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[ルポ②] 恐怖の現場ランキング トップ5 【前編5-4位】

仕事運が壮絶に呪われていた私は、単発アルバイト含め471社で働いたが、それだけ働けば、尋常ならざるケースにも遭遇する。

今回は、その中でも特に酷かった『恐怖の現場5選』を紹介する。


第5位【2階の床に突然大穴が空いている物流倉庫】

なぜか2階の床に、大きな穴が空いている物流倉庫があった。周りにガードする柵などはなく、歩いていると前方に突然穴が空いている。

「前を見ないで歩くと落ちるから気をつけて」と言われたが、いや、落ちないように、少なくともコーンを置くとか処置しろよと思った。

荷物をフォークリフトで引き上げるところは別にあったので、その穴の用途はわからない。

ある日の朝礼の最中、2階からドサドサと5キロくらいある荷物がいくつか落ちてきた。1階では、落下現場のすぐ横に従業員がいたので、まさしく危機一髪だった。

そんな事故があっても「あー!危なかったね」と傍観して、対策しない会社だった。

他にも、2階の床の終点に柵が無いという現場もあった。


第4位【アイスで乗り切れ!冷房のない汗だく倉庫から出発 "三途の川ツアー"】


9年くらい前のことだが、夏場は毎日「室温33度、湿度80%」以上になる、冷房ゼロの衣料系物流倉庫があった。

数少ない扇風機は全部あさっての方向を向いていて従業員を冷やさない。窓は完全に締め切られている。
作業場というより、サウナだった。

「休み時間に皆にアイス1本あげるから我慢して」と、それが唯一のこの工場での熱中症対策であった。

こんな状態なので、従業員の汗は、商品の衣服にダラダラとしたたった。汗シミと塩が浮き上がってこないのだろうかと心配になった。

朝礼で「今年の8月は、半月で救急車が6台来たので、皆さんも気をつけるように」と言っていた。
まあ、そうなるよな。

それでも、社員らの危機感はゼロであった。それもそのはず。社員達は、冷房ガンガンの事務所にいたのだから。
現場には塩飴も、塩タブレットもないし、水すら自由に飲めなかった。

※今なら、こんな現場から救急搬送されたら労災申請ができる。労基署が入れば冷房がないのは一目瞭然なので。

私はここで重症の熱中症になり、なんとか帰宅したものの、自宅で深い眠りについたところ、夢で「三途の川」を見てしまった。岸にはお花畑があって、川がとうとうと流れ、渡し船には何人か乗っていた・・・。

ふと目が覚め、キッチンで水を飲んで再び寝た。
どうやら、あの世から魂が生還したらしいが、このことがきっかけで霊感が覚醒した。
やはり一度臨死した人間は、普通ではいられなくなるらしい。

何十年も前の話ではない。
ほんの数年前まで、こんな倉庫があっのだ。
働く人の汗にまみれたシルクの洋服、買った人、
かわいそうだなあ。

取引先の百貨店に、あの劣悪倉庫の内情を
教えてあげれば良かったかもと、後悔した。

去年久しぶりに、この倉庫の辺りを通ったら、すでに再開発で取り壊されたようで、跡地には立派なマンションが建っていた。

あの悪夢の倉庫が跡形も無くなったのを確認した私は、スッキリした気持ちになった。

それほどまでに、酷い環境の現場だったのである。



3〜1位は、こちら。



不運な人を助けるための活動をしています。フィールドワークで現地を訪ね、取材して記事にします。クオリティの高い記事を提供出来るように心がけています。