工場で、パートのヤンキー女が無免許でフォークリフトを乗り回していた。

フォークリフト

眉なしノーメイク、プリン頭の金髪。テカテカのスカジャンを毎日着てきた。まさしくDQNの見本みたいな、クレイジーな30代のヤンキー女だ。

日雇いの派遣スタッフを構内で見つけると「轢きっ殺す!!!」と大声で叫びながら、爪を地面スレスレに下ろしたカウンターリフトを乱暴に運転し、嗤いながら追いかけ回すのが、その女の日々の楽しみだった。

多い時だと、1日に15人くらい追いかけられていた。
もちろん、私も追いかけられた。

その頃はスマホが高くて、あまり普及していなかったため、動画を撮れなかったが、今なら動画を撮って、警察か労基署に駆け込むだろう。
いや、即座にTwitterに上げちゃうかな?

翌日その工場に行ったら、カーブを曲がり切れなかったフォークリフトが横転していた。

このヤンキーは、自ら「フォーク無資格」と豪語していた。フォークリフトを有資格者の私は、あんな危険運転は、まずあり得ないことを知っていたし、そもそも「弾き殺す」ために、フォークリフトを使うって・・・。

あいつは、社会に野放しにしてはいけない狂人だった。

動画が撮れる環境だったなら、管轄の警察署に相談して、「暴行罪」と「脅迫罪」のセットで、あのヤンキー女をやっつけたのになあ。


もし、このような「殺人目的でフォークリフトを乗りまわしている人間」を見かけたら、動画を撮って、早めに警察に通報しよう!

※ フォークリフトを無資格で運転した場合は、労働安全衛生法第61条に基づいた罰則が科されます。 無資格運転を行った者、そして無資格運転を行わせた者や会社に「6ヶ月以下の懲役または50万円以下の罰金」が科されることとなります。

 滋賀県 技能講習 特別教育|関中建設技術センター

「無免許なんて皆やってるよ」と、あちこちの現場で聞いたが、まともな会社は無免許運転なんてさせないのだ。

※ フォークリフトの事故死

フォークリフトを運転していた従業員は自動車運転処罰法違反で起訴されております。そして30年以上にわたって道路使用許可などを取らずに安全管理対策を怠っていた同社社長ら幹部3人と法人としての同社が業務上過失致死罪の容疑で書類送検されました

https://www.corporate-legal.jp/news/4238

ヤンキー女の場合は、日頃から大声で「殺す」と叫んでいたので「殺人罪」も適用されるかも。

5-4位は、こちら。


不運な人を助けるための活動をしています。フィールドワークで現地を訪ね、取材して記事にします。クオリティの高い記事を提供出来るように心がけています。